見出し画像

文学フリマ福岡に行ってきた

 この間、文学フリマ福岡10に行ってきた。文学フリマとは、文学なら何でも持っていって大丈夫な一次創作のためのフリマだ。文章の同人誌即売会として知られていることが多いと思う。今回は、一般参加者ではなく出店者として参加した。本をたくさん持っていき、楽しく過ごした。

 本は五年前の半分も頒布できなかったし、金額も三分の二というところだ。あまりパッとしない結果だが、以前はXのフォロワーがたくさん来てくれたというのもあるからそのせいかもしれない。フォロワー頼りにはできない今回は、それ以外の人との交流がとても楽しかった。

 Xで言及してくれた人が来てくれたり、母校の大学文芸部の学生が買ってくれたりした。サインを求められ、慌てた場面もあった。何度も買おうかどうか迷ってくれた人もいた。会話も楽しく、隣のサークルの方とやりとりしたり、YA作品の私が描いた表紙を「かわいい」と褒めてくれて嬉しかったりした。

 ただ問題点もあり、私が人見知りすぎてセールストークを全くできなかったことが残念だ。お隣は上手にやっているのに、本を見ている人にうまく声をかけることができない。あともう一押しで買ってくれたかなという人も何人かいた。そういう人にセールストークできたらよかったのに。私は自分が書いた作品の説明も上手にできないのか。そんな風に悔やんだりした。

 以前の一人参加のときと比べてよかったのは、程よく食事休憩を挟めたこと、お手洗いを我慢しなかったこと、短時間ではあるが他のサークルを回れたことだろうか。私は一人だと席を外す時間がもったいなくて、何もかも我慢して終わるころにはヘロヘロということがあるので、今回はどんどん人が来なかったのもあってゆっくり食事したり、お手洗いにも行けたし、行きたかったサークルも軽くだが見ることができた。

 買った本は四冊だけだ。文学フリマ界隈で有名な豆塚エリさんの歌集三冊と、お隣のサークルKaguya  Booksのムック本。予算はまだあったのだが、本当に自分のブースが気になって仕方なくて、すぐに戻ってしまった。

 帰る準備の時間に、お隣のサークルの方が一冊ほしいと言ってくださった。とても嬉しかった。その日その本は今一つの売り上げだったので、余計だ。実は私もお隣さんの本は気になっていて、機を見てはチラチラ見ていたのだが、私が買うと言ったらお互いに買わなければならない雰囲気になって不健康かなと思って買えなかった。それが向こうのほうから買ってくれるのだ。この機会に買おうかな。買うまいかな。……そう思ったが買わなかった。とっさの判断だ。今となっては後悔している。

 というわけで、楽しい時間となった文学フリマ福岡だが、来年はもっと頒布できたらなあという気分だ。出展者が増え、会場が広くなり、出展者含む参加者の人数が過去最高だったそうだが、その分一般参加者の数が薄まっているような気がした。以前と比べて閑散としていたのだ。まあ、前に参加したのが新型コロナ流行前の五年前なので、違うこともたくさんあるだろうが……。

 来年は新刊を用意できたらいいと思う。それなら今回のように、楽しかったけれどたくさん持ってくる必要はなかったという気持ちにはならなくていいかもしれない。来年はYA作品の改訂版と、本当の新刊を持っていこうという気分だ。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集