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大好きなゲーム(ノベル・ADV編)

ゲーマーとしての趣味をネットの大海にさらけ出し、
何かのタイミングで誰かとワイワイ盛り上がりたい!
好きなゲームを語り合うのは何よりも素晴らしいひとときだ!

というだけの感情から始めることになった不定期企画第3回です。
ただ思い出を語りたいだけなのでレビューチックな内容ではなく、
そのゲームにまつわる思い出をグダグダと書き連ねていく感じです。
未定ですが惚れ込んだゲームを上げ尽くすまで全6~8回くらいの予定!
いやはや、振り返ると超好きなゲームっていっぱいあるもんですね!

あと、youtubeの『ゲーム夜話』が好きすぎるので、
紹介した好きなゲームの特集回があればリンクを貼るようにします!
ゲーマーの方なら見ていて飽きない素晴らしいチャンネルだと思います!

はじめに

第3回はノベル・ADV編となります。
後にエロゲにハマるきっかけとなった別角度のアプローチという感じです。
チュンソフトのサウンドノベルは商業的にも大成功したこともあり、
のちにエロゲ業界に絶大な影響を及ぼす結果になりましたよね。
今回、特に思い出深い作品群をまたもや時系列で紹介します!
これまで同様10作品となっているのは合わせました。
が、どのゲームも自信をもって珠玉の名作と言えます。
今回、自分語りが多めなので苦手な人はどんどん飛ばしてください。
(ちなみに私は他の方の自分語りはメチャクチャ好きです)


①かまいたちの夜

チュンソフト 1994年11月25日発売(SFC版)

エポックメイキング的な作品としてはもちろん初代サウンドノベルゲームである『弟切草』なのでしょうが、残念ながら個人的には『弟切草』は単純にあまり面白くなかったです。今もどちらかと言えばそうなのですが、ルートによって設定そのものが変化してしまうという作りが好ましく思えなかったです。というわけで自分の人生におけるノベル・ADVゲームの中でのオリジンは本作となります。個人的にテキストベースのゲームが大好きになったのは本作のおかげですし、世の中に多くのノベルゲーが登場したのも本作の成功のおかげだと思うと本作に対しては感謝しかないですね。
発売してブームになっている当時は小学校中学年くらいで、当時はメチャクチャ怖かったです。今見るとグロくもなんともない荒い画像ですが、バラバラ死体だ!と言われるだけで子どもながらに震えあがってました。SFC版は既に結末まで知っていて怖くもなんともないであろう中根君の家(一軒家の2階が友達の部屋)で断片的にプレイしましたが、怖いシーンになると「喉渇いたでしょ?飲み物持ってきてあげるよ」とか言っておちょくられてました。当時は一人になるのが怖くて耐えられずに一階までくっ付いてました。今思えばなんて可愛いんだろ。本格的にきちんと全部プレイしたのはその5年後くらいに出たPS版でしたが、よほど印象的だったようで内容はかなり詳細に覚えていました。犯人はゲーム界の犯人ではヤスの次に有名では?
特に秀逸だと思うのは最短ルートで犯人を指定する時の選択肢の流れ。まさかあの選択肢が正解だとは普通は思いもよらないですよね。本作以降もそれなりの数の推理ゲームを商業フリー問わずプレイしているつもりですが、本作以上に真相へのアプローチの選択肢が美しい推理ゲームはまだ見たことがありません。匹敵するような作品をご存知の方は是非教えてほしい!
2や3も間違いなくプレイ済のはずなのですが、ネタではなく特に3についてはあまり記憶がなかったりします。2は割と楽しめた覚えがありますが。4作目は、アレ??調べてみたところ多分やってない!!
ちなみに初プレイから四半世紀以上経ってから自分が超オマージュ作を作ることになるとは作る直前まで思いもよりませんでした。



②街

チュンソフト 1998年1月22日発売 SS

どこからか兄貴が入手してきた体験版を遊んだ時から本作の虜になりました。当時はPSだけでなくちゃんとSSも買っておいて良かったなぁ、と心からセガとチュンソフトに感謝した覚えがあります。ちなみに後にPSでも発売されたようですがそちらは未プレイですし、今作にはサブタイトルは要らないと思ってしまう派です。今思えばかまいたちから3年と少しで発売されてるの凄いですね。自分の中ではSFCまでとPS・SS以降で大きく時代の違いを感じます。この辺は単純に生まれた時代によるものと思われます。PSやSSをレトロゲーと言われると違和感半端ないですし。PS・SSは次世代機ですよ!どちらの起動画面も目をつぶれば効果音とともに思い出せます。泣ける。
今作の最大の売りはザッピングシステムで間違いないですね。ちょっとした行動を変えることにより他の人物の人生が大きく変わってしまうという、バタフライエフェクトを非常に分かりやすく表現したようなそのシステムが最高に面白かった。アクションゲームでもないのにここまでダイレクトに自分のプレイングが結果に直結するという感覚は当時は非常に斬新でした。長らくファミ通で好きなゲームの上位に君臨していたのも納得です。(そういえば先日やってた好きなゲームのランキングを発表するTV番組では全く入ってなかったような?結構年齢層高めな感じがしたのに謎だ!)
ザッピングシステムに次いで印象的だったのはTIPSです。一連のTIPSでサブストーリーが展開したり、ストーリー本編では明かされない設定が見られたりと、ゲームの世界観が補強されるこのシステムも凄く斬新なものでした。
特に好きだったシナリオは雨宮(刑事)、篠田(金曜日)あたりでしょうか。逆にダンカンシナリオだけは苦痛だった記憶があります。最後の方のおまけシナリオとかも良かったなぁ。ホント良いゲームですよね。
なお出演者は意外と豪華だったりするので興味のある人は調べてください。



③アナザーマインド

スクウェア 1998年11月12日発売 PS

『自分が買うゲームはギャルゲのみでそれ以外のゲームは絶対に買わない』という謎のルールを作っていた時期の自分が購入したので本作はギャルゲーといえる気もしないでもないですが、普通に考えたらADVですよね。
サウンドノベルやストーリー重視のADVが大好物だった自分は発売前から『スクウェアがとうとうノベルゲーを出すのか!!』と物凄い期待していた逸品で、発売日に秋葉原で購入して即プレイしました。高まっている期待に応えてくれる非常に面白いストーリーで、夢中になってプレイしました。
本作独自の会話システムは個人的には割と気に入っているのですが特に評判が良いわけでもなく、類似のシステムのゲームもあまり見たことがない気がします。なので、いつかこのシステムを踏襲したゲームを作りたいという超ふんわりした気持ちがなくもないです。(作り込みがめんどくさそうですが)
突然少女の中に人格として存在していることに気付いた主人公という一風変わった設定で、少女との対話によって言動の方向性を決め、それに従ってストーリーが展開・分岐するというゲームです。全部で9章のエピソードから成り、章ごとにそれぞれ区切りのあるストーリーが楽しめます。いずれもミステリー、サスペンス要素の強いストーリーでかなり面白かったです。
各エピソードでの選択肢によって中盤以降にかなり大きくストーリーは分岐します。この分岐っぷりもかなり面白いのですが、攻略本なしでは様々なエンディングを見るのが非常に難しいのと、周回プレイの不便さったらないのでそのあたりで評価を落としている気はします。
山下真司、高知東生、筧利夫、吹越満と男性出演時は非常に豪華ですが、トップアイドル勢揃いの『ユーラシアエクスプレス殺人事件』と違って女性の方は誰も存じ上げなかったです。すみません。



④逆転裁判

カプコン 2001年10月12日発売 GBA

それまでは結構大人向けジャンルだったと思われる推理系ADVを楽しめる対象年齢をぐーんと下方向に広げた感のあるエポックメイキング的なゲームです。こんな形で裁判をエンターテイメントなゲームとして落とし込むなんて革新的だなぁと思った記憶があります。
私は一生懸命勉強したのは中国語だけという「なんちゃって」ではありますが一応法学部の法律学科出身で、プレイ当時は現役大学生でした。というわけで出てくる単語はさすがに馴染みのあるものだったのですが、恐らく一切の予備知識がなくても全体像が理解できるような丁寧なチュートリアルが冒頭に置かれていました。被告、検事、弁護士、裁判官あたりの概念は小学生には少し難しいような気もしますが、プレイを進めるうちにすぐに構図が理解できるような作りになっていたような気がします。単にデスゲームものなどと比べるとためになる教養ゲーとしての一面もあるといえばある気がします。言い過ぎかも。今調べたら裁判員制度が始まったのは2009年からとのことですが、本作のおかげで最低限の知識を得ました!という人もゲームの売上本数を考えると軽く10万人以上はいるようです。
シリーズは通常のナンバリングの3までしかプレイしておらず派生作品は全く触っていないのでファンを語るのはおこがましいのですが、法廷シーンの分かりやすい演出の数々はどんどん先をプレイしたいという気持ちに火を付ける素晴らしいものだったと思います!カクカクアニメもインパクト抜群で面白かったなぁ。二転三転しながら追い詰めていく臨場感を高めてくれました。「サイバンチョ」などといった表記のセンスも抜群だった記憶。
振り返ると一作目の冒頭1話2話の思い切ったエピソードも掴みはバッチリでしたね。真宵のキャラなんて変化球もいいところだと思いますが、このゲームのヒロインとしてばっちりな設定だったように思います。



⑤ひとかた

お竜 2003年4月25日 公開(フリーゲーム) PC

それまで同人・フリーのノベルゲームは一切遊んだことがなかったのですが、当時あまりに評判が良かったこととループものの傑作とのことなので試しに遊んでみたところ、あまりの面白さにメチャクチャ驚きました。
実は本作はイギリスでプレイしました。就職を控えた大学生最後の春休みのタイミングで、海外で活躍するには中国語だけでなく英語もそれなりに使えるようになっとかないと、という感じで1か月弱の短期ホームステイ&語学学校通いを行ったのですが、その際持って行ったモバイルPCにインストールしていたのが本作でした(真面目に勉強する姿勢が疑われる)。
到着初日は移動中に読み始めてあまりの面白さに睡眠時間を削って東野圭吾の『白夜行』を一気読みし、2,3日目の晩は同じく睡眠時間を削って本作を一気にプレイしました。ジャンル愛や贔屓目はあるのでしょうが、日本を代表するベストセラー作家の最高傑作(ほぼ全作読んでるので断言)と比べても全く引けの取らない面白さに驚愕しました。
私が遊んだのは下品な表現も多いと噂のオリジナルバージョンではなく、その後に出たNscriptor版でした。立ち絵は存在しないですし当時でも若干は古臭い印象はあったものの、シナリオが抜群に良かったです。ループものというジャンルにおける一つの正解を見た!という感じで、終盤の物語の収束に向けた盛り上がりも凄かったです。シナリオレベル的にはLeafの『痕』や『ひぐらしのなく頃に』といったレジェンド作と肩を並べる、もしくは超えるような作品だと思いました。スマホもなければソシャゲもない、フリーゲームのプレイ人口が今と比べて格段に多かった頃の超名作なのである程度の年齢以上(30代?)の方はプレイしたこともある人も多いかと思います。
そのうち時間を作っておさらいプレイをしてみたいですし、それだけの価値のある作品であることは間違いないはずです。たまに本作のレビューを改めて見てみるとループ演出の2周目3周目がつらいというコメントを目にすることもあるのですが、当時プレイした際には一切そういった感覚はなかったですね。再プレイすることで、当時と変わらず超熱中してのめりこむ様にプレイできるのか、この15年くらいの間で自分がいかにせっかちになり演出に対しての要求が高くなったかを実感するのか、どっちに転ぶのかというのも体感として分かりそうで、そういう意味でも興味深いですね。



⑥CLANNAD

Key 2004年4月28日発売 PC

CLANNADは人生であり、それと便座カバー。私自身はONEからの根っからの鍵っ子であり、ONEとKANONの初回限定版だけでなく同棲やMOONの初回版も後から中古で入手するレベルですし、AIRなんてショップ特典欲しさに同じゲームを25本買うという重度のオタク以外理解できない暴挙に出た懐かしい思い出もあります。あの日AIRの初回限定版欲しさに深夜0時に秋葉原に集っていた超大勢の当時の日本を代表するオタクたち、今は何をしているんだろうか。一人くらいここ読んでるかー!!
という感じの生粋の鍵っ子ではあったのですが、本作の発売時には既にエロゲを卒業しておりました。そうです。超エロゲオタにはあるまじきリアルへの浮気です。あれだけエロゲを愛していたのに、アリスソフトのゲームだけはファンクラブ会員として卒業後も欠かさず購入していましたが(全然卒業してない)、テニスサークルでキャッキャウフフと女性のお尻を追いかけるような日々に突入してしまっていたのです。と、ここまで全開でエロゲの話をしておいてなんですが、本作はエロゲではなく全年齢対象版でしたね。
なお、当時の自分は自身が勝手にエロゲを卒業しておいて(してない)、同じくエロゲを卒業?したKeyに対して、『エロゲメーカーとしてのプライドを捨てたのか!矜持はないのか!俺たちエロゲオタのことは踏み台とでも思ってるのか!一般に行ってもエロもちゃんと大事にしてるニトロプラスの虚淵を見習え!』なんて勝手に思っていました。痛いです。
さて、痛すぎる話はそこまでとして、エロゲ卒業⇒就職⇒結婚⇒子どもの誕生という人生の列車を順調に進んだところで単身赴任チャンスを得た自分は長時間作品をやるなら今しかない!と人生とまで言われた本作にも手を出すことにしました。そりゃもう人生でした。
ONE以来の泣きゲーメーカーとしての立ち位置は崩すことなく、過去作よりもロングスパン&大ボリュームで描いた本作は紛れもなく傑作でした。よく人生と言われる本作ですが、恋愛関係だけでなく家族関係までを描き切る作品は結構珍しい気がします。トータルのプレイ時間は激長でしたが、個別ルートもそれぞれ良かったですし、本筋はかなり大きな展開もあったので飽きることもなく楽しめました。たくさん自由時間があるタイミングでプレイできて本当に良かったなぁ、と。
本作が流行れば流行るほど少子化が食い止められたりしませんかね?まずは景気回復しないとダメか。



⑦428 ~封鎖された渋谷で~

セガ 2008年12月4日発売(Wii版)

またチュンソフトが実写でゲームを作る!ということで迷うことなく発売したタイミングでWiiと同時に購入しました。その後、現在発売中止になっているiphone版もSteam版も購入しました!自分、チュンソフ党員ですから!
街と異なり特定の1日の特定の出来事に焦点を当てた感じのストーリーで、1時間ごとに進んでいくシステムはハラハラもの。次の一時間の予告映像の演出がやたらカッコ良くて辞め時が全く見つからず、初回プレイ時は独身だったこともあり購入からノンストップで一気にクリアしました。
いきなり珍しく厳しいことを言うと、個人的にはTYPE-MOON制作部分は完全に不要だったと思いますね。私はモロにどっぷりとどちらのファン層にも属している人間と言えますが、あまり相性が良くなかったのではないかと思います。TYPE-MOONの人気やらアニメ化の影響やらで売上的な部分での貢献がもしかしたら大きいのかもしれませんが。そういえば上木彩矢推しもかなり激しい本作ですが、さすがにそこそこの広告費をもらっていないとおかしいですよね。大沢編では不自然なほど言及されていましたし。
綺麗にストーリーが収束する本編はもちろんですが、かまいたちの夜の我孫子武丸さんが担当した病院舞台のおまけシナリオ(鈴音編)もとても良くてメチャクチャ泣きました。殺戮にいたる病を書いた大天才からすれば、感動して泣かせるくらい朝飯前ということかもしれません。須賀健太さんやら大塚明夫さんやら演者さんも豪華でしたねぇ。
街も428も超傑作と言って良い完成度にも関わらず、作品単独の収支的にはトントンくらいという話を耳にします。このレベルの作品を作ってもトントンであれば、ビジネスとして実写の同系統作品を作るのはリスクが高すぎですよね。前澤社長がチュンソフ党員で月に行く費用を全額チュンソフトの実写作品につぎ込んでくれたら、など無意味なことを夢想しちゃいますね。



⑧ひぐらしのなく頃に

07th Expansion 2010年4月29日配信開始(iOS版)

本作が話題になった当時はまだ2ch全盛期。2chをそこそこROMっていた感覚としては、葉鍵板全盛の頃に月姫と本作で突然の同人ドリームの大ブームがやってきたようなイメージでしょうか。当時は話題をさらいにさらっていた印象です。多様化が進む現在では考えられないくらいの話題のさらいっぷりでした。アニメは未見ですが、中高生にも随分流行っていた印象。
それなのに自分は完全に距離を置いていました。今ではむしろフリゲ、インディーゲーをこよなく愛する自分ですが、当時は同人をひたすら遠ざけていました。限られた人生の持ち時間においては商業作をプレイした方が外れがなくて良いと思ってたんですね。あんなに商業の外れ~イマイチ作を掴まされておいて不思議なものです。秋葉原に行ってもメッセサンオーには必ず行くのにとらのあなには入ったことすらない始末でした。
そんな自分ですが、誰かに勧められてブーム絶頂期に第一作を触れたことがあります。結果、即挫折しました。私自身ゴリゴリのエロゲオタクだったくせに、エロゲ特有のリアルさゼロの日常テキストが苦手なんですよね。(Keyのゲームは好きなのですが、日常シーンは割と苦痛だったりします)
で、10年以上が過ぎ、単身赴任で海外駐在した際に有り余る自由時間を手にしてスマホ版で本作に改めてトライしたところ、超絶面白くてビビり散らしました。最序盤がメチャクチャだるかろうが、立ち絵が無かろうが、手がクリームパンだろうが、一切関係のない面白さ。こんなに面白いならそりゃ流行るわ!とメチャクチャ納得しました。いやはや竜ちゃんごめんなさい。追加ストーリーをすごい勢いで課金&解放して最後まで瞬時に完走しました。
何編が何とかはあまり覚えていませんが、序盤から中盤のストーリーへの吸引力は半端じゃないと感じました。残念ながら「特殊部隊と戦う女子中学生」みたいな感じになってからは何とも言えない感じでしたが、序盤~中盤までの引き込まれ方はここで並べた他のゲームと比べても一番と言っても良いかと思います。最初の3編くらいですかね、異常に面白かった。。
ちなみに後から調べて分かった驚異的な制作速度も凄過ぎだと思います。各編、ほぼ遅れなく半年ごとに発表するなんて人間業とは思えない。



⑨シュタインズゲート

5pb. 2011年8月25日発売(iOS版)

思い出補正をなるべく排除して考えた時にこのジャンルの現在におけるNo.1の完成度を誇るゲームなのではないかと思っています。クリエイターのインタビューをWEB上でいくつか拝見しましたが、これまでのノベル・ADVジャンルの総決算という心意気で制作された本作はまさにこのジャンルの面白さを凝縮したような素晴らしさでした。主人公の取った行動が運命を変えていく、ということがダイレクトで感じられますし、荒唐無稽とも言える内容をなるべくリアルに感じさせる科学描写が素晴らしく良かったです。
舞台となる秋葉原はオタク心をくすぐります(あのラジオ会館、中学時代以降何度目にしたことか・・)し、厨二設定の主人公オカリンは初めこそちょっととっつきにくいですが、ストーリーを最後まで追うとこれ以上いないキャラクターだなぁ、と。助手、ダル、まゆしぃ、ルカ子など脇を固めるキャラクター陣も魅力的ですし、かなり特徴的なグラフィックもこれしかないという感じです。
シナリオがとにかく素晴らしく、さまざまな展開には痺れっぱなし。全ての障害を取り除いたと思ったら最後に残る最大の問題。一番最後に全ての伏線が回収されて無事にハッピーエンドに繋がるシナリオ構成は、誰かこれ以上と思えるものがあればどんどん教えて下さい!というレベルです。
ちなみに発売時のハードがXbox360だったのと新婚でゲームをする時間が取れなかったため、超絶面白いという評判を聞きながらも長らくプレイする機会に恵まれず時間だけが経過しました。
シュタゲとの次なる接点は初めて知ってから5年後くらい。単身赴任で海外駐在した時に『オタクなんだからアニメも少しくらいかじっておかないと』と謎の衝動に駆られ、友人の八度至(かみかくしの夜のグラフィック担当)から面白いオススメアニメをヒアリングしました。その際にまどマギやコードギアスとともに紹介を受けたのが本作でした。超面白くて一気に見ました。というわけで初めて触れたのがアニメ版という自分としては唯一無二の作品です。
その後、ゲームは帰国後にiphone版でプレイしたのですが、東京から九州までの出張を新幹線で決行してその出張の往復でクリアしました。あの時の集中力といったら受験戦士の時以来くらいで、新幹線で号泣するリーマンおっさんのできあがりでした。話知ってるのにボロボロ泣いたなぁ。
ちなみにケータイで分岐するゲームシステムが良かったのかどうかはイマイチ良く分かりません。というのも『攻略情報なしの場合は鬼畜難易度』だと聞いたことがあったため、初手から攻略情報をカンニングした邪道野郎だからです。何度もBADを食らいつつも自力でクリアできた場合は感動も倍増するのでしょうが、遊んだゲームの割にテクがない自分は根気が尽きるのが先だった気がします。



⑩ファタモルガーナの館

Novectacle 2012年12月31日発売 PC

単身赴任海外駐在時代にひぐらしをプレイし、同人ゲーってこんなに面白いの!? 昔死ぬほど買いまくった商業のエロゲと比べてもほぼ無双できるレベルで無茶苦茶面白いんだけど!? あれからもう10年くらい経ってるんだから同じくらい面白いゲームもあるんじゃないの!? と思った自分がリサーチした結果、いくつか購入した中で最も面白かったと断言できるのが本作です。メチャクチャ感動して公式ページに送ろうと超長文感想メールをしたためましたが、ちょっと冷静になって送るのをやめたのが懐かしい。
どんな層を対象にしているのかが少し分かりにくい、なんとも言えない耽美系の独特な雰囲気を纏った本作でしたが、プレイを始めると即のめりこみましたね。各エピソードを通じて描かれる様々な悲劇。なぜこんな悲劇が起こるのかを綺麗に解きほぐすその後の展開。もう物凄い引き込まれましたね。シナリオの構成から伏線の張り方から世界観から演出からとにかく凄い。そして何が凄いってグラフィックもボーカル曲だらけのBGMも凄いんですよ。どのくらい凄いかって、海外でのメタスコアが瞬間最大風速で100点を獲得するほどで、Switch版なんてマリオと並べて宣伝されることすらあるところからも見て取れるでしょう。
なお、縹けいかさんのシナリオに激ハマりした私は本作のノベライズ版も含めて出版された書籍も全て即購入しております。おススメは『食せよ我が心と異形は言う』ですね。痺れました。残念なところと言えば本作以降、派生作を除いて新作が全くリリースされていないことです。もう発売から10年!情報公開から5年が経とうとしている『ナラカルマ・エンジネア』が遊べる日は来るのだろうか。



その他

ここまでで上げたゲームは特に思い入れや面白かった印象が強いゲームになります。ここまで挙げた以外に思い出深いゲームを以下羅列してみます。

・さんまの名探偵
・弟切草
・学校であった怖い話
・夜光虫
・ざくろの味
・神宮寺三郎シリーズ
・金田一少年の事件簿 悲報島 新たなる惨劇
・金田一少年の事件簿 星見島 悲しみの復讐鬼
・3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!
・ダンガンロンパ
・消火栓
・魔法使いの夜
・World End Economica

このジャンルはメチャクチャ好きではあるのですが、アダルト・同人・フリーでは滅法強いジャンルではあるものの一般商業だと振り返ってもあまり思い当たる作品が思い出せなかったりします。チュンソフトが強すぎなのと、5pbはちゃんとプレイしたのがシュタゲくらいなのがあまり数が上がらない原因ですね。ちなみに同人・フリー系は入れだすと収拾がつかなくなるので極めて商業っぽい展開をしたものだけに限定してみました。

というわけで今回はこの辺で失礼します!
次回はプレイ時間でいえば恐らく一番長いであろうジャンルにします。
ではまた次回、SLG編でお会いしましょう!

以上、富井サカナでした。


↓↓↓↓今回取り上げたかまいたちの夜に激寄せのゲームを作りました!↓↓↓↓


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