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風呂のドアが開かない

風呂というか、シャワー室のドアが開かなくなりまして、私はびっしょびしょの全裸でして。

どんなに引いてもビクともしないんですよね。

あんまりガチャガチャしすぎるとガラス戸なもんで、割れたら全身ズタボロ血みどろ男爵令嬢になるじゃあないですか。

こんなルートで貴族にはなりたくないなって思いまして、うちの豪州人(パートナー)を呼ぼうと思ったんやけれど、うちの風呂場、換気扇うるさいんですよ。

電気のスイッチ入れたら同時に作動する連動タイプの換気扇でして、全然換気いらんときも電気つけたらブォォォォォォォォォォォと回り始めもうマジで静かにしてくれって常日頃から思ってたんですけど、今日ばかりはもうマジのマジで静かにしてくれよって常日頃と同じことをより強く思ったわけですよ。

メルボルン、本日摂氏9度。

威勢のいい換気扇のせいで、全裸の私は鳥肌がスゴイ。

しかも、そういえばうちの豪州人、私が風呂入る前、ノイキャンのヘッドホンつけて古くからの友人(ただし一度も会ったことない)と真剣そうに電話してたんですよ。

議題はというと、100体のゾンビはどうやって倒せばいいか。

知るかよ。お札とお守りと数珠握りしめ心の中で南無阿弥陀仏って1000回唱えたら多分ゾンビは死ぬ。

結局、全裸の私の声、うちの豪州人に届かず。

まぁ、届いたとして、どうやって救出してもらえばいいのだろうか。

あーもうマジでぇぇぇ。

って思ったとき、ハッとした。

"どんなに引いてもビクともしないんですよね。"

ドアを、押してみる。開いた。

そのバカ女の行方は、誰も知らない。


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