【いちばんすきな花】第9話 ~美鳥の過去(後編)と帰りたい場所~

第9話を見終わって、来週が最終回かと思っていたけど10話では終わらなそう・・・?
プライム帯のドラマは10話くらいのものが多いから、好きなドラマが11話まで見られるとお得感があって単純に嬉しい。


前回の第8話では美鳥の過去(時系列的には中学~高校時代)が判明して、その中で伏線回収に驚かされた。
今回の第9話では大学時代~社会人(高校教師、塾講師)と現在に至るまでが判明した。

美鳥が大学生で塾講師のアルバイトをしていた頃にゆくえと出会った。
模試の判定や男女の友情で悩みを抱えていたゆくえに美鳥がかけた言葉は、現在のゆくえが希子や穂積にかける言葉と同じだった。
そのくらいゆくえは美鳥の影響を受けていて慕っていたことが分かる。

紅葉と出会った時、美鳥はいつもイライラしていて、ここでも「みんな」から嫌われていた。
でも、紅葉は「みんな」にはならなかった。数学の補習が受けたくてわざとテストで悪い点を取っていた。その補習の時に、紅葉に友達がいないことを見抜かれていたことが分かる。

自分自身は何も変われなかったけど、嫌いな自分を否定してもらうことで自分の気持ちを肯定してもらえた

前回の嫌いなポジティブワード「他人は変えられないけど、自分は変えられる」
そう簡単に自分を変えることなんてできない。無理に変わる必要もない。
紅葉が美大は無理だと話した時に美鳥は無責任にポジティブワードを投げかけなかった。ポジティブワードで救われる人とそうではない人がいて、紅葉は後者ということまで美鳥は分かっていたのかもしれない。
そうでなくても、紅葉とちゃんと向き合っていたからポジティブワードを投げなかったのだろう。

家族や学校、職場で「みんな」から嫌われていた美鳥。その「みんな」にならなかった椿、ゆくえ、赤田、紅葉、夜々とは2人組で向き合うことができたのだろう。彼らの存在が美鳥にとっては救いになっていたはずだ。

美鳥は夜々の言葉がきっかけで塾講師のアルバイトを始めて、ゆくえの言葉がきっかけで学校の教師になった。4人が美鳥から影響を受けていたのと同じように美鳥も4人から影響を受けていた。
人から教わったことが他の誰かに繋がって、4人が出会って意味があったことなんだと分かった。

今回の第9話では、これまでに出てきたものが再登場していてなんだか復習しているように思えた。
交換ノート、間違い探しの答え合わせ、ゴミ袋、「お邪魔しました」と「またおいで」など。他にも見落としているところはありそうだけど。。

最後に空港で、美鳥がゆくえに「バイバイ」と言った後に、ゆくえが「いってらっしゃい」と送り出すシーン。美鳥が「いってきます」と言い直して出発する。
「バイバイ」というのは紅葉と篠宮のシーンで、もう会うことのない別れを意味する言葉のように使われていた。ここでは「いってらっしゃい」、「いってきます」と言うことで、この後には「おかえり」と「ただいま」がある。美鳥には変える場所があって、そこには待ってる人がいるということが表されているように思えた。

8、9話を通じて、4人が美鳥に対して願っていたことが叶った瞬間なのだ。


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