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焦げ目?焼き色?身近だけど意外と知られていないメイラード反応について

初めてnote使います。

坂田 柊です。

このnoteではお金も取らないのでネットで拾った画像を使います。画像作ってくれた人の報いになるかなって気持ちで使ってるけど、NGだったら消します。


ところでこのサムネイルの美味しそうなお肉の写真、note内で無料公開?されてて使っても良さげなのでありがたく使わせてもらいます。(違ったらごめんなさい)


そう、お肉焼くときって焼き目を付けた方が美味しくないですか?というか美味しいんですよ。

これがメイラード反応です。

別の例も挙げますね。

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食パンをトーストすると表面がカリカリするだけじゃなくて、焼く前とは違う風味がしますよね。

これもメイラード反応です。これが1番馴染みがあるかな

見た目で1番わかりやすいのはあめ色玉ねぎですかね。
僕がオニオングラタンスープを作った時のビフォーアフターを載せますね。

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1時間ほど炒めたら白かった玉ねぎがこんなに茶色くなりましたね。これもメイラード反応です。

ここから、茶色くなることを褐変と呼びます。

メイラード反応とは

メイラード反応は食品中の「アミノ酸」と「糖」の反応である。この反応はフランス人化学者メイラードによって発見された。メイラード反応が進行することで生成される褐色物質を総称して「メラノイジン」という。

アミノ酸?糖?よく分かんない!って人も大丈夫。

どっちも大体の食品に含まれてる物って事だけ知っておいてください。

褐変することをメイラード反応
反応で出来たのがメラノイジン

カタカナばっか見てても仕方ないので
早速メイラード反応の例を挙げますね。

・肉を焼いた時の褐変
・パンを焼いた時の褐変
・醤油と味噌
・玉ねぎを炒めた時の褐変(あめ色玉ねぎ)
・コーヒー豆やカカオ豆を焙煎した時の褐変

こんな感じです。

食べ物の美味しい風味はメイラード反応が関係している場合が結構あるんですね。


ちょっと脱線しますが、最近【旨味】という存在が認められたという話は聞いたことがあると思います。

旨味の正体はアミノ酸です。
旨味となるアミノ酸は3種類あります。

・グルタミン酸(昆布、チーズ、トマトなど)
・イノシン酸(かつお、肉)
・グアニル酸(干し椎茸など)

などが代表的な物です。

和食ではこの旨味を出汁などから取り入れています。


もう1つ和食にとって重要なのが醤油と味噌です。

醤油も味噌も原料は大豆です。『畑の肉』とも呼ばれるくらいタンパク質が豊富です。


熟成中に大豆のタンパク質がアミノ酸に分解されることで【旨味】になり、同時にアミノ酸が糖が結合してメイラード反応を起こし、メラノイジンが生成されて美味しくなるんです。

和食には自然と旨味とメイラード反応が取り入れられているんですね。

ちなみに、醤油と味噌に含まれるアミノ酸はグルタミン酸です。

あと、一応載せておきますが、、

高校の生物で習って以来今日まで、アミノ酸に色々な種類があることを覚えていた人が居たらどうぞ。
アミノ酸の種類によっても風味は変わるみたいです。

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メイラード反応が起きる温度

155°Cの攻防
料理をする上でとても重要な役割を担うメイラード反応ですが、常温では起きにくく(反応に長時間を要する)、加熱されることで活発に反応するようになります。そして、短時間で速やかに進行 する温度は155°Cくらいであると言われています。「焼く」ことでこんがりキツネ色になりますが、 水を媒体とした加熱方法である「煮る」、「蒸す」では実現しない理由はこんなところに理由があったのですね。

なんて分かりやすい文章。

常温では起きにくく(反応に長時間を要する)
というのは先程触れた味噌と醤油の事ですね。

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さて、重要なのは加熱温度の方ですね。

メイラード反応は結構複雑な事が起きてるらしく、
まだ詳しく解明されていないようなんですが、
155°cくらいの高温である事が大事みたいです。

後半で地味に触れられていますが

水の沸点は100°cです。
という事は水が液体である内は100°cを超えないので
メイラード反応が起きないのです。

肉を使う煮込み料理では先に焼き目をつけてメイラード反応を起こしてから煮込んだ方が美味しくなる訳ですね。


ついでに触れると
ステーキやローストビーフ、ハンバーグを焼くときに

「先に表面を高温で焼いて、肉汁を中に閉じ込める」

というのは既に違うと証明されているらしいです。
でも、メイラード反応を起こす事で美味しくなります。

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表面だけを高温で焼く理由は、メイラード反応を起こすことですが、高温のまま中まで火を通すと固くなるので、途中から火を弱めたりオーブンに入れてゆっくり火入れするんですね。


また少し脱線します。低温調理器という物も最近よく見ますね。ローストビーフを作る時とかによく使います。

ジップロックに入れた肉を低温のお湯に長時間浸ける事で、火の通りを理想的に仕上げる事ができます。

中心温度が
レアなら54°c
ミディアムなら60°cくらいですね

オーブンに入れる時もこの温度を目指しますが、低温調理器なら温度管理が簡単で、長時間掛けることでムラなく加熱できます。


デメリットは時間がかかることとメイラード反応が起きないこと。

たんぱく質についてはまた今度触れます。


油でコロッケを揚げると美味しそうなキツネ色になるのは、サラダ油は沸点が300°c以上なので、180°cくらいでの加熱ができるからですね。水との違い。

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調理法の違いはメイラード反応を起こすかどうかだけじゃなくて、たんぱく質の変性温度や素材の風味が脂溶性か水溶性かなど色々あって面白いです。また今度話したい。

とりあえず今日覚えて欲しいのは

メイラード反応は155°c付近の高温で起きる
って事です。

メイラード反応以外の褐変

メイラード反応については分かりましたか?

頭がいい人はこんな事思ったかもしれません。

「朝食に食べようとしてトースターに入れたパンが、真っ黒に焦げて、苦くて食べられなかった。」

「プリンに使うカラメルはどうなんだろう。」

「切った林檎を置いておいたら茶色くなった。」

「肉って火通すと色変わるじゃん。」

そう、メイラード反応以外にも色が変わる事があります
一つ一つ解説しますね。

炭化

「真っ黒に焦げる」のは炭化です。炭化とは有機物を酸素の少ない条件下で加熱した場合、熱 分解により揮発性成分が生じて減量して行き、最後に揮発性の低い炭素が「炭(すみ)」として残る 現象のことです。木炭は酸素を遮断して木材を蒸し焼きにして作りますが、これと同じような状況 が、調理の過程で部分的に生じることで食品に真っ黒な焦げが生じます。
炭化は有機物が酸素を遮断された状況で加熱され、熱分解を することで始まります。熱分解が始まる温度は物質によって異なりますが、例えば木材(食べ物で はないですが...)は160~400°Cで熱分解し、300°C前後から急速に組成分解を始めます。 そう、メイラード反応よりも少し高い温度で起こるようです。私たちが料理をする際、火加減や加 熱時間に気を配り、頃合を見計らって食材をひっくり返したりするのは、炭化を防ぎながらメイラ ード反応を進行させる、正に155°Cの攻防をしていたと言うことになります。

はい。そのまんまです。難しいかな。
特に解説できる事が無いくらいしっかりした説明。

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カラメル化

どんな種類の糖でも加熱を続けると熱によって分解されます。この反応が「カラメル化」です。角砂糖(ショ糖)は無味無臭で単一の分子が集まったものですが、熱を加えることで分子構造が壊れて、4000を越える化合物が生成されます。そこに含まれる様々な芳香成分──アルコールやアセトン、アルデヒド(シェリー酒の匂い)酢酸、ジアセチル(バターの香り)、酢酸エチル(果物の香り)、フラン(ナッツの香り)、マルトール(トーストの香り)などが複雑な風味を生み出すのです。

メイラード反応はアミノ酸と糖の反応でしたが

糖単体で熱分解されるのがカラメル化です

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どうしてカラメル化を知ることで、お菓子作りが上達するのでしょうか。例えばクッキーを焼くとして、レシピを検索しますよね。ところが、あるレシピでは190°Cのオーブンで焼け、と書いてあり、また別のレシピでは170°Cのオーブンで焼け、と書いてあります。ここに、どういう違いがあるのでしょう?
オーブンの設定温度はクッキーの仕上がりに関係します。さきほど説明した通り、カラメルは177°C以上で明確に色がつきはじめます。つまり、177℃以上の高温で焼いたクッ キーは香ばしい焼き色がつき、177℃以下の低い温度で焼いたクッキーは軽い焼き上がりになるでしょう。つまりカラメル化の温度がオーブンの設定温度の根拠なんですね。

調理している時、メイラード反応とカラメル化が同時進行している場合も多いらしく、この二つの反応が焼いた時の複雑な香りを生み出してるようです。

酵素反応

りんごを切って放置するとりんごに含まれる酵素によって茶色く褐変します。

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塩水につけると酵素の働きが抑えられて変色を防げます

急にやたら簡単な説明ですね。
この酵素反応、存在だけ知っておけば十分そうです。

というか難しすぎて僕もよく分かりません。


酵素反応でもう一つ知ってもらいたいのがお茶です

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緑茶も烏龍茶も紅茶も同じチャノキだというのは知ってましたか?知らなかった人は覚えて帰ってください。

同じ物なのにどうしてあんなに色も風味も違うのか。

それが発酵、酵素反応です。

ちなみに褐変は
この酵素による「酵素反応」と


メイラード反応とカラメル化の2つをまとめて呼んだ「非酵素反応」の2種類があります。覚えなくていい。

赤い肉に火を通すと色変わる

肉を加熱すると赤色から茶色などの暗褐色に色が変わる現象には、ミオグロビンというタンパク質が関係しています。これは筋細胞に酸素を蓄えておく働きのあるタンパク質で、赤血球に酸素を格納するヘモグロビンに非常に似た性質を持っています。ミオグロビンは、連続して体を動かす際、筋肉にすぐさま酸素を供給してくれる不可欠な物質です。では、生肉を料理して肉が茶色っぽくなる現象に、ミオグロビンはどんな関係があるのでしょうか。肉の色が調理によって変色するのは、ミオグロビンに含まれるの鉄の原子が酸化することによって起こります。肉を調理する前にミオグロビンが酸素にさらされると、鉄の原子の酸化レベルはおよそ+2程度を示します。この時ミオグロビンは酸素分子(O2)と結びつき、明るい赤色になります。牛肉や豚肉の生肉が赤い色をしているのは、動物の血液によるものではなく、タンパク質の酸化によって赤い色になっていたというわけです。肉を調理すると、この鉄の原子は電子を失い、酸化のレベルが+3程度まで上昇して、だんだん肉自体の色が茶色になっていきます。一方、鶏肉などの白っぽい肉はミオグロビンの含有量が牛肉や豚肉に比べてずっと少ないので、赤身の肉のように暗褐色にはなりません。実際、ミオグロビンの値は、白身肉と赤身の肉の違いを判断する主な要因のうちの1つです。ちなみに、赤身の肉が約1週間以上冷蔵庫の中に入れたままにしていて、思い出した時には茶色く変色し始めていたという経験をした人もいるかもしれませんが、これも調理した際と同様にミオグロビンが化学変化した結果です。しかし、変色したから肉が傷んだというわけではないので、まだ食べられるかどうかについてはにおいで判断するのがよいそうです。

うわあー長文。とりあえず肉に火が入った時に色が変わることと、メイラード反応は別物だよってことです。

締め

どうでしたか?初めてメイラード反応について知った人は調理化学に興味持ってもらえたかな。

ただ漠然とレシピだけを見て強火で焼きます、とかよりも、美味しくする為に焼き目を付けて…って料理した方がきっと面白いしやり甲斐あると思います。

他にも色んな楽しい知識があるのでまた書きます。

ここまで頑張って読んでくれた方は
人生得したと思って焼き色つけてくださいね。
ただ、焼きすぎて炭化しないようにだけ気をつけて。

参考にさせて頂いたサイト

樋口直哉さん




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