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クリエイターが生み出すものは、おおよそ四つに大別できる。

クリエーターが生み出すものは、おおよそ四つに大別できる。

「単純明快」
「複雑明快」
「複雑難解」
「単純難解」

この4つは結果の分類であり、完成された物の属性だ。
私のようなデザイナーや職人が目指す最高の結果は「単純明快」だ。

だが、これが一番難しい。
そこにクリエイターにとって最も需要な「オリジナリティ」を込めるとなると至難の業となるからだ。
狙ってもできない偶然の産物的な要素の比重が重くなる。

さて
東京オリンピックのエンブレムデザインを比較すると、1964年のデザインが史上最高と言われる意味がわかる。

1964年のエンブレム『単純明快』
2020年のエンブレム『複雑明快』

一般的にプロと呼ばれる人達の日常の仕事の結果は「複雑明快」だ。

美容師、料理人、家具職人、デザイナー、建築家、染色職人・・・etc.
「複雑明快」の複雑さは、長年の修練と経験からもたらされる技術と知識が生み出す。
何よりも、結果が明快であることがとても重要だ。

これがプロならではの結果、いわば、「お金の取れる仕事」だ。

江戸切子と江戸小紋(型)

さて、伝統工芸での複雑明快の代表的な物の一つと言えば『江戸切子』と『江戸小紋』を思い浮かべる。

日本料理も「複雑明快」を代表するものの一つだ。

長年の修練がもたらす熟達した匠の技が生み出す。


アートの世界では複雑難解が一つのジャンルとして成立している。

ゲルハルト・リヒターの世界

アートと違い、デザインの領域では「難解」は物が大量に売れない理由となっており、
時々見かける「単純難解」のデザインは、もちろん論外だ。

成願義夫オンライン講座



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