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sakanoue塾開校の背景(その2:なぜ学習塾なのか)


「基礎学力」、「一定の学歴」がより多くの挑戦権(機会)を得るためのカギ

こんにちは。東京都を中心に、勉強に伸び悩みを感じている小中学生を対象にした個別指導塾sakanoueを運営している西川です。

前回の記事では、私たちsakanoueが
「社会において不公正な部分を少しずつ改善し、誰もが新しいことにチャレンジできるように作り変えていく」
ことに取り組んでいることをご紹介させていただきました。

今回は、なぜその中で学習塾なのか?ということについて書いていきたいと思います。

それは
「教育が、より多くの挑戦権(機会)を得るためのカギだと考えるから」と考えるからです。

何をいまさら、ということだと思いますが、ここで言う「教育」というのは厳密に言えば
「基礎学力を保有していること」や
「一定の学歴を持っていること」
を指しています。また、「学歴」については、有名大学卒ということではなく、中卒、高卒、大卒、という本来の意味での学歴ということを意味しています。

学歴が上がれば所得も上がる。所得は、様々な機会を享受してきた事実の結果

以下の図は、最終学歴と賃金の関係を示したものです。学歴が高いと、所得が上がることが分かります。

「厚生労働省 令和2年賃金構造基本統計調査」よりsakanoue作成
「厚生労働省 令和2年賃金構造基本統計調査」よりsakanoue作成

所得は、様々な機会を享受できた結果としての指標であると言えるので、「教育が、より多くの挑戦権(機会)を得るためのカギである」ということが分かります。

学歴によって所得が規定されるということは、学歴が就労形態(正規雇用/非正規雇用)を大きく規定するという事実にも関係していると言えそうです。

「厚生労働省 平成30年若年者雇用実態調査」よりsakanoue作成

以上から、学歴を上げることが、より多くの挑戦権(機会)を得るために重要であると言えると思います。

ただ、問題なのは学歴は、生まれた時の条件で大きく制約を受けるというということです。

つまり、
①そもそも学歴は親の所得に大きな影響を受ける、ということと
②学歴は、親の学歴にも大きな影響を受ける、ということです。

親の所得が子どもの学歴を規定?

こちらのグラフは、親の所得と子どもの学力は比例関係にあることを示しています。

耳塚寛明「お茶の水女子大学委託研究・補完調査について」よりsakanoue作成

また、こちらは親の所得と子どもの高校卒業後の進路を示したものです。親の所得が子どもの学歴に大きく影響を与えていることが明らかです。

東京大学大学院教育学研究科 大学経営・政策研究センター
『高校生の進路と親の年収の関連について』
よりsakanoue作成

親の低い所得が子どもの低学力、低学歴の二つに影響を与えていると言えます。

親の学歴が子どもの学歴を規定?

続いて、親の学歴と子どもの学歴の関係についてです。

こちらのグラフによれば、
父親が大卒である場合、本人が大卒になる割合は66%ですが、
父親が中卒である場合、本人が大卒になる割合は14%に過ぎません。
このことから、明らかに、親が高学歴である場合は子どもも高学歴になる可能性が高まるということが言えます。

吉川徹『学歴と格差・不平等-成熟する日本型学歴社会』東京大学出版会, 2006

「機会の不平等」は連鎖する

これらのことから、より多くの挑戦権(機会)を得るために重要な要素となる学歴は、生まれた時の条件で大きく制約を受けるということが確認できます。

そして、それだけではなく、十分な機会を得られない状態=機会の不平等は、何世代にもわたって連鎖する可能性が高い、ということも推論されます(下図)。

現状

「子どもの学力向上を向上させる」ことはチャレンジングであるものの十分に実現可能性がある

親世代の学歴を変えることはできませんし、所得を向上させることは可能であるものの、相当の時間を要します。

これに対し、子どもの学力を向上させることは、チャレンジングではあるものの、上述の二点に比べると、より実現可能性が高いと考えています。
これは、子どもの吸収力・成長力と、大人の吸収力・成長の伸びしろを比較していただくと理解していただけると思います。

このようなことから私たちsakanoueは、子どもの「学力」に楔を打ち込む、すなわち「基礎学力をつけること」、そして「一定の学歴を獲得してもらうこと」がより多くの挑戦権(機会)を獲得するためのカギだと考え、学習塾という事業にたどりつきました。

sakanoueのアプローチ

このような目的で開校した塾ですので、

①学校の勉強に躓いている「伸び悩み層」に特化すること、そして

②経済的な理由によって学ぶ機会が規定されないようにするため、家計にやさしい料金設定とすること

の2つを原則としています。

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