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30手前でバレエを始めた話〈前編〉

29歳の時、クラシックバレエを習い始めました。
子供の時にやっていて久しぶりに、なんて事もなく完全に未経験でした。

なかなか取っ付きにくそうなバレエというジャンルに、なぜ30手前で手を出したのか。
そんな思い出話です。

憧れのタカラジェンヌ

20代後半、私は宝塚の沼にどっっぷりハマっていました。
舞台で美しく踊るタカラジェンヌの皆さんに見惚れ、私もあんな風になりたいと身の程知らずな憧れをいだいたのがバレエをしてみたいと思ったきっかけでした。

しかし皆さま、「バレエをしている人」にどんなイメージを持たれますか?

ものすごく痩せてて顔も小さくて、
身体がめちゃめちゃ柔らかくて、
そもそも子供の頃からやってる人ばかり。


私はこんなイメージを持っていました。
翻って私は、ややぽっちゃりしていて、運動神経はお世辞にも良いとは言えず、身体はガチガチに硬くて。
そして三十路手前で完全な未経験。

近所に大人向けを謳ったバレエ教室もあったけれど、
私なんかが行ったら失笑されるかも。。
レオタードとかも正直ちょっと恥ずかしいし。。

なんて考えてしまい、中々手が出せずにいました。

友だちが欲しい

話は少し変わって28歳の時、東京に転勤になりました。

最初は東京での暮らしに慣れるのに精一杯でしたが、1年も経てば余裕も生まれてきます。
私の地元は関西で、東京にはほとんど友人が居らず、休日はやる事がなくて暇でしょうがなくて。

家で宝塚のDVDを眺める日々の中で、
友だちが欲しいな。。
と思い立ったのです。

最近はSNSでいくらでも友達が探せる時代ではありますが、その時の私は生身の人付き合いに飢えていて、何か習い事でも始めてみようかと思うようになりました。

運動不足だし、身体動かす系の習い事の方が良いかな。。
でもそもそも運動嫌いで、以前登録していたスポーツジムやヨガスタジオはほとんど通わずに退会してしまった事もあり。

一時期習っていたフラワーアレンジメントを再開してみるのもいいかもな。。
家にお花があるとなんだかオシャレっぽいし。
ただ私すぐお花枯らしちゃうんだよな。

歌うのも好きだし、思い切ってボイトレとか行ってみるか・・?いやいや先生と1対1の習い事じゃ友だちは出来にくいかな・・?

ちょっとだけ馬頭琴とか興味あるんだけどこの機に始めてみるか・・?

などなど、東京という大都会には本当に無い習い事なんて無いんじゃ・・?と思うくらい、少しでも興味のあるワードで検索したらいくらでも教室がヒットして、習い事を探すのも楽しいです。

そうして調べていくうちに、なんと宝塚のOGさんによる宝塚の曲を使った宝塚ダンスを学べるダンススタジオが割と近所にあることも知り、ここに入会したら間違いなくヅカオタ友だちできるやん・・!と思ってかなり真剣に検討したのですが、最終的に会費の高さに断念。

加えて、私はわりと面倒くさいタイプのオタクなので、
「基礎もなっていない私が形だけ宝塚の踊りを真似しても醜いだけ!」
「そんなのは本家に失礼だ!」
などと、変なところで完璧主義な性格が見え隠れし、
どうせ始めるならやっぱりちゃんとバレエ教室で習いたいな・・・。と、
久しぶりにバレエ教室への入会を検討しはじめたのでした。

入会へ

前述したように、ここは大都会東京。
ひとことに「バレエ教室」と言っても、さまざまなタイプの教室がありました。
地元にいた頃は大人向けを謳うバレエ教室は二極化していて、
・本格的なバレエスクール(普段は将来有望な子供たちに教えていて、土日や夜間に大人クラスもあるようなところ)
・完全なカルチャースクール(バレエというよりは体操に近い。生徒さんにはおばあちゃんも多い)
このどちらかしか無かったのですが、正直本格的なバレエスクールに入会する勇気はないし、かと言ってちゃんと踊れるようになりたいし。

そんな私が東京で出会ったバレエ教室は、どちらかと言えばカルチャースクール寄りでハードルは低めに設定されているものの、生徒さんの年齢層は私と同年代の方が多く、「あくまで楽しく。でもちゃんとバレエ教室としてテクニックも教えるよ。」みたいな雰囲気がちょうど良くて、家から割と近かったこともあり勇気を出して体験レッスンを申し込みました。

かなりドキドキしながら体験レッスンの日を迎えましたが、
とは言え教室のコンセプトとして「大人女性かつ初心者向け」を謳っていて、最初は基本の姿勢や立ち方から学び、ある程度身についたと先生が判断したら上のクラスへ進級させてくれる制度であるとサイトに書いてあったので、私が参加するクラスの生徒さんはみんな同じ素人だろうという安心感はありました。
(レオタード強制じゃなくて、Tシャツにジャージみたいな人が多いとも書いてあったので正直嬉しかった)

先生もとても明るく優しそうで、失礼ながら勝手に抱いていた気難しそうなバレリーナのイメージとは真逆の気さくな方で。
その日は簡単なバーレッスン(本当に立ち方の基本だけ)とストレッチを入念に行い、最後にすこ〜しだけ白鳥の湖の振り付けを教えてくれて。
難しいことはしていないのだけれど、基礎が身についたらこの振り付けがキレイに踊れるようになるのか・・!という憧れも生まれ、楽しく体験レッスンを終えることができました。

もともと私はバレエというジャンルに対して高いハードルを感じていたのだけれど、実際に教室に行ってみると、生徒さんはやはりみんな私と同じド素人で、特別バレリーナ体型という訳でも無く、さらにバレエを始めたきっかけを聞いてみたところ、
・ダイエット目的
・フィギュアスケートオタクで推しに近づきたくて
・子供のころから密かに憧れてた
・ミュージカル好きで(←友だちになれそうな予感)
などなど色々な人がいて、
ここなら気軽に楽しく通えそうだな、と感じそのまま入会手続を行いました。

そうして私はクラシックバレエを始めたのでした。


後編につづく。


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