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オモイデ

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2020年9月の記事一覧

高島屋の随園別館、五目焼きそば、水餃子

新宿タカシマヤの中にある「随園別館」。 随園別館新宿高島屋店というのが正式名称で、本館なき別館が続々とお店を増やしているという不思議な状況。 ボクにとっての随園別館は、新宿の2丁目といういささか猥雑な大人の街にあるお店。 夜はいつも騒々しいほどににぎわっていて、みんなたのしく酒を飲んで料理をつまむ…、とそんな店のイメージばかり。 そんなお店が百貨店に出店した。 しかも薔薇のマークの高島屋。本当にいいのかってびっくりしました。今ではすっかりこのフロアに溶け込んで、人気を集

丸いサラダに四角いピザ、銀座シシリア

ひさしぶりに来てみたかったお店でお昼を食べましょうか…、とイタリア料理の「シシリア」にした。 四角いピザで有名な店。 ボクがしばらくいた鎌倉の駅前にあった「ランプポスト」ってお店のピザも四角くて横浜にも数軒、四角いピザのお店がある。 曰く…、横浜のピザ屋はアメリカの海軍出身のシェフが多くて、船の小さな厨房でなるべく大きなピザを焼くにはオーブンの天板隅々を無駄なく使える四角がいいからという説がある。 アルザス地方のタルトフランベも四角い生地で、けれど船の厨房とは関係はないか

ベルクでね、ビールを飲んだよ…、サンドイッチをお供にして!

連休明けの朝。ベルクに来ます。 カウンターやテーブルに透明仕切りがおかれていたり、テイクアウトの料理や食品が今まで以上におかれてていたり。まだまだ通常モードというには随所に窮屈を感じる。 けれど、メニューは昔どおりだし、お店の人のムードも明るくて気持ちがのびのびするのがうれしい。 今日は23日。 5回目の月命日で、空の上からタナカくんがビールを飲みたいってねだったような気がした。それでハーフアンドハーフをまずたのむ。 お供にマイスターハムアンドケーゼサンドイッチを選んで添

飲み、喰らい、逝きし人を想う…。

中野の第二力酒蔵にくる。 タナカくんがこの上もなく愛した居酒屋。 そしてタナカくんはお店の人気者だった。だっておいしそうに食べて飲んで笑うんだもん。 気さくなお店のおばちゃんたちが「まりおちゃん、ひさしぶり」「まりおちゃん、何食べるの?」って近づいてきて、だからこの店ではボクは彼のオマケみたいな存在だった。 昼の2時開店。早い時間にいくと近所のじいちゃんたちが魚を肴に日本酒をちびりちびりとたのしんでいる。 年とって残り少ない時間を、こんなところで無駄遣いするのってなんて贅沢

あと一週間で終わる店…、思い出深し。

新宿西口のメトロ食堂街。閉鎖されてしまうまでになるべく何度もきてみよう…、と思って来てみる。 思い出深いお店はつな八、万世、永坂更科布屋太兵衛に高野フルーツパーラー、追分団子。先の3軒にはイートインと食堂があるから全部で8軒。いやいや、万世にはラーメン店もあるから9軒。来がいがあります。 今日はつな八のイートインにやってくる。しばらく商品が一種類だけだったのだけど、うれしいかな、上天丼がメニューに戻った。 穴子の天ぷらが入った天丼。穴子はタナカくんが本当に好きなネタだったか

文明堂カフェのフレンチカステラ

銀座のメルサの一階に文明堂のカフェがある。 高い天井。大きな窓の外には銀座の町並み、通りを行きかう人の姿が大型スクリーンに映し出されるみたいに見える。 教会のステンドグラスのようにみえる壁一面の壁画も見事。 のんびりします。 昔、うちではカステラをバターで焼いて食べていた。旨いんだよぉ…、って言ったら長崎出身の彼が、カステラ自体が贅沢なモノなんだかそんなことをしちゃバチがあたるよ…、って怒ってみせた。 それである朝、おめざにバターで焼いたカステラ作って特濃ミルクと一緒に出

昭和のプレート、大人のお子様ランチなり

腹ぺこなのに、2人でどう考えても何を食べればいいのかわからないようなときってたまにあるもので、そんなときによく来てたのが「はやしや」って店。 新宿のスタジオアルタの裏側の、三平ストアっていうディスカウントショップのビルの中にある。 昔は三平食堂ってなのってて、いつからだろう…、はやしやって名前になった。 林家三平師匠にちなんで…、って後でわかって洒落っ気があっていいじゃないのって思ったりした。 洋食系の料理ならとにかくなんでもメニューにあって、ファミレスらしい店の少ないこ

プリンのチェリー

伊勢丹に来たらプリンを食べておこう。 メンズ館にあるリジーグでオキニイリのプリンをたのむ。 週末ということもあって店はにぎやか。 しかもメンズ館の中にあって、お客様はほとんど女性。少数派の男性はほぼご婦人に連れられやってきました…、って感じが漂う。 おいしいものとおしゃれな買い物はやはり女性がリードしている…、そんな感覚。オモシロイ。 プリンとたのんで今日はアールグレーのお茶をお供にたのしんだ。 洋白製の足高の器にはいってくるのがまず目においしい。 昔、上等な洋食屋さん

まもなく閉店、なつかしや

新宿のメトロ食堂街もあと一ヶ月ほど。 フロアい向かう階段に閉店告知が書かれて、やっぱり本当なんだと感じる。 今日はどこに行ってみようか…。 長い間、行ってなかった万世麺店にしてみよう。 昔はすごく好きだった。 ラーメンという食べ物にあまり執着がないたちで、ラーメンマニアの人たちが行くような店には縁がない。 ただラーメンのようでいて、ラーメンの枠に収まらないスープ麺は大好きで、例えば担々麺。 例えば香港式の雲呑麺。 牛肉麺に排骨麺と、昔からそういう店は好きだった。 ここは昔から

ミニ炒飯に木須肉

有楽町の交通会館。普段使いがたのしい実力派の飲食店の殿堂のようなビルの地下に交通飯店って言う中華料理の店がある。 昔は「桃園」って言う長崎ちゃんぽんの滅法旨い店があって、そこにしようかここにしようかとかなり迷った。 二人ともデブだからお腹と背中がくっつくようなことはありはしないけど、お腹と背中がくっつくほどに腹ペコのときにはここを選んだものです。 炒飯が旨い。人気の料理でほとんどの人がミニ炒飯と好みの料理のセットをたのむ。 ひさしぶりにと勇んできたら開店前についちゃって、入

再生

少年の詩

創業者である父を支える立場で頑張っていた会社がどんどん駄目になっていく。ここままだった絶対に潰れてしまうに違いなく、それで父と戦ったのだけどいつも負けちゃう。父と戦うということは古い体質の外食産業や古い価値観の経営者たちと戦うということであって、それはそれは大変な戦い。 負けても負けても次の戦いに向かっていかないと会社どころかボクの人生も台無しになっちゃうわけで戦う気持ちを鼓舞しなくちゃいけない。でもしきれないかなぁ…、と思ったときにタナカくんをカラオケに誘ってこれを歌ってもらってた。 元気が出るんだ…、彼の歌はなにかに向かって驀進していくようなエネルギーがあって元気が出た。 ♪ ただこのままじゃいけないってことに気づいただけさ。そしてナイフをもって立ってた ♪…、って下りで思いっきりうなずいていた。 ♪ 少年の声は風に消されても間違ってない ♪というところも好きだったなぁ…。そして最後に「いろんなことが思い通りになったらいいのになぁ」って歌い終えると大声で「がんばれ!」って言ってくれるからボクも「がんばる!」って叫んでいつも手を強く握り合ってた。 結局、ボクの持ってたナイフじゃ何も壊せなくって、会社は潰れた。それからしばらくは歌いきにもなれなくって、この歌のことも忘れていたけどいろんな縁とちょっとした運で別の仕事が再開したとき、彼がひさしぶりにカラオケに行こうっていって、一曲目にこれを歌ってくれたとき、あぁ、この人がいてくれてよかったなぁ…、って思った。そんな歌です。今でも聞くと泣けてくる。

マヨネーズは業務用

さて朝ご飯。「飲食笑商何屋ねこ膳」にやってくる。 24時間営業の定食屋さん。花園神社の脇にあり、歌舞伎町の入り口という場所でもあるから24時間、必要とする人が必ずいるというワケ。 いろいろ便利でよく来ていた。 オキニイリは「ねこ膳ミックスからあげ定食」。 チキンカツにウィンナフライ、じゃがいもコロッケに唐揚げがつくという揚げ物天国。 人を太らせることを目的にこの世に生まれ落ちたような料理でうれしいことにほとんどの料理が二切れ、あるいは2個のっかってくる。だからひとつたのん

よき脇役があってこその主役

花彫酒家に来てみたくなる。 新宿三丁目の路地にある小さな中国料理店で、タナカくんが見つけてきた店。 15年くらい前のことかなぁ…、2人の間で坦々麺がちょっとしたブームになってた。それもぽってりスープの濃厚系。実はすごく気に入っていたお店が銀座にあったのだけど、香港資本のその店が撤退しちゃってしばらく担々麺ロスに陥っていた。 そんなときに、彼が興奮した面持ちで絶対好きな担々麺だから行ってみようよ…、とボクを誘った。 勇んでいくと想像以上に小さくて、場所も雰囲気も場末感が強烈