マガジン

  • 読書日記

    読み終わった本の感想文です

最近の記事

読書日記 - 中国行きのスロウ・ボート

「わからない」ということのおもしろさを教えてくれたのが村上春樹だった。文章を読む、よくわからない、もう一回読んでみる、やっぱりよくわからない。さらにもう一回読んでみる、なんとなくわかってきたような気がする。一旦本から離れて、その文章について思考を巡らせてみる。やっぱりよくわからない。この、掴めそうで掴めない、もどかしい文章が、私はどうして無性に読みたくなるときがある。 村上春樹の小説を読んでいると、たったこの文庫本一冊で、一体どれだけ楽しませてくれるのかという気持ちになる。

    • ひとききぼれじゃなくても

      音楽が好きです。なにかを好きって言うのは、それについて、すごく詳しくないといけない気がして、ためらわれたりするけれど。そうでなくても、好きなものは好きです。 はまると同じ曲を何回も繰り返して聞いてしまうタイプ。ずっと聴いてると、やっぱりどうしても飽きてきて、そろそろ新しい曲を発掘したいなと思うのだけど、これが意外とむずかしい。サブスクリプションのおすすめ機能を使ってみたりはするけれど、音楽って案外流れていってしまうもので、上手にお気に入りを拾い上げることが苦手だ。 最近は

      • 読書日記 - いつもの言葉を哲学する

        今回、自宅でしばらく眠っていたこちらをふと手にとって、ぱらぱらと読んでいると目に入ってきた、序章の一文。著者の「言葉を大切にするとは何か」に対する考え方。僭越ながらも、今こうして文章を書いている最中にも行っていることで、ああそっか、私は、言葉を大切にしようとしているのかもしれないなと思う。そう思ったことに、なぜかすごく気分がよくなって、この本は今読むべき本な気がするという気持ちになり、そのまま読み進めることにした。 この本では、言葉の語源や社会問題を取り上げながら、ずっと「

        • 読書日記 - 深夜特急1

          読書日記、第一弾はちょうど一巻が読み終わった「深夜特急」を。読み始めたきっかけは、京都奈良旅行。沢木耕太郎が旅したスケールには到底およばないけれど、旅行には紀行小説をお供にしたくて、本棚に眠っていたこちらをすっと。 実を言うと、深夜特急は3分の1くらいを読んでは挫折を繰り返していて、今回が3回目…?くらい。父から借りた本で、シリーズ全てが手元に揃っているのだけど、いつか読もう読もうと思いながら、なかなか一巻を突破できずに。というのも、私はちょっと紀行文が苦手。経験の足らなさ

        読書日記 - 中国行きのスロウ・ボート

        マガジン

        • 読書日記
          3本

        記事

          よむ、かく、かんがえる。

          ずっとずっとなにかを書きたくて、頭の中で文章を書く、というよくわからないシミュレーションだけを繰り返していた。 そのなにかってなんだろうと、やっぱり自分が一番すきなのは本な気がして、本のことなのかなとか、日々暮らしの中で考えていることを言葉にして残しておきたいのかなとか。いろいろ考えてはみたけれど、考えれば考えるほど、こういうのは書けなくなってしまうもので、何はともあれ、とりあえず始めてみるのが正解なのではないかなって思って、今、考えないように考えないように、思いのままに文

          よむ、かく、かんがえる。