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おいしい食べ物、たのしい食べ方

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おいしく食べてやろう。 たのしんでやろうと思うと、いつもの料理、いつものお店も違ってみえる。 飲食店を嫌いになるのはもったいない。
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2020年4月の記事一覧

ミルクレープという食べ物

ミルクレープという食べ物。 なぜこんなにおいしいんだろう…、と理由を考える。 やわらかい。 けれど完全にやわらかいかというと、クレープ生地そのものはハリがあって歯ごたえもあり、ホツホツ、奥歯のところで砕ける感じがしたたか残る。 けれど薄くて、その食感を間に挟んだクリームのなめらかさを邪魔しない。 邪魔しないばかりかクリームのぽってりとしたなめらかな感じを、クレープの生地が引き立てる。 断面を見ると圧倒的に量が多いのはクレープ生地のはずなのに、口が感じる印象はなめらかなクリーム

前歯をくすぐり、口をぽってり満たす朝

昨日はちょっと夜ふかしをする。にもかかわらず今朝は早起き。これ幸いとほとんど無人の町をのんびり散歩する。 ついでにドトールコーヒーで朝ご飯。 四谷三丁目の交差点近くにあって、ボクにとって特別な店。 どんなことがあっても同じ状態を守り通そうと努力している気持ちいい店。お店の人はここ10年以上ほとんど変わらず、笑顔明るく手をおしまない。他のお店がサンドイッチを切らずにバーガーペーパーに突っ込んだままで提供していた時期にも、律儀に切り分けお皿に乗せて提供していた。そういうお店。

立喰そばはどこまで自由になれるのか?

小山の駅で一息。 湘南新宿ラインの上り電車が発着する、ホームの真ん中に立ち食いそばの店がある。 「きそば」という名で、おいしい匂いがホームいっぱいに漂っている。 この駅の乗り換えダイヤはデブには厳しく、必死に走ればなんとか乗れる電車がある。昔はそれに乗ったときの達成感が好きで走っていたけれど、一度足がもつれてあえなく、もう二三歩のところでドアがしまって行った。 ドアの内側で言うに言えぬ哀れみを帯びた表情で、ボクを見ていた女子高生の顔が未だにお頭を離れず、それで今ではのんびり歩

ステーキとは歯ごたえをたのしむ料理

昼、新宿三丁目界隈でランチをとろう。 鼻をクンクンさせながら歩いているとおいしそうな看板発見。 ステーキとハンバーガーのお店らしく、ランチはステーキがウリになってる。みすじにチャックアイと赤味の肉を焼いてるようで、肉が好きな人が作っていそうだなぁ…、と感じて2階に上がる。 こじんまりとした居心地のよい店。ブース席があったりしてアメリカのダイナーレストランみたいな造り。メニューをみるとステーキの他にハンバーガーやサンドイッチが豊富に揃い、そういう料理がおいしくたのしめる雰囲

色黒のとんかつ、色白のとんかつ

赤坂で朝の打ち合わせ。そして昼をとんかつ。「末吉」に来る。 オフィスビルの一階。ちょっと奥まったところに入り口があって、窓が大きく明るいお店。 カウンターが奥に向かって一本あって中がキッチン。キッチンの反対側にはテーブル席が並んで奥にも大きなホール。 カウンターに一席もらう。時節柄でしょうか…、お店は静か。ただお弁当のテイクアウトが案外人気のようで、ひっきりなしにお客様がやってきて予め注文してあった料理を持って帰ってく。 ちなみにこの店。明日11日からしばらく休業。 本当は

麺よし、汁よし、天ぷらよし

町は静かになりました。 朝、目が覚めて音がしないのにびっくりし、表にでたら人影まばら。 年末年始の静けさに似て、気持ちがひんやりしてしまう。今日は仕事で赤坂で、通勤ピークをさけて空いた地下鉄に乗る。 テキパキ仕事を済ませてそのまま昼食にする。 「観世水」という蕎麦の店。 小さなビルの地下一階。入り口は開けっ放しで空気の流れを作ってて、開店直後ということもあり店は静かでホッとする。 近所に娑伽羅という姉妹店があって、そちらの方には天丼をはじめとしたご飯物もある。だからいつもど

歩けるところにご馳走のあるシアワセ

テクリテクリと歩いて新宿。三丁目で仕事を終えて、夕食用の食材の買い出し。 伊勢丹の地下は平日の昼前ということもあって静かではある。 けれどレジに行列ができるのですネ。スーパーマーケット式の集中レジは効率的で便利だけれど、緊急事態には対面販売の売り場の方が安心できる。 ちなみに半年ほど前にできた自分で買ったものを袋に詰めるセミセルフレジは行列少なく、フルサービスのレジはスゴイ混雑。密度が高い。なんでそんなにサービスしてもらうことにこだわるんだろう…、って不思議に思う。 セルフの

飲んで笑って、〆までおいしいどすこい四文屋

たのしい一日の〆を「どすこい四文屋」で。 本当は寿司をつまみたかった。立喰の寿司屋をのぞいたり回転寿司を目指したりとするも、土曜日の夜の新宿の人出は不思議なほどに多くて目当ての店はどこも混雑。 歩き回ってすっかり体が冷えちゃって、ならばもうちょっと飲んで最後に寿司でもつまもうとここを覗いた。なかなか気軽に入れぬ人気の店なんだけど、ちょうどお客様の入れ替わるタイミング。四人席がぽっかりあいて、そこにスルッとすべりこむ。 「どすこい」と店名にある通り、力士出身の調理人が腕をふる

はしごにうれしい博多の餃子に博多のラーメン

新幹線で博多に到着。明日の移動に備えて一泊。 到着したのは夜10時過ぎ。腹ごしらえをと、ホテルの近所の餃子のお店。 「旭軒駅前本店」という店にくる。 登録商標「餃子の店」とある。その名に恥じぬほぼ餃子だけのメニューに自信があらわれている。実は2軒隣に餃子の王将があるのだけれど、我関せずの余裕の営業。50席ほどの餃子専門店としては大きな店がほぼ満席。 カウンターの端の一席をもらってたのしむ。厨房の中が丸見えで、テキパキ餃子が焼かれていくのに喉がなる。 10個で一人前という

センレックナームにパクチー大盛り

東京駅ナカの小さなバンコク。マンゴツリーキッチンで小腹を満たす。 もともとガパオライスの専門店としてスタートした。入り口にショーケース。売られているのがガパオライスやグリーンカレー、春雨サラダやトムヤンクン味の唐揚げと、最近、百貨店なんかにも同様の売り場ができて、パッケージなんかも洗練されてる。 それらをお皿に盛り付け直しイートインとして提供する。 ちょっとした未来の外食を体験することができるところがおもしろく、ただ、それだけではレストランとしての集客が厳しかったのでしょう