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失敗しない麹あま酒のつくり方

あま酒ブームですね。
店頭には、いろいろな商品も並んでいますし、
Webを検索するとあま酒の作り方も多数ヒットしますが、安全面で「大丈夫?お腹壊さない?」と思えるレシピもみかけますので

簡単にあま酒造りのポイントを記してみます。

① 麹もしくは麹と白米と水の量の比率は 1:2 を基本に。
麹を 200g 使うのなら水は 400ml 使用します。
麹だけでなく麹とご飯を使用する場合、
麹 150g とご飯 1合 330g (白米 150g と水 180ml )使用するなら、水は 420ml 使用します。(一般的に、白米の 2.2 倍量がご飯の重さになるので)
使用する麹の量は、最低でも麹と白米の合計量の半分が良いです。
また、水の量はお好みで少なくしたり、多くしても大丈夫です。1:1くらいで作るとお米で使った甘味料が出来上がります

② 糖化は 55~60℃ を保つ。~糖化は、1回目の低温殺菌!~
どこの家庭できる方法は、炊飯器を「保温」 に設定し、ふたを開けたままぬらした布巾で覆い 5〜6 時間保温します。
麹は、麹菌というカビが繁殖した蒸米なのですが、他の微生物も数多く含まれています。
なので、糖化温度が低すぎると好ましくない微生物が増殖して異臭がしたり、運が悪いとお腹を壊すようなあま酒ができてしまう可能性があります。逆に、60℃ を超えるとお米のでんぷんを分解して甘いグルコースに変える酵素というたんぱく質が変性して甘くないあま酒!?になってしまいます。(炊飯器によっては、ふたを閉めて「保温」にすると 60℃ 以上になるので注意が必要です)
55~60℃を保つというのは、菌は殺菌されるが甘くはなるという絶妙な温度帯なのです。
※出来上がったあま酒から燻製のような香りがしたら雑菌が増殖した

③ より安全に保管するなら 2 回加熱殺菌を
すぐに飲むのなら殺菌は不要ですが、保管するならしっかりと殺菌を行いましょう。
出来上がった甘酒は、なべ等で30分程度過熱します。その後、自然に放冷して 4~5 時間後に、同様になべ等で30分程度過熱します。(加熱中に蒸発した分の水を加えても大丈夫です)加熱後、熱いままジップロックなのどの容器に入れ密封し、冷凍保存すれば長期間保存できます。
麹の中にいる微生物の中には、殺菌中に熱に強い卵のようなもの(芽胞といいます)を生んで死んでしまう微生物がいます。その卵のようなものは、増殖しやすい温度になると通常の微生物になり増殖を始めます。この微生物を殺すために、加熱殺菌後、室温に戻し、熱に強い卵から通常の微生物に変化して増殖しないうちに再び加熱殺菌するとより安全なあま酒が出来上がります。



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