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出張マンガ編集部!持ち込みまとめ②

2024年2月25日に開催されたCOMITIA147にて、出張マンガ編集部に漫画を持ち込み、アドバイスをいただいてきました。
持ち込んだのは、坂奈緒名義で2作目となる一次創作漫画、「わたしでいるために」です。(リンクはpixivのサンプルに飛びます)

また、拙著のネタバレを含みます。


当日の流れ

10時50分頃に整理券をもらいに行き、エントリーシートを記入。11時過ぎから1社目に並んで、3社目が終わった頃には12時30分でした。待ち時間もありましたが、1社30分弱みてくれていたんだなーと思うとありがたいです。
技術向上のアドバイスをもらう目的で参加。様々な視点からみて貰おうと、青年誌2社・少女誌1社を選びました。集英社2社、講談社1社ですね。
①アフタヌーン(以下、ア)
②ウルトラジャンプ(以下、ウ)
③別冊マーガレット(以下、マ)

なお、この記事の目的は、アドバイスをもう一度客観的に整理することで、次回作に向けてモチベーションを高めること、漫画の技術向上を目指すことです。
アドバイスに対する正誤や賛否は、論点ではないこと、そもそも走り書きメモからの書き起こしのため私がニュアンスを間違えていることがあるかもしれない点を、ご承知おきを。



各編集部について

①アフタヌーン
ストーリーの組み立て方についてロジカルに助言してくれた。また、表情の作り方について、できていないことの気づきをくれた。そして、ちゃんとキャラ名を覚えて会話してくれると嬉しいのだなと思った。
ちなみに11時前で一番整理券が捌けていたのがアフタヌーンでした。

②ウルトラジャンプ
①を受けて、表情の相談をすると、具体的な練習の仕方やネームを作るときに意識するといいことを教えてくれた。脚本はいいけど、演出力が足りない!を重ねて言われて、あーーーと納得する。

③別冊マーガレット
①・②を受けて、最後に演出力の少女漫画ブースに行けたの、とても良かった!
コマごとに、ベターな演出を、本誌で見られる工夫を参考にしながら提案してくれた。やるとわかりにくくなりがちな「正解でない演出」を具体的に知ることができて、「ネーム時に会いたかったです…」と伝えた。それでも1部購入して頂いた。


良かったと言ってもらえた点

ア:
・一読して「面白い!」と言ってくれた。題材のヒントとなった花盛さんの活動をなぞるのではなく、坂個人のアイディア(=元から明らかにコンプレックスに自覚的)として物語があることが好印象。四季賞出してたらいいところまで行ったのでは、と言ってくれて、賞を視野に入れたことがなかったなあと思ったので、今年の目標にしたいと思う。
・この話の質を基本として、次も面白いものを描くのはハードルが高いけど、できたらすごいと言われたのはここかウルジャンか? とりあえず、今の頭からっぽ(当社比)ネームを一度直したいと思った。メッセージ性、伝えたいことが強くあっていい、そこをわたしの自信にしていいんだなあと思えた。
・気にしているテンポはそこまで悪くはない。
・内容に対して適切なページ数。

ウ:
・絵心がある。画風はいいので、漫画の絵になってくるといい。カラーで慣れていると思うから、線で奥行きや硬貨を操るモノクロに慣れてくるといい。詳しい練習方法は後述。
・2作目とは思えないほど、話はよくできていた。わかりやすい話、絵。脚本力、あとは画力含む演出の力。

マ:
・ストーリーに問題なし。演出技術のためには、練習あるのみ。画面の使い方で勿体無いところはあるけれど、面白かった!


改善点:話の作り方

ア:
・ハレは報われている(=美人)側で、ラストもその差は縮まっていない。ゆたかは変わるが、ハレは最後も変わらない。二人が自己完結的すぎる。
→漫画的には、ゆたかがハレに踏み込める・新たな気持ちを引き出せると読後感がいい。
・予定調和の道筋を読まされている感は否めない。表紙からも…
→ミスリードを誘うような、手のひらで読者を転がすような意外性があるといい。
・読者の、ゆたか(主人公)への見方が変わるような演出が欲しい。
→例
p.1でモノローグ「わたしはなんて太っているんだろう」なら、読者も(そうだよなあ)と思う。終盤の展開で、同じ体型のゆたかを見せて、読者の受け取り方がどう変わるかを意識する。

マ:
・読者層の想定によって変わるが、感情移入の造り込みとして、彼氏との関係性の状況説明があってもいい。そもそも彼氏なの?彼氏は本気なの?どれだけ離れているの?なんで付き合っているの?「ゆたかならイケそう」という経緯はなかった?という点は、高校生向けならあるといい。
・ゆたかはそもそも、彼氏がいて、カップルフォトを撮りたがっていて、相手はおしゃれで、という嫉妬の対象にもなりうる。なのに、幸せじゃないのはなんで?というのは、描写すると、読者が乗っかりやすくなると思う。
・少女漫画のテクニックとして、「主人公が知るときに読者も一緒に知る」と言うのがあると、共感しやすい。
・読ませたい人に、どこで共感させるかを考える。
→例
読み切りや1話目は、主人公紹介編として、キャラを伝えるエピソードが描かれるので、参考なる。

改善点:絵の作り方

ア:
・引きの構図で、全身のデッサンが崩れがち。
・線に自信がない。画面作りに課題。
・ハンコを押したような表情が、ないとは言えない。そういう表情があると、引っかかって読むのがストップしてしまう。
→心情をもっと顔に込める。かきこみを増やすということではない。

ウ:
・線が綺麗になるといい。色が使えない分、線の強弱で奥行きの効果を出す。
→好きな漫画の線の模写をすると、すぐにコツを掴めそうな現状。
・セリフ一つ一つを表情にしてみる練習もいい。セリフを絵にできるようになると、セリフの多さも解消さ
→ゆたかが、好きじゃない服を着ていずい表情をしているなど。

改善点:演出の仕方

ア:
・漫画は、キャラの深みとアクションで動く。
→演出力の必要性。特に目で、訴えられることを知る。
→例
目の幅、開き具合、潤い、視線など

ウ:
・見えたものをそのまま描かなくていい。
→ハレがゆたかにとっての救いなら、訪れた部屋が煌びやかに見えてもいい。いかにハレを魅力的に、ゆたかが会いたかった理想の人物として見せられるか。少女漫画を参考にできる?
・仕草や表情で、演技をさせること。
→わざとらしくではなく、気だるげな姿勢や視線、手わすらなど。家でスマホをいじるシーンはよくできていた。

マ:
・ペンを風景と人で変えるとよい。カメラの男に挨拶するところなどは、風景が強くて表情が入ってこない。

改善点:コマ割り

ア:主人公に与えた影響=コマの大きさと考えていい。

ウ:セリフが全コマに入ると多い印象を与えるので、抜けのシーンが見開き1ページに1つはあるといい。また、1Pごとに主役になる絵があるといい。密度の変化が欲しい。
・引きの構図が少ない。書いてあるものの外を想像できない。電車に乗っている時間帯や、いる服屋の系統など。
→ネームを書くときに、意識すると良い。初心者はネームで、あらすじを伝えようとしがちになるが、人物を取り巻く状況を伝えられているかの確認。

マ:
・主人公の感情に合わせてコマの大きさを決めていい。
→気持ちの動きや、与える影響など。イケメンセリフコマが大きいのは、それが女の子に響いているから。
・彼氏の可愛いからと言われているコマ、大きくていいし、口元だけでもいい。



・コマの隙間が多い。広がりがない。コマを跨ぐ吹き出しは、意味がないときにやらない方が無難。(p.2冒頭など)
・コマの枠に吹き出しをくっつけない方がいい。コマ内が狭く見える。
→これをやると、同じくらいの顔サイズのトリミングが多くなって、単調に見えてしまう。

・1ページの中で手前に出てきて欲しいコマは、頭を切らずにつむじを出すテクニック。ページ単位で、どのシーンが主役で、レイヤーが手前に出てきて欲しいか考える。
・別マの目黒先生はコマ割りがうまい。吹き出しをすかしたり、大事なことを言う人物のすぐ隣にセリフを置き、視線誘導をスムーズにしたりするなど

・基本的には、見開き右上は大ゴマを。逆に言うと、左下には小さくフリを作り、次の大コマでオチを見せる、が繰り返しできると一気読みしてもらえる。
→フリ〜オチのパターン例
 ・間があって〜リアクションが来る
 ・風景引きで〜時間が変わっているのがわかる
・具体的には、「どうする?」(フリ)のコマの次のページで「言えなかった」(オチ)がいい
し、「パンッ」(フリ)のあとでゆたかの表情が見える方がいいし、ハレの「よくきたね」はオチなので次ページまで待った方が良かった。


所感

前回も言われていたのが、オチとフリの話だったなあと思い、前回の改善点を読まずに今回突っ走ったことを痛感している。次は、ちゃんとこの反省が改善されているか確認しながら、作品作りをしていきたいです。

また、今回男子向け女子向けどちらの編集部にも見てもらえたことが、すごく勉強になったので、持ち込みを検討している方はぜひ、どちらも申し込んでみるといいと思いました!大変いい学びとなりました。ありがとうございました!


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