魚民図鑑02サムネ_アートボード_1

『魚民図鑑』 Uotami File #02 Itsuki (24)


『魚民図鑑』
それは、サカナクションのファン“魚民”の正体を探るべくして誕生した、新しい図鑑。

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今宵は、どんな魚民さんに出会えるのでしょうか。。。

Uotami File # 02:Itsuki

魚民図鑑02サムネ_アートボード 1

Detail
魚民名:Itsuki (*24歳)
生息地:東京都豊島区池袋
魚民歴:2011年〜
特性:服と本と甘いものが大好き

(*2019年12月取材当時)


Yahoo知恵袋のベストアンサーは「ネイティブダンサー」だった

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ーー Itsukiくん。今日はどうぞよろしくお願いします!Itsukiくんと僕は同い年ということで、ざっくばらんにお話できればなあと思います。

Itsuki:よろしくお願いします〜!


ーー では、早速ですがItsukiくんの魚民としての正体を明かしていきたいと思います!まずは、サカナクションとの出会いですね。Itsukiくんがはじめてサカナクションと出会ったときのことについて教えてください。

Itsuki:まず、中学生時代に遡るんですけど、その頃、音楽聴くのが好きだったんですよ。

なかでも邦ロックを聴き漁ってて

それこそONE OK ROCKみたいなエモいロックとか、相対性理論みたいなポップでオルタナティブな感じのとか、ほかにも結構雑多に聴いてましたね。

で、当時、中学生ながらにネットを使ってたんですけど、ある日ググったんですよ。

そういう音楽を聴いてる人におすすめのバンドはないのか、と。


そしたら、Yahoo知恵袋にサカナクションのネイティブダンサーがおすすめですよって書いてあって…笑

そこのページに、YoutubeのネイティブダンサーMVにリンクするURLも貼ってあったから、じゃあ聴いてみるか、となった。

で、めっちゃ気に入って、近所のレンタルCD屋さんに「シンシロ」を借りにいったと。

これがサカナクションへのファーストコンタクト


ーーまさかのYahoo知恵袋!けど、そこでしっかりItsukiくんの心を掴んだから、これは正真正銘のベストアンサーだね(笑) ところで、ファーストコンタクトとは?

Itsuki:他の曲はあんましハマんなかったんですよ(笑)

それで、こんなもんかぁってなって、サカナクションから一回離れるんですよ。

あ、でも「ライトダンス」だけめっちゃハマったなあ。

「ライトダンス」はすっごく気に入って、友達とカラオケ行った時にも歌ってたんだけど、周りのみんながポカーンとしてたのをすごく覚えてますね・・・


Mステ「バッハの旋律を夜に聴いたせいです」を観て再会

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ーーなるほど、サカナクションから一回離れるんですね。すると、気になるセカンドコンタクトはいつなんでしょうか?

Itsuki:そのあと、ミュージックステーションで「バッハの旋律を夜に聴いたせいです」のパフォーマンスを観てバチーンと衝撃を受けたのがセカンドコンタクトですね。

・・・パフォーマンスが「変」だったんですよね。

なんか、一回サカナクションから離れて以来、ちょっと斜に構えてて

「サカナクション、なんか有名なってるみたいだね、へえ〜」

みたいな感じだったんです。

高校生って、そういう時期じゃないですか。
あと、僕サブカル好きなんで、有名じゃないものが優れてるみたいな考えもあって。

だから、Mステでテレビに映った瞬間にびっくりして。

あのラップトップ並べて立ってる演出と、
いままで聞いたことのないような長い曲名と、
それからメロディーもすごい耳に残るし。

それで「何これ、カッコいい!」ってなっちゃった(笑)


ーーわあ、翻したね!笑 たしかにあのパフォーマンスには度肝を抜かれましたね。Itsukiくんはどういう部分にかっこよさを感じたんだろう。

Itsuki:やっぱり、バンドといえばギター構えてじゃんじゃかやります、ってのが演出として確立されてて、

それこそMステみたいな日本のポップシーンを牽引するミュージシャンが出る番組では、いかに大衆に広く訴えかけるかっていうことに重きが置かれてると思うから、「バッハ」みたいなちょっと変わった演出をする人ってあまりいないと思うんですよ。

人と違うことをするってところにかっこよさを感じて、ここからだね、魚民として覚醒しました。


東京に憧れる受験生、帰り道に聴いていたサカナクション

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ーーブランクを経たのち、魚民として覚醒したItsukiくん。サカナクションにハマってからは、いつ・どんなときにサカナクションを聴いてましたか?

Itsuki:んー。通学の帰り道とかかなぁ。となるとだなぁ。

僕は特に、いつどんなときってのが限定的な、高尚な音楽の聴き方はしてなくて。

帰り道で、とにかくテンション上げる!って目的でサカナクションを聴いてましたね。

ちなみに、当時は洋楽も好きで、たとえば Friendly Fires - “Skelton Boy”とか聴いてました。


ーー学校の帰り道…どんなことを想ってサカナクションを聴いていたんでしょう?

Itsuki:高校3年生の頃が一番思い出深いですね。

栃木県の宇都宮が実家なんですけど、かなり田舎で、通学も自転車で40分かかるようなところに住んでたんですよ。
そんな宇都宮に住んでいた僕も高校3年になって、大学受験を控えて進路を決めるタイミングになったわけですけど、


そのときの僕は「絶対東京に行く!」っていう強い気持ちがあったんですよ。


というのも、その頃の僕は雑誌を読むのが好きだったんですよね。
メンズノンノとか、POPEYEとかそういう雑誌って、作ってる会社も中に出てくる人も場所もぜんぶ東京じゃないですか

それに影響を受けまくって、東京に異常なくらい憧れたんですよ。

だから、「東京の大学に進学して、東京で文化的な生活を送る。」
これを実現させることが受験勉強の最大のモチベーションだったんですよね。

そのなかで、たまたま通学中に「モノクロトウキョー」に出会いました。
この曲が、僕の受験生生活の大きな支えになります。

そして、受験勉強のモチベーションを保ってくれた音楽という意味では、僕の人生にとって、とても大切な曲ですね。

「モノクロトウキョー」...東京生活の想像を掻き立ててくれる

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ーーなるほど、受験勉強のモチベーションが「東京」だったと。そんななか出会った“モノクロトウキョー”!。この曲が、Itsukiくんの受験生生活をどんなふうに支えてくれたんでしょうか?

Itsuki:「モノクロトウキョー」で描かれる東京の世界を想像するのが楽しくて、それから自分が東京で生活するイメージを膨らませて、「よし、勉強頑張ろう」ってなったところがよかったですね。

もともと曲名に「東京」が入ってるって理由で「モノクロトウキョー」をプレイリストに入れて聴き始めたんですよ。

それから何度も聴いてるうちに、歌詞が頭に入ってくるようになって

僕はそれまで1回しか東京に行ったことがなかったんで、自分の体験として東京のイメージは浮かばないんだけど、 “フルカラー” の “憧れ” だけはあって。

"東京 モノトーン 憧れ フルカラー"

(サカナクション - モノクロトウキョー)

この歌詞を聴いて、もしかすると一郎さんも自分と同じようなこと思ってたのかなって思いましたね。


「モノトーン」な想像の世界と、「フルカラー」な憧れの世界。

この対比には、すごく共感します。

「押し付けがましくない東京観」

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ーーたしかに、モノトーンな東京の景色とフルカラーな憧れの対比から、一郎さんも同じような境遇に居合わせたことがあるのかもしれないと想像できますね。
ところで「モノクロトウキョー」という曲は、東京に対してネガティブと取れるような描写もあるけれど、このあたりをItsukiくんはどのように聴いていましたか?

Itsuki:むしろ、こういう不穏な感じの歌詞があるから心地良かったですね。

当時受験生として、やっぱり未来への不安は多少なりとも感じたわけですよ。


受験失敗したらどうしよう、
東京に行けなかったらどうしよう、
とか。


だから、すげえポジティブな歌とかだと、むしろ聴きたくないというか、

「そんなのわかんないじゃん!」って思っちゃう

不確実性が大きい状況で、絶対に大丈夫!みたいな明る過ぎる曲には共感できなかったんですよね。

だから、「モノクロトウキョー」の歌詞、

「午前5時の都会は妙にゴミ臭い」
「空が...曇り始めました」
とか...


押し付けがましくない東京観が心地よかったなと思いますね。


不安を掬ってくれるのと同時に、憧れの東京生活への想像を掻き立ててくれる。

それが「モノクロトウキョー」でしたね。


東京生活6年目、いま聴きたいサカナクション

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ーー大学受験を無事終え、晴れて東京で生活を送る夢を叶えたItsukiくん。もう6年もの間を東京の地で過ごしているとのことですが、どうでしょう。サカナクションの聴き方に変化はありますか?

Itsuki:どうだろう。

今も受験生時代も、自分を奮い立たせるためにサカナクションを聴くって意味では変わってないかもしれないですね。

最近、「Aoi」をよく聴くんですけど、
多分いま僕は歌詞の中でいう「絶好の世代」を生きてると思うんですよ。

「Aoi」の歌詞はただただ「絶好の世代」を謳歌しようぜ!みたいな明るさだけではなくて、その「絶好」の中にある「痛さ」や「劣等感」、葛藤みたいな裏側にあるものをしっかりと捉えてるなと思うんですよ。

だから、「Aoi」は僕の中では応援歌で、でも無理なく頑張ろうって思える心地よさがあるなあと。

そういう意味では、「モノクロトウキョー」もそうだけど、歌詞にある陰と陽の両面性みたいなものがサカナクションの良さかなと思いますね。

僕、基本的にメロディーから入るんですけど、サカナクションの良さってそういうところですよね。

「サカナクションは2度美味しい」みたいな(笑)

まずメロディーで惹かれて、そっから歌詞もじっくり読み込んでいける。
歌詞何言ってるかわかんないことも多いですけど(笑)


東京へ連れてきてくれたサカナクションへの感謝

ーーさて、インタビューも終盤に差し掛かりました。いま東京に居るのはサカナクションのおかげと言っても過言ではないというItsukiくん。そんなサカナクションにメッセージをお願いします!

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Itsuki:僕、めちゃめちゃ字が下手なんですけど、許してください...(笑)

ーー「泣かせてくれてありがとう」ですか。これには一体どういう想いが?

Itsuki:今の自分があるのは当時の自分の支えになってくれた音楽があるからで…

いまそれを振り返ってみるとと、当時の辛さとか、何を考えてたかとか、そういうことが思い出されるんですよ。

サカナクションの音楽は、そんな過去の記憶を呼び起こしてくれる一つのきっかけなんですよ。

朝5時くらいにバイト先まで行く電車の中で、「いろんなことを経てきて、今の自分がいるんだなあ」ってことを思うと、泣けてくるんですよね。

そうやって過去を反芻する時間って大事だなって思うし、それによって感情が揺れ動くから、そのきっかけをつくるサカナクションの音楽に感謝の想いを伝えたいなと思って「泣かせてくれてありがとう」としました。

本当に、ありがとうございます。

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ーー過去を思い出させてくれる装置としてのサカナクション。

あの日、東京に憧れた一人の高校生。
絶好の世代を生きる彼はいま、

朝を駆け抜ける電車に揺られ、
東京の街へと繰り出しました。


サカナクションとItsukiくんの物語。

Itsukiくん、どうもありがとうございました!


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記事執筆:RAY
聞き手・写真:RAY
取材地:東京都豊島区池袋 周辺
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