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記憶の片隅

人間の脳はほとんど解明できていない

記憶や思考・感情など様々な要素を掌る脳

その中で「記憶」について・・

私自身数十年生きてきて記憶のことなどあまり考えたことはないが、時々フラッシュバックのように記憶が呼び戻される時がある

それは視覚と臭覚

視覚は風景や映像

臭覚は匂い

地元の道を歩いてた時にその現象が・・

中学生の時から歩いていなかったあぜ道を歩いた時に急に記憶が脳に飛び込んできた

狭いあぜ道で草に囲まれた暗い道

温泉の硫黄と草の匂い

それはイジメを受けてた友達を家まで送ってた時の記憶

中学生の時クラスは違ってたけど家が近く幼稚園の時から遊んでた子がいじめで登校拒否になったと聞き登下校を一諸にしてた記憶

別に美談でもなく普通に友達と一諸に学校に行ってただけ

でもその登下校での会話はあまりいい話ではなかった

親の不仲・持病など色々と話してくれたが正直中学生の自分では何もできなかった

屈折した性格がどんどん酷くなり次第に一諸に行く登下校が苦痛に

それでも何とか卒業まで一諸に登下校をしたがお互い違う高校に進学したため自動的に一諸の登下校は終焉

そして関係の疎遠となった高校1年の夏

彼から連絡が

内容は「おまえ・・俺の悪口をみんなに言ってるだろう」・・と

久し振りの連絡にビックリの上、そんな内容で二重でビックリ

「そんなこと言う訳ないし・・何で」と言うと

「親の不仲の事や持病のことをみんなに話しているはずや」

誰が言ってたか聞くと誰も言っていないが言ってるはずや・・と

この内容に少し恐怖を感じ「言ってないか勘弁して」と言い電話を切った

すると毎日実家の前をウロウロしているその友人の姿を母親や妹が見かけるようになった

さすがにヤバイと思いその友人宅に行きその友人と母親に会い話し合いを持った

悪口など言ってないことをキチンと説明

するとその友人は高校に行っておらず不登校

引きこもりとなっている

話す内容は自分と登下校で話したことや思い出だけであること

そして、自分から連絡がないことを嘆いていたこと

楽しいそうに同級生と話している自分を見てイライラしていたこと

全部友人のお母さんが話してくれた

なかなか高校が違い部活もある自分は、時間はないけど時々なら遊べるから連絡してということと、家の前をウロウロされることは正直辞めてほしいことを伝え帰宅した

それからその友人から連絡はない

その友人の家を取り壊され駐車場になっていた

何をしているかも地元の友達に聞いても誰も知らない

ただ、自分でも忘れていた記憶

忘れたかったが正しい記憶が、あのあぜ道を通って蘇った

視覚と臭覚が呼び戻した記憶





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