見出し画像

CDオタクは変名バンドの管理に困る

安眠妨害水族館でレビューしたCDは既に2,000枚を超えていて、配信音源も含まれているとはいえ、それ以上のCDを所有しているのは間違いない。
これを人に話すとよく聞かれるのが、どうやって保管しているか。

一軍だけ棚に並べて聴かないCDは押し入れに収納する者、プラケースからソフトケースに移してスペースを圧縮する者、倉庫を借りて置いておく者、ある程度増えたら売るなどして新陳代謝を図る者…
同じ悩みを持つ知人に聞いてみると色々なノウハウがあるようだが、僕は愚直にも、壁面収納にバンド名で五十音順に並べている。
一軍、二軍の選別はかえって面倒なので、足りなくなったら次の棚を買う。
現在では、8本の壁面収納が並んでいるので、すっかり廊下が狭くなった。

さて、そういうときに困るのは、変名バンド名義での音源だ。
例えば、AYABIEにおけるDEATHBIE、ユナイトにおける黒ユナイトなど。
V系シーンにおいては、このように音楽性の違いをバンド名に変化を加えて表現する、ということが定着してきた感がある。

ナイトメアと仙台貨物、己龍とマイドラゴンの関係性のように、別物として並行的に活動している位置づけであれば割り切れるが、これらのラインナップのように元のバンド名をもじっただけで、ほぼ単発での企画だった場合、どう扱うか迷ってしまう。
AYABIEは「あ行」の欄において、DEATHBIEは「た行」に置くのが妥当か。
それとも、AYABIEのCDの1枚として一緒に並べるか。
五十音順での保管にこだわる以上、つきまとう問題である。

結果として、過去の自分がどう処理したかを確認し、平仄を合わせようということになる。
Kraが36481?名義で出した「フィクション」が、Kraとは別物として「さ行」に置いてあったことをもって、DEATHBIEは「た行」に、黒ユナイトは「か行」に並べることにした。

ちなみに、同じバンドのCDについては、発売順に並べる。
アルバムの1st Pressが2010年に出ていて、2011年のミニアルバムのリリースを経て、2012年に2nd Press盤がジャケット違いで発表。
僕が持っているのは狭間で発表されたミニアルバムと、2nd Press盤だった場合、どちらを前にして並べるかが迷いどころだ。
これも、過去の判例を参考に。
アルバムの仕様が同じであれば、1st Pressの発売日を基準とし、仕様が異なればそれぞれの発売日を基準とする。
この例では、ジャケット違いと仕様が異なるので、2nd Pressの発売日が基準日。
要するに、ミニアルバムを前に並べることになるという寸法だ。

これらのマイルールを忠実に守ったがために、一番気持ち悪くなってしまったのは、天野月さんの作品群。
彼女は、2008年に活動休止。
2010年に復活するタイミングで、それまでの天野月子から、天野月に名義変更している。
五十音順が優先されるので、先に並べるのが作品群としては新しい方の天野月。
天野月としての最新作の次に、天野月子の1stが置かれるという事態が発生してしまった。
同一人物なのだから、素直に発売順で並び直せばいいじゃないと思うだろうが、そう割り切れるタイプの人間であれば、はじめから苦労はしていないのだ。

類似事象で、最近困っているのが、DIAURAとディオーラ。
アルファベットと片仮名の表記の違いで、読み方は一緒。
五十音順という意味では、同一バンドとして発売日順に並べても良いのだけれど、アーティスト側の意向で明確に表記をわけているのを尊重すれば、彩冷えるとAYABIE同様、別物と見なすべきだろう。
そうすると、DIAURAが次々に新譜を出しても、一番右側に置かれるのは、ディオーラの旧譜という構図になって、これはこれでややこしい。
つくづく面倒な性格だとは自覚しているが、こればかりは変えられないのだ。

ただし、五十音にしていたことによる安堵もある。
ElDoradoからEllDoradoに名義変更したエルドラード。
五十音順では影響を受けないが、アルファベット順であれば、"l"がひとつ増えたことによって、間にEliphas Leviが挟まることを許してしまうから。
格好つけてアルファベット順にしていなくて、本当に良かった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?