マガジンのカバー画像

サカキシンイチロウのおいしい手帖

428
おいしいお店。おいしい料理。 愛着があってずっとこのままでいてほしいなぁ…、と心から思える宝物みたいなお店や料理を紹介します。
運営しているクリエイター

2020年2月の記事一覧

麺の形をしたあんかけスープ…、的頂上麺

おきにいりの頂上麺。 お店の前で手を消毒し、案内された席の目の前が厨房で昔からいる調理スタッフが一心不乱に鍋を揺すって料理を仕上げる。ちょっと体が分厚くなった?って思って自分の腹を見る。こっちも分厚くなりました(笑)。 いつもはフカヒレあんかけ焼きそばをたのむのだけど、今日はひさしぶりに土鍋煮込みそばがたべたくそれにした。 土鍋の中でグツグツ煮込まれ、細かく沸騰しているスープの香りがおいしい。麺は細くてストレート。分厚い土鍋が蓄えた熱がずっとスープを温め麺に熱がはいってく。

てんぷら山の上。氷蔵庫をながめながら和朝食

ひさしぶりに山の上ホテルの山の上で和朝食。 稀有なホテルです。部屋数は80もない。にもかかわらず飲食施設が6軒もある。フランス料理の店から日本料理に中国料理、コーヒーショップにバーとフルラインナップでどの店もそれぞれ評価の高い店。 昔から文筆家執筆のため缶詰になるので有名で、もしボクが分筆で名を成しここに缶詰になったとしたら、食べてばかりで筆が進まず絶対太るに違いない(笑)。 中でも日本料理の「山の上」は天ぷらの名店の誉高き店で、ここ出身と名乗ることは特級のお免状持ちの天ぷ

美松のはなれでおむすびを2個

朝に続いて池袋で昼。「美松はなれ」にやってくる。 好きな店です。オキニイリ。 近所に本店の「Teishoku美松」がある。メニューも豊富な定食店でこの離れはおむすびがメインと役割分担が決まってた。 ところが今月末で本店が閉店。はなれに合流してココがあらたなTeishoku美松になるんだという。 窓が大きく空気が明るいこのお店。おむすびのテイクアウトコーナーもあり、その分、厨房が大きく広くて空間のびやか。 カウンター席だけのお店で、座ると調理の様子が見える。自分が食べる料理が

鮨いしかわで冬の海を堪能する

おいしい寿司を食べたくて新宿西口にある「いしかわ」にくる。 上等な寿司の店です。 職人ひとりが命がけでやってる小さな高級寿司店がもてはやされる。 握り手と一対一の真剣勝負をするような、カウンター一本の濃密な空間で食べる寿司はたしかにおいしいに違いなく、でも今の気分はもっと気軽におだやかに、緊張しないでおいしい寿司をたのしみたい。 この店の特徴的な空間が、そんな気持ちにしっくりとくる。 正方形のLの字2辺がカウンター。そこに面して握り場があり、その内側に小さな厨房。炭がおこっ

豚汁はとんじるなのかぶたじるなのか…。

新宿の「王ろじ」。 とんかつという料理が生まれた日本の洋食黎明期からずっと今に続く店。 創業大正10年です。 西暦1921年。あと二年で創業百年。 お店の脇には「昔ながらのあたらしい味」とかかれた看板があって、言うのは簡単。けれどそれを実践するのはむつかしく、そのむつかしいことをやり続けたからまもなく100年ということなんだ…、としみじみ思う。 厨房が目の前にあるカウンターに座って料理を待ちます。 ご主人がとんかつを揚げ、奥さんが料理の進行や出来栄えをチェックしながら確実