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着物を着てくれてありがとう

着物を着たいけど、なかなか思い切って着ることに踏み込めないという女性に以前理由を聞いたことがあります。

彼女から話を聞いて私が思ったことは、着物の普及拡大を願うなら、最初から「人の為に着るという高いハードルをなくすことが先決」なんだということでした。

多くの女性たちが、大人になって自分の意思で、初めて「着物を着てみようか」と思うきっかけは、会社の同僚の結婚式や友達の披露宴だったり、親戚の結婚式だったり、ドレスコードが「着物」のパーティーに誘われたり。結果的に初心者でありながら、ほとんどが社交界デビューのような、緊張感を伴うシーンにいきなり自分の身を置くことになります。

多くの女性はその緊張感を楽しむことができるのですが、中にはこの女性のように加害妄想に苛まれる女性が少なくないようです。

加害妄想とは?

主催者や友人に恥をかかせてしまうのではないか?慣れない着物を着て当日粗相をして人に迷惑をかけてしまうのではないか?という妄想です。周囲の目を気にして、気を使いすぎる真面目な女性に多いようです。

着物には良い先入観もあれば、悪い先入観もあります。
悪い先入観が加害妄想を増幅させるのです。

そんな女性に私がアドバイスしていることは、
とにかく、「最初は自分の為だけに着物を着てみましょう」と、いうことです。

簡単な例、

○休日を着物で目的なく普通に過ごす。

○着物を着て友達とカフェに行く。

○彼氏や夫と外食の時に着てみる。(高級店には行かない)

とにかく「着物=晴れ着」・「着物=特別」という既成概念を捨てて、普通の日常の中に着物を取り入れてみることです。
その為には、手入れが簡単で安価なポリエステルの着物(カジュアルな柄)をお勧めします。
最近ではリサイクルの着物も安価で購入することもできます。中古品でウールの普段着が有ればお薦めです。

また。帯結びが苦手だと思う方は、最初は簡単な半幅帯から始めてください。カジュアルに着るならどんな着方でもOKです。
着方や帯の結び方は、youtube動画などで簡単に覚えられます。

そして少しずつ着物に慣れていけば、着物の着方や行く場所の質は勝手に上がっていきます。


着物は「習うより慣れろ」です。
できれば、「あんな風に着物が着たい」と思える、目標にできる女性とお友達になりましょう。
最初違和感のあった自分の着物姿が当たり前の日常になるように、まずは自分の為だけに普段着として、着物を楽しみましょう。
そうすれば周囲の目も気にならず、慣れてくると逆に、人の視線が嬉しくなり、着物ライフが一層楽しくなります。
そして、自然に全てがレベルアップして、不必要な先入観から完全に解放されるでしょう。

男性は皆、女性の着物姿が大好きです。
着物を着た女性を見たら、うっとりしているのです。
私は着物を着ている女性を見ると、心の中で「ありがとう」と言います。
見ているだけで幸せな気持ちになるからです。
着物を着た女性とすれ違うと、余韻を楽しんでいる自分がいます。

女性が着物を着るのは、着物に慣れるまでは、本当に大変ですね。

だから全ての女性に言いたいです。

「着物を着てくれてありがとう。」

#呉服繁盛店の作り方
#コンサルタント
#着物デザイナー

着物デザイン教室(オンライン or オフライン)
https://www.jogan-kimono-design-school.com/

和文化デザイン思考 講師 
伝統文様研究家
着物デザイナー
日本画家
●成願義夫 Jogan Yoshio プロフィール
株式会社京都デザインファクトリー代表取締役
伝統文様研究家、装飾画家、アートディレクター、着物デザイナー、グラフィックデザイナー、伝統産業商品開発アドバイザー

●代表作と最近の活躍
関西国際空港の初代ウエルカムボードのデザイン。
長野県善光寺の納骨堂の納骨壇の扉デザインの他、納骨堂のデザインは多数。
サッポロビールワインラベルなど、手がけたデザインは多数多岐に渡る。

●近況
2018年、秋、成願がデザインした金属製スマホケースが英国ウェールズ国立博物館に永久保管決定。
2018年、冬、和柄をテーマにした民放テレビ番組に解説者として出演。
2019年、春、ジョルジオアルマーニビューティー主催のイベント講師に招かれる。
2019年、夏、京都駅ビルのフォトスポット四箇所のデザインを手がける。
2019年、秋、京都高島屋のバイヤー向け『伝統文様勉強会』講師を務める。
2020年、埼玉県秩父市の招きで2日間に渡り講演会と伝統デザイン勉強会を開催。
2022年、NHKのテレビ番組『美の壷』に出演。

●近年はグラフィックデザイナー、壁面装飾画家、着物デザイナー、伝統文様研究家、伝統産業の商品開発アドバイザー、講演家として、テレビなどにも出演し、幅広く活躍中。  
著書は、和柄デザイン素材集を10冊以上執筆。総販売数は40万冊を突破。
また、著書の大人の塗り絵『和柄のヒーリングぬり絵ブック』(PHP研究所発行)は、累計6万5千冊を突破していまだにロングセラーを続けている。
成願の和柄デザイン素材集は日本中のデザイン事務所に、必ず1冊以上置かれていると言われている

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