長崎の日本酒と、お手軽おつまみとの組み合わせをご紹介
皆さまこんにちは。
ご当地の名物やお酒を楽しむ旅行が好きなおひぐです。
このコラムでは毎月15日におひぐが出会った美味しいお酒と食べものを、旅を絡めてお届けします。
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今回の舞台は長崎です。
九州といえば日本酒より圧倒的に焼酎。
日本酒は佐賀のものは有名ですが、その他の九州の県のものはあまり馴染みがない方も多いのではないでしょうか。
今回はまだあまり注目されていない長崎県産の地酒を取り扱っているお店の見つけ方と、私が買ったおすすめの長崎の日本酒3つをご紹介します!
県産指定酒店のタペストリーが、地酒を取り扱っている目印
長崎県では県産の清酒や本格焼酎などを常時3種類以上提供している飲食店を「県産酒指定店」として認定しています。
その数は県内で600店舗ほど。
「県産酒指定店」の目印となるのは「長崎県産酒あります」と書かれた青いタペストリー。
居酒屋や酒屋さん、店内や店頭に飾られているので、探してみてください。
店舗の詳細は、長崎観光連盟が監修している『至福の一皿 ながさきグルメセレクション』の「県産酒指定店」の項目からも検索ができます。
「至福の一皿 ながさきグルメセレクション」は冊子もあり、私は長崎空港から長崎市内に向かうバスの中で見つけました。
空港や観光物産展、ホテルなどの観光施設にも置いているので、見つけたらぜひ手にとってみてください。
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今回ご紹介する日本酒は3種類。
360mlのボトルがあったので買ってきました。
今里酒造『純米酒 山田錦 六十餘州(ろくじゅうよしゅう)』
焼き物で有名な波佐見町にある今里酒造は1772年に創業と歴史が長い酒造です。
商品名に付けられた『六十餘州』とは、日本全国の意味があります。
日本中の皆さまに飲んでいただきたいとの思いが込められているそうです。
山田錦が使われているためか、甘みと旨みがあります。
純米酒の力強い味わいが特徴的です。
九州の甘めの味付けの料理にも、塩みの効いた料理にも合います。
『六十餘州』と一緒に楽しむおすすめの料理は、甘い卵焼き!
卵焼きの甘さが六十餘州の旨味が引き立てます。
杵の川『杵の川 本醸造生貯』
九州産の米に醸造アルコールを添加して造る本醸造酒に、出荷直前に1回だけ火入れをしたものです。
通常絞った後と出荷前の2回に分けて火入れ(60度前後に加熱殺菌)をするところ、出荷前の1回のみ火入れをすることで絞った後の生の風味を残しながら殺菌効果により品質も保ちやすくなります。
口に含むとスッキリと爽やかな風味です。
この爽やかさは夏に冷やして飲みたいですね。
本醸造酒はどうしてもアルコールの臭みが気になってしまいます。
ですが『杵の川 本醸造生貯』は生貯蔵酒の作り方で造られているおかげか、フレッシュで爽やかな風味が強くなりアルコール臭が気になりません。
『杵の川 本醸造生貯』は白身魚のムニエルとの相性が良かったです。
魚の脂を日本酒で洗い流すように飲むとさっぱりします。
凍らせてシャーベットのようにして食べるのもいいかもしれません。
吉田屋『萬勝 はねぎ搾り 純米つるバラ酵母』
「はねぎ搾り」とは1本の大きな「はねぎの木」を天井から吊るし、その重みをてこの原理に応用した圧搾の技術です。
手動で圧搾を行うため手間ひまがかかるのに全てを搾りきることができないため効率が悪く、全国でもこの技術を取り入れている酒造は少ないのだとか。
最後まで搾りきることができないからこそ、雑味がお酒に混じることなく澄んだ味わいを楽しむことができます。
口に含んだ瞬間は純米酒にしては珍しくスッキリとしていながら、後味にはつるバラ酵母のおかげか華やかな力強い風味も。
開栓してから少し時間が経つと、口に含んだ瞬間から強い日本酒の風味を感じるようになるので開栓直後との味の違いも楽しめます。
『萬勝 はねぎ搾り 純米つるバラ酵母』と組み合わせでおすすめの料理は、大根の美酒煮バターのせ!
少量の『萬勝 はねぎ搾り 純米つるバラ酵母』と出汁で煮詰めた大根に、バターを載せると純米酒の旨味と合わさって盃と箸が止まりません。
大根を煮詰める時に牛肉などの動物性タンパク質を入れるともっと旨味が増して美味しいです。(手軽に作る場合は牛肉だしの素などの使用も◎。)
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あまり多くに知られていない長崎の地酒。
今回ご紹介したもの以外でもたくさんの種類の地酒があったので、長崎に行く機会や長崎の物産展があるときなどに探して飲んでみてくださいね!
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余談ですが、今回撮影に使った酒器は長崎県の焼き物「臥牛(がぎゅう)窯」のお猪口です
400年もの歴史があり長崎県無形文化財に指定されているものなんですよ。
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