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DAZNを超えて行け!!!シーズン移行の議論もいいけどJ3放映権はどうなってるの?について



2024年のJ3放映権の行方

Jリーグのシーズン移行については、秋春制が既定路線で今後も議論を続けていくようだ。
個人的には秋春制への移行には反対の立場だが、移行するのであれば求心力と推進力を持ってリーグ主導で強力に進めていくべきだと思う。

で、シーズン移行についての議論は様々なメディアでも取り上げられているが、2024年シーズンからのJ3放映権については全く情報が出てこない。

野々村チェアマンが「全試合を見られる環境を整えることは、これはもう100%保証します」と明言しているので、どうしたって視聴環境は確保されるのでしょう。

まだJ3がシーズン中なので終了すれば何らかのニュースリリースがあるのかもしれないが……


放映権ではない本当の問題点

でも、DAZNとの契約が無くなることの最大の問題は、J3の試合が視聴できるのか?ではなくて、J3クラブの均等配分金が1000万円減額されることだと思う。これはクラブ経営に大きな影響を与えることだろう。

最近ではJ3選手の待遇について話題になることもあり、J3クラブにとって1000万円の減額はクラブやリーグの存続問題にもなりかねない状況だと思う。


J3においては、放映権料<スポンサー収入

個人的な意見としては、そもそもJ3が全国どこでも観られる視聴環境を整えることが必要なのか?という疑問もある。
世界的にみても3部リーグが国内のどこでも視聴可能という国はほとんどないと思う。

野々村チェアマンは放映権を地域に戻すと言っているが、地方のテレビ局にとってJ3の試合が有益なコンテンツと認識しているのかは微妙だと思う。
地方局で放送する場合、放送準備はもちろん、スポンサーを集める必要もあるし、さらにキー局の番組を放送せずにJ3の試合を編成するのはそれなりのリスクを伴う。

これまでのようにDAZN一括販売でなければ、放映権の販売益をクラブ収入として予測計上することは難しいと思う。1000万円の放映権料が配分されていたこれまでの状態がイレギュラーだったのだ。

つまり、ITの発展でネット視聴環境が整っていようが、3部リーグのクラブ経営にとってより重要なのは、放映権料よりもスポンサー収入ということだ。


J3の差別化

2024年以降のJ3放映権を考える時に意識すべきことはJ3の立ち位置だと思う。
J3はJリーグにおける単なる3部リーグなのか?
それともJ1、J2とは違うベクトルを持ったオリジナリティのあるリーグとするのか?

もちろん昇降格制度がある以上、上昇志向に基づいたクラブ運営が行われるべきだが、先述したようにJ3の選手の待遇がプロとは呼べない状態であることに対する解決も行わなければならないと思う。

しかし単なる3部リーグである以上、全体予算は小さくなっていかざるを得ない。そこから脱却したいのであれば、何らかの差別化を図るためのアイデアが必要だと思う。


アジアサッカー成長パートナー制度

ここから先は暴論だと感じる人もいるかもしれないが、個人的なアイデアを述べたい。

Jリーグでは外国人枠とは別にJリーグ提携国枠がある。
Jリーグがアジアサッカー発展のためにパートナーシップを結んだ8か国(タイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、マレーシア、カタール)を対象とした選手で、積極的な連携を図ることを目的としているが、現状のJリーグではそれほど有効利用されているように感じない。

そこで、このJリーグ提携国枠を更に拡大する方法で、J3はアジア各国からの選手を積極的に活用するべきだと思う。

そこで考えたのが、アジアサッカー成長パートナー制度(Asia Football Growth Partnership)の導入だ。

アジアサッカー成長パートナー制度(以下、AFGP)というのは、ざっくり言うとアジア各国に対してJ3を活用して代表チームの強化をしませんか?という提案。
国内での強化に限界があるのであれば、3部リーグとはいえ競技レベル・競技環境が整った日本に選手を派遣することで代表選手の強化を図る方法を提案する。

まずJFAと連携してアジア各国にAFGPへの参加を諮る。
そして、J3クラブ・AFGP参加国・AFGP協賛企業・配信メディアの4者をステークホルダーとして、4者すべてが何らかのメリットを感じられる関係性を構築する。

J3クラブは、
 協賛金1億円と引き換えに最大8人の選手を受け入れる。

AFGP参加国は、
 国内の有力選手流出と引き換えにJ3で代表選手の強化を図る。
 (一定の出場時間の確保をルール化する)

AFGP協賛企業は、
 協賛金1億円と引き換えに国内・日本での広告宣伝による企業価値の向上を図る。

配信メディアは、
 収益の一部を還元することと引き換えにJ3放映権獲得による事業拡大を図る。


詳細を書き始めるとキリがないので、概要だけになるが
AFGPとは、
代表チームの強化を目指すアジアサッカーが、J3という舞台をHubリーグとして活用するオリジナリティのあるリーグとしてJ1・J2との差別化を図り、それによりJ3クラブの収益性を向上させることを目的としたアイデアだ。


J3の継続的な運営のために

もちろんJ2昇格を目標として運営していくクラブがあっても良い。
競争力と収益性のどちらを選択するかはクラブが決めることだ。
しかし、J2とJFLの間に挟まれた単なる3部リーグとしてだけでは、特にスポンサー確保が難しい地方のクラブは将来的に存続の危機に立たされると思う。

現代サッカーにおいて放映権収入はクラブにとって重要な収入源だ。
しかし3部リーグの放映権が高値で販売できるとは思えない。

放映権そのもので収益を上げるのではなく、放映権をスポンサー収入に転換する仕掛けを構築する方法こそがクラブ収益に繋がるし、結果的にJ3の継続的な運営のための生命線になると思うのだが……


どちらにしろDAZNと年間契約しているJ3サポーターも当然いるのだから、2024シーズンのJ3の試合放映についてJリーグは早急に何らかの発表をすべきだと思う。



(文中敬称略)


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