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星の花

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星の花って知ってるかい?

それはね、見える人にしか見えない花で、本当は誰しもに平等に咲いている花なんだよ。

なんで見えない人がいるか知っているかい?

見ようとしていないんだ。

僕らって見えてるものに蓋をすることが出来るからね。




「それはきっと綺麗だろぅなぁ。。」


ベッドの上に横たわる君はようやくポツリ呟いた。

きっとそんなことわかってるってわかってるんだけど、僕の話せるのはこのくらいで、君のがよっぽどのこと知ってるって伝わるよ。

僕は次の言葉を紡ごうにも出なくって、ただ涙がポツリと頬をなぞった。

星の花びらが一枚月夜に舞い降りて、
病室の真っ白いカーテンの間からひらり君の胸元にそっと舞い落ちた気がした。


気づくともう夜は明けていて、そこにはもう君の姿は見当たらなかった。

僕はいつからここにいて、今がいったいいつなのか。

そんなことはまったく関係ないことのように街の雑踏から聴こえる笑い声に少し、寂しい心持ちがした。

蒸すように暑い。汗が滲んでいる。
夏がもう、近い頃かな。




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