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「エンドユーザーが満足する付加価値」と「余計なもの」の違いを見極める

以前、京都の職人さん達の作品を集めた展示会に出かけた時のお話。

ふと、友禅職人さんのコーナーのランプに目が止まった。
布製ランプシェードには友禅模様が染められていた。
私は失礼にも心の中で「この友禅柄が無ければ良いのに」と思ってしまった。

物は機能性が優れていて、素材の組み合わせが良くて、魅力的な色で、フォルムが美しければ、それ以上の装飾は不要な場合がある。

手描き友禅を付加価値と判断するのは作り手と売り手だ。

エンドユーザーのニーズやライフスタイルからかけ離れたコンセプトでは、ランプシェードに施された友禅染は「邪魔なもの」となり、商品価値を下げてしまい、売れない理由になってしまう。

「ユーザーが満足する付加価値」と「余計なもの」の見極めは、作り手目線では解らないことが多い。

市場性のある(売れる)物を作る為にはNeeds and Wantsを見極めなければいけない。
いくら出来栄えが良くても市場性が無ければ、単なる趣味のものづくりと大差ない。

そういう意味で江戸時代の浮世絵の版元、蔦屋重三郎は、天才的なビジネスセンスの持ち主であったと言える。

彼のアイディアから生み出された数々のヒット作は、現在の職人には学ぶべきところが多々ある。

来る3月20日20時からのオンライン(zoom)講座では蔦屋重三郎のビジネス目線で浮世絵を語ります。

お申し込みと詳細は こちら

講師 成願義夫




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