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インスタントに結果が出なくても続けたい

技量は一旦横に置いておくとして、趣味はほどほどに多いほうだと思う。
こうやって気分転換に文章を書くこともそうだし、歌ったり朗読したり絵を描いたりとか、管楽器やボーカロイドをいじったりとか。漫画も本もまあまあ読む。
一人旅もそのひとつだったが最近は金銭的な問題があって行けていない。

類は友を呼ぶとはよく言ったもので周りにもそういう趣味を持った人が多いのだが、ちゃんと上手だったり実績があったり、趣味の内容だけで話のタネになるような珍しいものだったり、それで食べていく勢いの人がいたりする。

私自身はまさしく器用貧乏。

文化・芸術系の活動はなーにをやってもクラスや学年の中だったらうまいかな、くらいのため、やっていて楽しいのは確かだが大きな賞や仕事をもらうとか大勢に評価されるまではいかず、自信を持つには至らなかった。
おそらく外へ向けての発信や人付き合いが上手だったら毀誉褒貶、フィードバックをもらえる機会があるのだろうが、はちゃめちゃに内向的なので一人で細々と続けるに留まっている。

文章でも絵でもなんでも、とにかくアウトプット・創作系の活動はかなり精神面に左右されて、目の前で自分より野心的に努力している人がいるとすぐ耐えられなくなり自分だけの世界に引きこもってしまう。
芸術、向いてないと思う!

もし仮に美大受験なんかに取り組もうものなら数か月、もとい数日で音を上げて「いやあ井の中の蛙やった、世の中広いなあ。上手な人も頑張り屋さんも呆れるほど大勢おるんやし、わざわざ私が美大行く意味なんかないような気がする。趣味で描くわ」とかなんとか、劣等感を見ないふりして適当な言葉をでっちあげ、心を守るのだろう(というか、美大受験という形でないにしろこういうことを言った経験は何度もある。プロ目指せるんじゃない!? とまで褒めてもらっておきながら……)。

実際に比較されて苦しかった経験もあるにはあるものの、悪いのは当然相手ではなく、周りの人でもなく、自分自身が無意識に勝手な負け&駄目判定を出して苦しんでいるだけであって、いうなれば私は毎度自分で未来を閉ざしているのだ。

だから器用貧乏なんだ、本当はわかっている。全部全部、まっすぐ向き合わずにいたから。

しかし卑しくも、何度内心で負け判定を出してなお本当にやめたものはない。
臆病風に吹かれつつもこっそり牙を研いで能ある鷹になろうとしてきた。

ただ私はそれをあまりに誰にも言わない・見せないため、練習の成果を見せるタイミングがないという問題は抱えている。
消極的な人間にはそもそもチャンスすら回ってこない。

こと芸術系の活動において、インスタントに結果が出ることはまずないだろう。
結果というのは技量、知名度、金銭とか、そんな感じの。
テスト一発で結果が形になるような資格試験とは真逆だと思う。
粘り強く実力を磨きながら外に向けて発表していくうちに、「見つかる」とか「信頼を得る」という流れで人の目に触れやすくなる。と、よく聞く。

そうやって牙を研ぐ期間は例えば目標や憧れでモチベーションを保つのだろう。私にはそれが何もない。
趣味としてやっているなりに上達したい、あわよくばお金に変えたいなんて野心がないではないが、なんとしても成し遂げたい目標もないから、ぬるっと競争から抜けてしまえる。
良いのか悪いのか。

書いていて思った余談だが「シャンクスに麦わら帽子を返す」という目標を持ち、ルーキー時代から常々「海賊王におれはなる!!」と宣言しているルフィは確かに海賊王の器だ。
事を成すための初めの関門は実力の有無とかではなくて、夢を堂々と語る・語れることで通れるようになるのかもしれない。

まあせいぜい、卑屈でも気弱でも下手でも、インターネットの片隅でこそこそ細々なんでもやっていこうと思っている。
長々と書いたのにしょうもないけど、今の私にできる決意表明はこれくらいのことだ。


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