80. ヘルス・グラフィックマガジン vol.40 食中毒/vol.41 目の不調 【フリーペーパー】
デザイン性が高いことでフリーペーパー界隈で有名な(多分)冊子です。
本当にどのページも完成度が高い。薬局が出しているのでもちろん内容も為になります。
今回は「食中毒」と「目の不調」の号を続けて読んだので、両方ご紹介します。
と言ってもページの写真を撮って掲載するわけにはいかないので、グッときたデザインポイントなどを言葉で解説していきます。想像力を逞しくして臨んでいただければ幸いです。
○食中毒
・表紙
この冊子の表紙は風刺やギャグになっていることが多いです。今回も、口から水を吐く彫像タイプの噴水が用いられていて、食中毒のその後を暗示しています。直接的すぎないから汚くなく、それでいて想像が結びついて笑ってしまうようなチョイスです。
・こだわりのフォント
既成のフォントじゃなくてこのために作ったのかな? と思われる凝ったフォントが幾つか使われています。
「ショクチューデビルのささやきの題字」
ハネやハライの先が悪魔の尻尾をイメージした三角形になっていて、全体にどろっと禍々しい雰囲気を醸し出しています。
「食中毒予防の3原則の潔・熱・冷の文字」
ピカッ、ゴオオ、キン、という擬音がふさわしそうな見た目のフォントが使われています。
潔は黄色でさんずいが輝きを表現。熱は濃いピンクで全体に火炎イメージ。冷は水色で氷っぽく直線的なデザイン。
「ピカピカ2度洗い!」
ぷっくり膨れたような丸文字のフォントは影とハイライトが効いていて立体的。可愛らしく親しみやすい雰囲気を演出しています。
・「怖いくらいに個性派ぞろい 食中毒菌・ドクメン8」
8つの食中毒菌が擬人化されて、乙女ゲームとかアイドル育成系アニメ・ゲームのキャラ紹介の如く紹介されています。
こんながっつりアニメ絵は珍しいかも。
でもページの構成の仕方はこの冊子ではお決まりの、ウケ狙いのページ。
ミステリアス系っぽいカンピロバクターさんとノロウイルスさんが好みだけど、ノロウイルスさんのセリフがひどい。「トイレ行ったら手を洗えよな」
・「ワイルダー一味の危ないバーベキュー」
やってはいけないバーベキューの仕方が漫画調で誇張気味に描かれています。
ぶっ飛んだ性格ながら妙にリアルな顔や、トーンを使わず線を描き込む感じがガロ系漫画の系譜っぽい。作画が誰かは載っていませんでした。
・裏表紙
困り顔の生き物たちが詰まったデコ弁の写真。
なぜ困り顔なのかに思いを馳せると微妙な気持ちになりますが、見た目は可愛いです。
一番目立つくまさんおにぎりはもちろんのこと、ガチャ目のタコさんウインナーとかミートボールの謎生物とか名脇役が揃っています。
今号は言わずもがな食中毒をテーマにしており、その原因と対策、なってしまった時の対処法が書かれています。
“食あたりも軽度の食中毒”というのにはドキッとしました。普段ちょっとくらいお腹が痛くなっても気にしていませんでしたが、「食中毒」と言われるとマズい気持ちになりますね。
また、下痢や嘔吐などの症状がある時は無理に食べると症状が長引いてしまって逆効果なのだそうです。水分摂取のみしてOKで基本は絶食。食欲が回復したら食べるのが良いのだとか。
多少無理してもお腹にものを入れておいた方が良いと思っていたので、これには驚きました。食中毒になんてならないに越したことはありませんが、なってしまった時は気をつけようと思います。
○目の不調
・表紙
色鮮やかなカメレオンが使われています。意図は不明ですが目を引きます。あとカメレオンの目の構造が謎。
小学生の頃にカメレオンが流行っていたような気がしますが、まじまじと写真を見るのは初めてかもしれない。
で、多分表紙に使われている写真はフリー画像を引っ張ってきたものらしく、「カメレオン」で検索したら同じシリーズの写真がヒットしてちょっと笑いました。
・「スマホ老眼ってマジ!?」
懐かしいスタイルのギャルモデルがページを飾っています。
長めの付け爪、ストーンでデコったスマホ、つけまつげ+囲み目のメイク……平成初期くらいですかね。
これが食中毒号における「食中毒菌・ドクメン8」と同じ、ウケ狙いページかなと思います。
・「目っちゃ鮮やか! いろどり満点レシピ」
赤色の地を三箇所、瞳の形に切り取って別の色を入れ、そこに白いお皿を白目に、料理を黒目に見立てて配置しているのが、さりげない意匠で良いです。
“いろどり満点”にふさわしく見開きページの中で何色も使っているのですが、トーンが統一されているのでバラついて見えません。
・「FUTURE EYE TOURS」
新技術による目の治療が紹介されているページなのですが、題字はST○R WARS風でレトロチック。
背景も眼鏡型の宇宙船で宇宙に飛び出していく柄で、時代がごっちゃなSF感が面白いです。
今号では目の様々な病気や老化が取り上げられています。
特に勉強になったのはピントを調節する筋肉、毛様体筋のこと。
この筋肉は衰えてきても鍛えることができないのだとか。というよりも、毛様体筋が頑張っても水晶体の弾力がなくなってしまうとピントが合いづらくなるのだそうです。
これは即ち老眼を意味し、見えにくくなってきたらピント調節をサポートしてくれる老眼眼鏡を使用するのが良いとのこと。
いずれはわたしも眼鏡生活を送ることになるんだろうなあ。
目は死ぬまで大事にしていきたい器官なので、もう少し目に配慮しようという気持ちになりました。
とまあこんな感じで。
どの号も各ページの統一感は全然ないのですが、テーマが一つなので自然とまとまりが生まれています。
正方形のような形もあまり見掛けないサイズなので印象的。
さくっと読めるけれど有益な情報を得られて、しかも目にも楽しい素敵なフリーペーパーです。
お見かけの際はぜひ!
ではまた。
最後まで読んで頂きありがとうございます。サポートは本代や映画代の足しにさせて頂きます。気に入って頂けましたらよろしくお願いします◎