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サカキシンイチロウのおいしい手帖

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おいしいお店。おいしい料理。 愛着があってずっとこのままでいてほしいなぁ…、と心から思える宝物みたいなお店や料理を紹介します。
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2020年1月の記事一覧

ボクにとって一番おいしい焼き鳥丼。伊勢廣の五本丼

銀座の昼。無性に焼鳥丼が食べたくなった。 実は焼鳥ってあまり得意な料理ではない。鶏らしい鶏肉の匂いや味の癖が苦手で、だからすすんで焼鳥を食べに行こうとは思わない。 だから焼鳥丼を食べたくなるのは稀なこと。 唯一、たまに食べたいと思い出すのが京橋にある「伊勢廣」というお店の丼。銀座にたしか支店があった。何度も店の前を通ったことがあり、試しにそこに行ってみようと思って訪ねる。 ビルの2階にある店です。階段口にランチのメニューがたっていて、みるとなるほど。京橋の本店とほとんど同じ内

中華そばとカツ丼が自慢の食堂…、という岡山のやまと

岡山で夕食。好きでしょうがない店にくる。 「やまと」という店で、「中華そばとかつ丼が自慢の店」という謳い文句の小さなお店。 家族でやってるお店です。だからいつ来ても同じ人に会えるのが安心できてしみじみうれしい。愛想なしだけど時折見せる笑顔がかわいい父さんと、いつもニコニコしている息子さんが厨房を守ってて、おそらく息子さんたちの工夫でしょう…、ここのウェブサイトがものすごくよくできている。 ニュースがタイムリーにアップデートされ、人間味を感じさせる内容でもありしかも通販をし

かやくご飯に鯛の子、なんばの大黒

大阪で昼。なんばの「大黒」。 かやくご飯がおいしい店で、営業がはじまる前に近所を歩いた。そしたら出汁の香りとカラメルっぽい焦げる匂いが表通りまで漂っていた。 ご飯が炊きあがって蒸らしに入る直前の煮えばなの香りだったんでしょう…、お腹がなった。 仕事をすませて店に飛び込む。いつも変わらぬおいしい出汁の香り混じりのおだやかな空気が漂う。ホッとする。 いつもはかやくご飯の「小」をたのむ。 もっと食べたいと思う寸前で箸をとめるのがおいしい余韻をたのしむコツ…、と思ってずっとそうして

銀座のざくろ。大人気分のお手軽定食

銀座で昼。上等なランチをたのしましょう…、と「ざくろ」を選ぶ。 いつきても気持ちいい店。 手入れの行き届いた重厚な民藝風の店の設え。それを重々しく感じさせない、さわやかで軽やかな着物スタッフのおもてなし。 彼女たちの仕事を的確なものにするためのサポート役の男性スタッフと、お店につとめるすべての人が一丸となって心地よい時間を作って差し上げようという心意気がボクは好き。 銀行ビルの地下にある。 エスカレーターで地下フロアに降りると空気がじんわりざくろの空気に変わっていくのにウ

中国飯店で上海蟹と戯れる

今年一年、全身全霊を傾け頑張るエネルギーをもらいましょう…、と中国飯店でこの季節ならではのゴチソウ食べる。 まぁ、冒頭の一節は贅沢に過ぎるゴチソウを食べるための言い訳でしかないんだけど、今食べておかないとまた一年ほど食べることができないゴチソウ。 上海蟹を心置きなくたのしむためのおいしい言い訳。 おまかせのコースをお願いしておきました。 テーブルの上には蟹の殻を捨て置くための大きな壺。紹興酒をオンザロックで、お供に中国の緑茶の龍井茶をポットでもらい食事をゆったりスタートさ