専門学校入学
前の続きです。
高校生でライブハウスという場所を知って、好きなバンドができたその後。
高校3年生の私は推薦で音響専門学校に行きました。
音響といってもいくつかコースがあって、私が進んだのは「イベント制作、マネージャーコース」みたいなところ。
授業内容は、グループを組んでライブハウスでイベントを開催する。音楽の歴史を聞く。そんな授業ばかりでした。
今となっては、音楽の歴史の授業はもっと聞いておけばよかったと思うし、今だったらもっと楽しい気持ちで授業受けられたなって思う。
イベントを作る授業に関しては、前期後期で別れていて、私は後期だったので待ちきれずに、専門1年の4月に1人でライブハウスに問い合わせて会場をレンタルして、アーティストをブッキングしてイベントの開催をした。
「イベント組むの、授業でやらなくてもできるじゃん。むしろ、1人でやったからイベントの作り方全部1人でできて勉強になっちゃった!」って思いました。
授業でやると、10人くらいのグループでやる分
イベント内容考える人、SNS作る人、タイムテーブル作る人、イベントのチラシ作る人、みたいな感じで別れないといけないから全部はできないし。
私は専門学生2年間で個人でイベントを3か月に1回のペースで開催をした。
好きなバンドがいたから、いいと思うバンドがいたから、もっとこの人たちの音楽が広まってほしいと思ったから、好奇心もあってたくさんイベントを企画しました。
ずっとお客さんの気持ちでイベントを組んでいたそんな時、ふとお客さんがムズムズしていることに気が付いた。
開催したライブに来てくれていたお客さんの中に、出演していたバンドのグッズを買いたそうな人がいた。
でも、バンドの物販に人がいなくて、そのお客さんはケツがあったのか結局物販を買えずに悲しそうな顔をして名残惜しそうに帰って行った。
お客さんが欲しかったものを買えずに今日を終えてしまったこと、バンドの曲が広まる音源がお客さん1人の手に渡らなかったこと、こんなにもやるせない想いになるのかと思った。
確か、ライブに出演してくれたバンドに初めてアドバイス(?)「こうしたらよかったのに」ということを伝えた日だった。
その後、そのバンドには何度もイベントに出演してもらっていた。私もそのバンドの曲が好きだったから呼ばせてもらっていたっていうだけなんだけど。
ある日、そのバンドのメンバー1人から「ライブ写真と動画を少し撮って欲しい!」と言われた。
「あ、はい、全然いいですよ!」と私は引き受けた。
ライブ後、「写真どうしたらいいですか?」と頼んできたメンバーに聞くと「サカちゃん、うちのバンドのスタッフやってよ!」と言われた。
人生で初めて「バンドのスタッフ」としてバンドと関わって「裏方」という仕事をバンドのチームの一員として経験することになる。
その後、そのバンドのライブのたびに
メンバーがいない時間はバンドの物販当番をしたり、グッズリストを作ったり、ライブ写真を撮ったりして、バンドのスタッフとして動きながら学校に通う日々が始まる。
ライブハウスに出入りして、バンドのリハーサルから終わりまでを経験して、バンドのレコーディングにもついて行って、明らかに専門学校で習うよりも現場のことをたくさん学べた。
次はバンドのスタッフを始めてからの苦労を書くと思います。
音楽業界で、好きなことしたいという人は「こんなこともあるのか」と読んでもらえたら、私と同じ道は選ばないと思う。