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日記「夫人」

キュリー夫人という言葉がある。

語感としてかなり当たり前に受け入れてきたが、よく考えたらキュリー本体の存在を前提とした言葉だな。
確か夫も放射線の研究をしていたような。

しかし、木曽義仲を執拗に巴御前の彼氏と呼ぶようなもんで、なんかやはり失礼な感じというか、ひとつ余分なまどろっこしさある。「ウェカピポの妹の夫」と同じ類の言葉だ。
最近の価値観で言えばまあアウトでしょうから、もうキュリーとだけ呼ばれてたりするんじゃないか。

ちょっとだけ調べると、2011年のポプラ社の伝記マンガのタイトルは「キュリー夫人」であるものの、2016年の小学館世界の伝記NEXTでは「マリー・キュリー」表記になっている。
出版社の意向もあるとは思うけど、おそらくもう「キュリー夫人」というタイトルの本はあまり出ないのではいかと思う。

価値観が更新される事で時間的に離れた場所にあるものの呼び名も更新される事があり、面白い。
常日頃感じている過去と現在の繋がり感がぐんにゃりとなる。
届かないはずの過去をいじってるかんじというか。

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