おむすびスナックみたいなお昼
やっているかなぁ…、と思ってリッツボン。
新宿二丁目にあるおにぎりスタンドで、たしか週末だけ休むんだと聞いていた。それでやってきたらありがたいかな、営業中。
勝手知ったるおなじみさんがぽつりぽつりとやってきてなかなかにぎやか。
マダムひとりで切り盛りしてるから料理づくりに時間がかかる。けれど誰も急がずのんびり、ときに会話をたのしみながら待ってるムードがまたステキ。
ここではいつも「ニコデニコニコ味噌汁付き」。
おむすびニ個に卵焼きと唐揚げそれぞれ2個づつに今日の味噌汁をつけてください…、って注文。オキニイリはスパムのおむすび。もう一個はいつも梅をたのむのだけど今日のおむすびが「明太バター」。それにする。お味噌汁はトマトの味噌汁。野菜のピクルスがあれこれついてひと揃え。
海苔を袴のようにはかせた形のおにぎりです。
徳島の大野海苔の焼海苔で、歯切れがよくて香りもはなやか。
よぉく焼いてサクサクになったスパムのおむすびにはマヨネーズと胡椒がたっぷり。
オモシロイかったのが明太バターのおむすびで、味は明太スパのそれそのもので、なのに口の中にあるのはスパゲティーじゃなくてご飯というのがたのしくって思わず微笑む。
「これ、おいしいね」って言うとマダムが「あぁ、よかった」って答えてくれる。トマトの味噌汁の実はトマトだけ。割りほぐしながら食べると酸味と甘みが混じっておいしいのだけど「本当にトマトだけだね」って言ったら「余計なものを入れるのが好きじゃないの」と潔い。それにもしネギを入れたら「トマトとネギの味噌汁」って書かなっきゃ気がすまないのよネ…、って。
お店の中のみんながそれで大笑い。笑いをきっかけに会話の花が開きます。
もともとお店の中はごきげんな人が作り出すごきげんな空気で満たされていて、はじまった会話もごきげん。でも友だち同士のおしゃべりと勝手が違ってちょっと緊張しちゃう。ムードをこわさぬように話に耳をかたむけたのしく話を盛り上げる。
ひとつの話が別の話を引き出してどんどん話が広がっていく。ここはおむすびスタンドだけどまるでおむすびスナックみたいな気軽でたのしくごきげんな時間。
甘い卵焼きもボクの好みに仕上がった鶏の唐揚げもいつもどおりにおいしくて、春キャベツのピクルスもシャキシャキとして口の中を整える。今日はひさしぶりにたくさん喋った…、それが一番うれしくて、スナックのおじさんママをやってみたくなっちゃった(笑)。
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