マガジンのカバー画像

サカキシンイチロウのおいしい手帖

424
おいしいお店。おいしい料理。 愛着があってずっとこのままでいてほしいなぁ…、と心から思える宝物みたいなお店や料理を紹介します。
運営しているクリエイター

2020年11月の記事一覧

冷麺のおかずに昼から肉を焼く

長春館でお昼を食べる。 新宿御苑の周りの並木もすっかり色づき、街は黄金色に輝くごとし。ペールギュントのソルヴェイグの歌をもじってそっと呟く。 春逝きて夏過ぎて、夏過ぎて。 秋も去て月経れど、月経れど。 きみが帰りをただわれは、ただわれは。 誓いしままに待ちわぶる、待ちわぶる。 あぁ、なんと今年の枯葉の儚く哀しいコト。 タナカくんと最後に来た焼肉の店がここだった。花見を終えていつものように蕎麦にしようと思ったらコロナで休業。他の候補も軒並み閉まって食いはぐれ、景気づけに焼肉喰

しゃぶしゃぶ専門店と寿司専門店のコラボな感じの食べ放題

夜は六本木の「八山」。六本木通りに面したビルの地下一階。 八山って書いてハッサンて読む。 しゃぶしゃぶも寿司も食べ放題。 雛鮨を展開している会社の経営だから、食べ放題の寿司も付け足し的じゃなくて寿司屋の寿司というのがありがたい、天国みたいなお店でここぞというときに使ってた。 ほぼ一年前に4人できた。 今年は3人。タナカくん以外は同じメンバー。ちょっとさみしく、でも彼の分までたのしもうって涙はなしで集まった。 飲み放題に和牛のしゃぶしゃぶだけじゃなく蟹のしゃぶしゃぶ、天ぷら

浅草でそば屋のはしご、玉子とじそばに並天丼

浅草雷門近くの「並木藪蕎麦」で昼にする。 開店同時に滑り込み座敷に座って昼を待つ。 隣にじい様、ばあさま、孫3人が座っててそのじい様が小学生とおぼしき男の子にずっと講釈を垂れている。 立ち居振る舞いがいいと、周りの人を気持ちよくさせ自分自身が信用に足る立派な人間のように見てもらえるんだ。 まず背を伸ばせ。食卓に肘をつくな、迷い箸などもってのほか…、とかなり厳しい。 聞いてるこちらも思わず座り直して背を伸ばしたら、おばあさまと目があってにっこりしながら会釈された。 そこな坊

クロワッサンとカフェオレで完成する朝

食べたいものがあって丸ノ内。東京駅に一番近い三菱殿のビルにカレーを食べに行こうと勇んで行った。 そしたら早く着きすぎて、どうしようかとウロウロしてたらビルの一階のヴィロンがうれしい、朝食営業。 フランス的なパンのお店で渋谷のお店にはよく行った。大きなお皿を何種類ものジャムやバターで汚しながら、焼き立てのクロワッサンにカフェオレではじめる朝は格別だった。 いつしかそういう朝ご飯がなくなって、残念だなぁって思った頃にできた東京駅の近くのこの店。 東京駅を眺めるテラスの東京的に

ツナメルトにピーカンパイ

いつもは朝にやってくる店。東京駅の八重洲口からまっすぐ広がるヤエチカの終わり近くの「バビーズヤエチカ」。 ピーカンパイを食べたいなぁ…、って最近ずっと思ってた。 それでぼんやり新宿のかつてパイホールがあった場所まで行って閉店してたことに気付いてがっかりした。 がっかりと一緒に思い出したのがバビーズで、機会があったら行かなくちゃってそれで今日。 近所で仕事のついでにこれ幸いとやってきてみる。 店の入り口の左側には大きなパイ用のショーケース。そこだけみるとパイの専門店のように