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動画で学べるシリーズ!日本酒講座「原料編 お米」

みなさんこんにちは❗️
今回の動画で学べるシリーズ第11回は「原料編 お米」についてです!
動画だけでなく文字でも解説していくので、お好みの形式でお酒のことを学んでもらえればと思います🍶
コチラのチャンネルの動画をベースに解説を進めていきます!

今回はコチラの動画になります!
この動画では日本酒の原料のうち、お米について解説しています!

1.米の役割
2.酒造好適米

今回はこの2つの項目で進めていきます!

1.米の役割

早速、お米の役割について解説していきます。
以前の日本酒講座第1回で解説したように、お米は最終的にアルコールになる重要な原料です。
お米の主な成分はデンプンで、そのデンプンがアルコールへと変化していきます。
その仕組みを解説していきます。
デンプンはグルコースという単純な糖がいくつも結合している物質になります。
まず、お米を蒸すことで熱と水分の影響でデンプンの構造が柔らかくなり、分解されやすい状態になります。
そのデンプンを麹菌が生み出した酵素が結合を切り離し、グルコースに分解していきます。
そのグルコースを酵母が食べることにより、アルコールを生み出しています。
もろみの中ではその反応が同時に繰り返し起きていて、それが並行複発酵という発酵形式で呼ばれている理由になります。

お米に含まれているその他の成分はタンパク質と脂質、そしてミネラルになります
タンパク質と脂質は基本的に余分な成分とされていて、それらを除去するために精米を行ないます。
少量含まれているミネラルは発酵の補助を役割としています。
このように、お米の役割はデンプンの供給が主なものとなっています。
そのため、日本酒に使用されるお米には様々な品種がありますが、その品種による違いが日本酒の味わいそのものに与える影響は比較的少なくなっています。

2.酒造好適米

では、その日本酒に用いられるお米について詳しく見ていきましょう。
日本酒の製造に適した性質を持つお米の品種のことを酒造好適米と呼び、一般的に食べられている食用米と区別されています。
酒米という言葉も耳にする機会は多いと思いますが、こちらは酒造好適米や食用米に限らず、日本酒製造に用いられているお米を指すことが、現代では多くなっています。
以前は酒造好適米と同じような意味で使用されていました。
ここからはその酒造好適米について解説していきます。

まずは酒造好適米が備えているべき条件についてです。
その条件は3つになります。
1つ目はタンパク質、脂質が少ないことです。
先ほど解説したように日本酒造りではお米に含まれるタンパク質や脂質は余分な成分とされています。
そのため、もともとそれらの成分の含有量が少ないものが好まれます。
それらの成分が多く含まれると精米で除去しないといけない部分が多いので、どうしても効率が悪くなってしまいます。
2つ目の条件はその精米に関わってきます。
その条件は一粒の大きさが大きいことです。
精米はお米を表面から磨いていく工程になるため、粒が小さいと割れたり、砕けたりするリスクが高いため比較的酒米として適していません。
粒の大きさの指標とされるのは千粒重(せんりゅうじゅう)というものです。
これは、文字通り玄米の状態の1000粒のお米の重さのことです。
品種によってばらつきはありますが、食用米で20gほど、酒造好適米では25gほどになります。

最後の条件としては心白出現率が高いことです。
心白というのは下記の画像のようにお米の中心部分の白くなっている部分のことを言います。
基本的には食用米にはほとんどありません。
どうして白くなっているかというと、デンプンの構造が荒く、光を反射しているため、そのように見えています。
心白がないものは規則的な結晶構造になっていて硬いため、麹菌の菌糸が入り込みにくかったり、もろみに溶けにくかったりします。
心白はその逆で、柔らかい構造になっているため、菌糸の食い込みが良かったり、もろみに溶けやすい上、デンプンの割合も高くなっています。

ただし、心白が大きければいいというわけではありません。
心白は先ほど解説したように柔らかい構造となっているために精米時に割れやすいというリスクも背負っています。
そのため、大きすぎてもデメリットとなってしまいます。
また、心白も酒造好適米だからといって必ず存在するわけではありません。
その心白が存在しやすい品種があればそうでないものもあり、気候や肥料などの栽培条件でも心白出現率が変化します。
酒造好適米には備えるべき条件以外にもある程度共通している特徴もあります。

近年品種改良されているものには当てはまらないことも多いですが、基本的には食用米よりもイネの丈が高いという点です。
これは、酒造好適米が比較的、品種改良されていないイネの原種に近いためです。
このイネの丈は酒造好適米の栽培が比較的難しいとされている理由の1つになっています。
丈が高いと風の影響や穂の重みでイネが倒れてしまう可能性が高いためです。
そのため、酒造好適米は一般的な食用米の米どころではなく、長野や兵庫、岡山などの山に囲まれていて風の影響が少ない地域で多く生産される傾向にあります。
これまで解説してきた酒造好適米ですが、現在では100種類以上も種類があり、それぞれの個性についてはこの動画で解説していくのが現実的ではないほどに多くなっています。
現代では、醸造技術も進歩してきており、酒造好適米ではなく、食用米でお酒を作ることは珍しくなくなってきました。
それに応じて、日本酒の味わいに対するお米が与える影響の割合も少なくなってきています。

日本酒のラベルには使用したお米の品種が書かれていることが多く、味わいを想像する1つの指標になっていますが、そのお米だからこういう味がすると決まっているわけではありません
ワインのブドウように原料の品種が味わいに直接的な影響を与えるわけではないので、先入観を持たず、あくまで傾向として考えてもらえればと思います。

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