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 風がわさわさと
 わさわさと
 林になり
 なり損ねて
 俺になり
 なり損ねて
 街灯の白びかりを
 まるで散らして
 一日の仕事を終えた
 線路の上を
 走り去る
 走りそこねて
 わさわさと
 わさわさとしている

 夏の湿度は夜半の風で
 俺も息してよいという


#詩 #風

「生きろ。そなたは美しい」