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隣の国の中国料理、似ていて違ってでも似てる

隣の国、韓国。
日本にとって近いようで遠く、遠いようで近い。
似ているようでいて違っていて、まるで違っているようでいて根っこの部分が一緒だったりする不思議な関係。

料理の世界もそうで、例えば中国料理。
日本人好みのそれと似ているようで、まるで違った韓国式の中国料理の世界がある。

歌舞伎町に北京という店があって、中国料理の店なのだけど一風変わった中国料理のお店でずっと韓国系の人がやってた。
ここ10年は中国河南地方出身の家族でやってるらしいのだけど、韓国人好みの中国料理が揃ってる。
日本と違って中国と地続きの韓国です。
昔から血が混じり合うことは当たり前のコトだし、仕事、生活の交流も日常的。
韓国系の中国人もいれば中国系の韓国人もたくさんいて彼らが作る中国料理は本当に独特。

名物料理はジャージャン麺に海鮮ちゃんぽん、それから酢豚。
そしてそれらをそれぞれハーフポーションづつ仕切りのついた器にいれて提供するモノ。
ちなみに麺は入り口脇の麺打ちコーナーで伸ばして叩いて仕上げる麺。
韓国のフードコートに行くとこういう料理を出す店が必ずあって、どこも人気で流行ってる。
ひととき韓国に小さな旅をしてような感じがするのがオモシロイ。

ジャージャン麺と酢豚を選ぶ。
酢豚も韓国風にできてる。
韓国では「タンスユク」と呼ばれる透明な甘酢のあんかけをまとった揚げ豚と野菜の炒め物。
豚肉の整え方が日本の酢豚のぶつ切りと違って細切り。
それをガリガリになるまで揚げて、野菜は玉ねぎ、にんじん、きゅうり。パイナップルが入っているのも特徴。
生に近い玉ねぎの食感、辛味に熱の入ったきゅうりのクニュンとした歯ざわり、そしてみずみずしさ。
パイナップルのなめらかな甘みがたのしい。
ただあんかけのタレそのものは、ケホケホするような尖った酸っぱさがあり油まみれでずっと熱々。
甘くてちょっとたよりない味のジャージャン麺と一緒に食べるとそのケホケホがやわらぐ感じがまたオモシロイ。

ジャージャン麺にはスベスベの玉ねぎ。
煮込まれ脂がすっかり抜けた豚肉に甘い味噌のタレがたっぷり。
よく和え食べる。
手伸ばしの麺が不揃い、太いところも細いところも、丸い部分も平たいところもあったりするのが食べるところで食感変わる。
腰が強くてなのにのどごしいいのがたのしい特徴。

ただ最近では韓国系の人たちだけでなく中国系の人も多いのかテーブルの上に、なんでこんなに?って訝しくなるほど大量の麻辣タレが置かれてた。
一緒に黒酢も用意されてて試しにそれを入れるとまるでジャージャン麺じゃなくなって、でもおいしかったりするのがなんだかオモシロイ。
時代が変われば人変わり、人が変われば料理も変わる。
しょうがないけどそれもたのしい。
オモシロイ。

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