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#37 富山県について

今回の問題

生産地・富山県について述べよ。

自分の回答

200字回答

富山県は軟水で良質な雪解け水が豊富である。酒造りの歴史は古く、奈良時代には酒造りが行われていたことが『万葉集』に記録されている。北前船の拠点寄港地もあり、県外移出用の酒も醸造されていた。魚介と合うタイプの酒が多い。南砺産五百万石はブランド米で、近年は富山県産山田錦を「越中山田錦」としてブランド化を進めている。吟醸酒向けに県で開発された雄山錦の生産も盛んである。酒米は移出超過タイプ。(192字)

回答の要素

概要
標高3000m級の山々に囲まれ、軟水で良質な雪解け水が豊富。
歴史は古く、奈良時代には酒造りが行われていたことが『万葉集』からわかる。
北前船の拠点寄港地もあり、県外移出用の酒も醸造された。
海の幸が豊富で、魚介と合うタイプの酒が多い。

酒米について
南砺産の五百万石はブランド酒米。
富山県産山田錦を「越中山田錦」としてブランド化を進めている。
吟醸酒向けに県で開発された「雄山錦」の生産も盛ん。
酒米は移出超過タイプ。

回答の構成

・軟水で良質な雪解け水
・奈良時代、万葉集
・北前船の拠点、県外移出用
・魚介と合うタイプ
・南砺産五百万石、越中山田錦、雄山錦:吟醸酒向け
・移出超過タイプ

回答の補足

Diploma教本には「現存する最古の酒蔵は、新潟と富山の県境で江戸初期の1626(寛永3)年に創業した」と書かれているが、これは「富山県内の 現存する最古の酒蔵」なので注意が必要。富山県内の現存する最古の酒蔵は 林酒造場 (1626年創業)で、公式HPには「歴史ある蔵元が多い富山県でも最古の酒蔵となります」としっかり書いてある。

日本で現存する最古の酒蔵は茨城県の 須藤本家 (1141年創業)とされているが、公式HPには創業年や日本最古である旨は記載されていない。

また、『万葉集』の歌人として知られる大伴家持は、28歳で越中国守となり、5年間越中で暮らした。「造レ酒歌一首」は越中国守の勤めの中で、酒造りに関わる経験を得たことで詠まれたとされる。なお、"レ"は「レ点」なので、「造れ酒歌」ではなく「酒を造る歌」である。

関連
#15 山田錦について
#16 五百万石について

他の回答

先人たちの回答

富山県は標高3000m級の山々に囲まれ、良質な雪解け水が豊富である。河川の斜度が急で、雪解け水の土岩中有滞在時間が短いため、軟水が特徴である。水の良さが良質な米を生み、南砺産「五百万石」はブランド酒米となっている。また、水や米に加えて冬場の寒気もあり、酒造りには好環境である。独自の酒米として、吟醸酒向けに開発された「雄山錦」がある。酒米は移出超過タイプ。海の幸が豊富で、魚介と合うタイプの酒が多い。

えすにっくさん
https://ethnicsake.blog.fc2.com/blog-entry-165.html

参考文献

J.S.A SAKE DIPLOMA 教本(Third Edition)p. 126,127
All About, 日本最古の酒蔵ベスト5! ほか歴史の古い酒蔵は?, 2010年6月13日, 閲覧2023年10月5日
加藤 百一, 万葉の古代と酒 (6), 日本醸造協会誌, 2005, 100 巻, 7 号, p. 497-510
奈良県, はじめての万葉集vol.31, 2016, 閲覧2023年10月10日

※ 引用時に出典URLを明記したものは省きました。
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