見出し画像

「好きなことで生きていく」に縛られているのかもという話

現在無職の23歳です。新卒で入った会社は10ヵ月で心がボロボロになっちゃって、逃げるように辞めた。

最近、「好きなことで生きていく」について考えさせられている。いつの間にか「好きなことで生きていかなくちゃ」が縛りみたいになっていた気もする。でも、好きでもないことを頑張れるほど、私はタフでもない気もする。

まとまらない断片的な考えで頭がいっぱいになっているので、とりあえずつらつら書いていきたいと思う。


・昔から、自分の好きなことに本気で取り組んで、仕事にした人というのにひどく憧れてしまう。高校生の時、冊子くらいの厚みがある質問に答えて、適性職を見つける、みたいなやつをやったことがあるけど、私の結果は「俳優業」だった。そんなわけないよねーの笑い話にしかならなかったけど、今思えば、中学生のころから星野源の音楽やラジオや本に影響されまくった結果、考え方からどっぷり星野源に洗脳されていたのではないかという説もある(自覚なし)。星野源って今となっては説明するまでもなく「多才」だけど、本人としては、好きなことに全部本気で向き合った結果でしかないんだろうな。尊敬。


・音楽できる人に憧れて、アコギやらエレキやらベースやらピアノやら、色んなものに手を出してきた。小学生高学年くらいのときからそうだったんだから、ちゃんと本気で練習しておけば今頃ギターヒーローになっていたかもしれない。でも、結局私は初心者用の曲を楽譜見たら弾けます、程度にしか上達しなかった。好きな難しい曲をコピーできるようになる程、本気で練習もできない。実家には、まともに弾けない大量の楽器だけがある。何も極められない。私にはそういう中途半端さがある。


・この前、サカナクションの山口一郎さんが、「働いてたら苦労はしなきゃいけないんだから、どうせ同じ苦労なら好きな仕事で苦労した方がいいじゃん」みたいなことを言っていた。大納得してしまった。けど一郎さんは超ストイック人間だからなあ……。


・大学4年間は、自分がめちゃくちゃ好きな店で働いていた。中学生くらいの頃から漠然と考えていた「大学生になったらこういうところでバイトしてみたいな」がそのまま具現化したみたいな場所と仕事だった。向いてる向いてないとかは置いておいて、とにかく好きで、天職だと思っていた。だから、スーパーとかコンビニでバイトをしていた友達には「なんで好きなことしないの?もったいないなー」と思っていた。


・ちなみにそのバイトは熱意だけで合格した。性格とか条件とかでは落とそうかと思ってたと店長に言われた。履歴書びっしりに文章力を発揮した甲斐があった。私は、大学4年間のバイト経験を誇りに思っている。


・10か月で辞めてしまったけど、新卒で入った会社だって、もともとは好きなことベースで辿り着いた業界だった。好きなことって言ったって、「就活の軸ね…じゃあインテリア関係かな?」くらいの軽く決めた縛りみたいなものだったけど。


・インテリア業界に入ろうとしたけど、もともと建築学科でもデザイン学科でもないし、なかなか入れるところがなくて、辿り着いたのが新築住宅の営業マンだった。結局、私の性格で営業マンなんてできるはずがなくて辞めてしまった。唯一、CADを使って内観パースを作ったりするのは、超精密などうぶつの森みたいですごく楽しかった。小さいころからインターネット君だったから、そういうPC作業みたいなことは全く苦じゃない。


・私はいわゆる「器用貧乏」っぽいところがあると思う。学生時代なんて特に、それなりに何でもこなせた(人間関係以外)し、取り立てて得手不得手もなかった(人間関係以外)ので、何かに特化することなく、なんとな~く就職まで進んできた感じがある。最初からまぁまぁ出来てるつもりになってるからなのか、その実力を覆すほどの努力みたいなものをしたことがあまりないのかもしれない。オタク気質でもなくて、なんか全てに対してサッパリしている。気がする。


・こういう人間こそ、さっさと適当なできることを見つけてしまって、手に職つけておくべきだったのかもしれない。「好きなことをしなきゃなー」となんとなく思っていたのかもしれないけど、友達の職とかを聞いていると、「昔からの夢をかなえるために就職しました」みたいな人ってかなり少ない。その他大勢の人たちは、最初はよく分からないものを、仕事だからってだんだんプロになる努力して、プロの顔して取引してるだけなんじゃないのか。それだけで十分だよな…。大して何もできないのに、新卒カードも捨ててしまった私に何ができるんだろう。


・宮藤官九郎脚本、のん主演の舞台で「愛が世界を救います(ただし屁が出ます)」というものがある。改めて書いても馬鹿みたいな名前だし、内容も笑える。そのくだらなさの中に、何気なく世の中の鋭い本質みたいなものを書くのが宮藤官九郎だと思う。
例えばこの舞台では、LGBTQ……(作品中では、かなり多様性が複雑化している)が尊重されすぎてしまい、ただの平凡な男が「普通」であることをコンプレックスに思って、どんどん自分を見失っていく…みたいなことが描かれていた。
確かに、「好きなことで生きていく」とか「自分らしく働く」みたいなものが一般論になってくると、私みたいに流されて生きてきた平凡な人は、どうしたらいいか分からなくなっていく気がする。



あーあ。
なんか何言ってんのか分からなくなってきた。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?