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186. 暇 2022年8月創刊準備号 【フリーペーパー】

”すべての暇人のための暇理論紙”と銘打たれたフリーペーパー。PDF出版レーベル「TRASHBOOKS」というところの隔月マガジンらしいです。
現状やること山積みで全然暇じゃないのですが、読んだ時は暇だったのかもしれない……?

創刊準備号だというこの号の内容は「にぼしいわし・いわし自作を語る『そのうち孵化するって』東京・ネオ書房刊行記念イベント全記録1」。
お笑い芸人のいわしさんが同じく芸人のマザー・テラサワさん相手に本やその周辺のことについて語っています。
お笑いは全く観ないのでお二人とも存じ上げなかったのですが、へえ、と思ったところがありまして。

ここで語られている本というのが、いわしさんのエッセイがnoteの#また乾杯しようタグで賞を取ったことをきっかけに、依頼があってTRASHBOOKSで書いた本なのだそうです。
あんまり紙媒体で「noteをやってます」と言っている人を見たことがなかったので(そもそもnote経由で知った書籍などは除いて、たまたま出会ったものに限った話)、noteというプラットフォームが自分の中で妙な現実感を持ったのですよね。

noteには素敵な記事が溢れているけれど、それらの全てに目を通すことは不可能だし、どうしてもその記事を読むかどうかはヘッダー画像とかスキの数とかから判断することになります。
でもスキが全くついていない数年前の記事でも面白いものがあることをわたしは知っているし、沢山の人が良いと言っているからといってわたしの好みと合うとは限らない。

もちろんそれはnoteの世界に限らず、インターネット全体でも、現実世界でも、自分が好きになれるはずのものやもっと大勢の人に評価されてしかるべきものはどんどん取り零されていく。大半のものを知ることのないまま生涯を終えることになります。
そんな中で、急にこうやって出会うこともあるんだなあと嬉しい気持ちになりました。作ったもの・書いたもの・言ったこと、全部消えるわけじゃないんだって、自分の活動に思いを馳せたり。
特にフリーペーパーの内容には関係ないのですが、しんみりしました。

ちなみに『そのうち孵化するって』はこのように紹介されていて、何だか気になります。

文体がしっかりしていて、そもそも文章がきれいだし、それでいて内容は「意味の手前」ですから。幻想のエッセイ。
たしかに幻想ではあるんですけど、浮世離れして煙に巻くような幻想かって言われるとそうでもなかったりとか思うところがあって。ここ来る前にいわしさんのエッセイを読み直していて、暗喩の魔術師のような。

まずはnoteを読んでその幻想のエッセイの片鱗を味わってみたいなと思っているところです。

にぼしいわし・いわしさん


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