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動画で学べるシリーズ!日本酒講座「製法編 もろみ」

みなさんこんにちは❗️
今回の動画で学べるシリーズ第7回は「製法編 もろみ」についてです!
動画だけでなく文字でも解説していくので、お好みの形式でお酒のことを学んでもらえればと思います🍶
コチラのチャンネルの動画をベースに解説を進めていきます!

今回はコチラの動画になります!
この動画では日本酒の製法のうち、もろみ造りについて解説しています!

1.三段仕込み
2.もろみ経過
3.四段・醸造アルコール

今回はこの3つの項目で進めていきます!

1.三段仕込み

まず、本題に入る前に、もろみについて触れていきます。
酒母にさらにお米と水を加えて発酵しているドロドロの状態のもののことです。
酒母と似たような状態ですが、酵母の増殖が目的だった酒母に対し、もろみは日本酒という飲み物にしていくための工程になります。
量を増やしていったり、味や香りを整えたり、アルコールを増やしていき、もろみを搾ることで日本酒の原酒になります。
ただ、一度に一気に増やしてしまうと、せっかく酒母で雑菌が増殖しないようにした、酵母が優勢な環境が崩れてしまい、うまく発酵できない可能性が出てきます。
そのため、日本酒のもろみ仕込みは3回に分けて行われるのが一般的です。

ここから、その三段仕込みの解説をしていきます。
先ほども言ったように、三段仕込みは酵母が優勢な環境を維持するために、段階的な原料の投入を行なっています。
以下のように添、踊り、仲、留と4日間かけて行なっていきます。
酒母では、酸性環境で酵母を守ってきましたが、もろみの前半では酵母を増殖させ、数で圧倒し、他の雑菌に付け入る隙を与えないようにしていきます。

まずは、添(そえ)から見ていきましょう。
初添(はつぞえ)や、添仕込みとも言われます。
タンクに酒母と麹米、仕込み水を加え、水麹にした後に蒸米を投入し、温度を12度前後に仕込みます。
もろみ段階で投入される原料のうち20%弱ほどが添で投入されます。
添の段階の蒸米は3段の中では、早めに糖化されるように水分が多く、柔らかめであるのが一般的です。

翌日は、踊(おどり)といい、原料の投入を1日休みます。
酒母で増殖させた後、休ませていた酵母をしっかりと増殖させ、活動を活発にさせるために行ないます。
酸度も大きく下がるので、その環境にも慣らしていきます。
表面の泡の状況で酵母の増殖具合を判断し、踊りを2日とる場合もあります。
この間もしっかりと櫂入れを行ない、酵母の増殖を促します。

その翌日が仲(なか)です。
仲添、仲仕込みともいいます。
仕込み方法は同様で、温度は9度前後と、低くなってきます。
ここで、原料のうちの30%強が投入されます。
図ではわかりやすいように同一のタンクで仕込んでいますが、この段階で、最終的な大きさの仕込みタンクに移し、仕込んでいくのが一般的です。

仕込みの最終日が留(とめ)です。
留添、留仕込みともいいます。
こちらも仕込み方法は同様ですが、温度は7度前後と、さらに低くなっています
残りの約50%を投入し、仕込みを終えます。
添の段階の蒸米よりも水分が少なめで硬い蒸米を用い、徐々に糖化されるようにすることが多いです。
留を行った日をもろみ期間の1日目とし、発酵を管理していきます。

ちなみに、図のように添から同様のタンクで仕込むことをすっぽん仕込みと言います。
以前は大きなタンクに添を仕込むと表面積が増え、踊での温度の低下に繋がる可能性があるため、添ではちょうどいい大きさのタンクで仕込むのが一般的でした。
しかし、現代では、比較的温度の管理が容易になってきたので、採用する蔵も増えてきています。
移動が少ない方が衛生的で、作業の手間も減らせるというメリットがあります。

2.もろみ経過

では、次にもろみ経過をどのように管理しているかを学んでいきましょう。
もろみ期間は大きく分けて、前半の酵母を増殖させる期間と、後半のアルコール発酵を中心とする期間の2つになります。
その2つを温度でコントロールし、発酵期間を決めていきます。
基本的に温度が高いほど、酵母に適した環境に近づくため、素直にアルコール発酵を活発に行ない、比較的短期間で仕上がり、スッキリとして、糖分の少ない酒質になりやすい傾向にあります。
温度が低い場合は酵母にとって比較的厳しい環境になるため、管理に注意が必要になります。
しかし、酵母が生き残ろうと様々な物質を生み出し、香りや旨味の成分に繋がります。
そのため、繊細で複雑な味わいに仕上がる傾向があります。

しかし、日本酒造りでは微生物が密接に関わっているため、温度を管理しているだけでは、毎回同じような経過を辿るとは限りません。
そのため、もろみの表面の泡の様子などから判断したり、毎日日本酒の成分を分析し、もろみの状況の把握を行なっています。
糖濃度やアルコール濃度の一方が高いなど、もろみのバランスが崩れている場合は追い水と呼ばれる作業を行ないます。
もろみに加水することで局所的に希薄な部分を作り、そこで酵母の発酵を活発にさせることができます。
目標とする酒質により、期間は様々ですが、管理していくこと長いもので約4週間
分析の値などから判断し、搾るタイミングを決めます。

3.四段・醸造アルコール

この搾る前のタイミングで四段仕込みや醸造アルコールの添加を行ないます。
それらについてこれから解説していきます。
まずは四段仕込みについてです。
四段仕込みはもろみを搾る前日などに、酵素剤で糖化した甘酒や、うるち米やもち米を蒸したまま投入したりすることを言います。
どのようなものを投入するかは、蔵によって様々ですが、基本的には甘味や旨味をプラスすることを目的に行なわれます。
現代では少ないですが、この後の醸造アルコール添加のために味を整える役割も以前は担っていました。
この四段仕込みの製法は基本的には行なわれず、蔵によっては個性を出すために用いられています。

次は醸造アルコールについてです。
醸造アルコールとは、元々ほぼ純粋なアルコールで、もろみに添加する際は30%ほどのアルコール濃度に加水したものを用いています。
役割としては2つあります。
1つは日本酒の味わいをすっきりとさせることです。
日本酒に含まれる雑味を生む成分がアルコールによって感じにくくなるため、キレが良く、飲み口の良い酒質になりやすいと言われています。
2つ目は香りを引き立てることです。
日本酒の香り成分は主に水には溶けず、アルコールには溶けるものが多いため、アルコールを添加することで、より多くの香り成分を原酒にとどめることができるようになるためです。
そのため、香りの評価が大事になる鑑評会などのコンテスト用の出品酒には多く用いられており、アルコール度数も高めの傾向にあります。

以前は醸造アルコールが三増酒のように原料が足りないために仕方なく用いられていた時代があり、その頃の酒質は現代よりも粗悪なものが多くありました。
そのイメージが現代も残っていて、アル添は悪という空気がありますが、現代での醸造アルコール添加は日本酒をより美味しくするために行なわれているので、安心して口にして問題ありません
念のため追記しておくと、こちらも必ず行なわれる工程ではありません。
もろみでは、麹や酒母と丁寧に作り上げたものを組み合わせて、調和させていく段階になります。
一麹、二酛、三造りと三番目の重要度ですが、ここで間違えると全てが台無しになってしまう気が抜けない工程です。

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