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家電量販店での体験で想像したサジェスチョン機能のこと

要旨

外出自粛要請により、何か月も自宅付近での生活を過ごしてきたわけだが、緊急事態宣言も解けたため、久しぶりに駅前の家電量販店に出かけてみた。その時に感じた「リアル店舗(家電量販店)で物を買う」時の体験を書く。「あなたにとって最適な商品はこちら」という(売り手が売りたいものを押し付けるのではない)真のサジェスチョン機能は、オンライン・オフラインに関わらず求められていて実現してほしい。社内情シスにもそういう機能に需要がある。

駅前の家電量販店に行ってみた

外出自粛中は、いつも以上にネットショピングをよく使っていた。特に書斎部屋を作るための家電機器などを細かく購入していた。

今回、スイッチングハブとLANケーブル(カテゴリー6A、15mと1m)をその日に手に入れたかったので、家電量販店に行くことにした。人が多く集まる場所をとても警戒していたので、名古屋駅まで出てきたのはひょっとすると3ヶ月ぶりくらいだったかもしれない。

店頭で探し物が意外と見つけにくい

店に来たのだが、フロアが広く、自力で場所が見つけにくい。よく売れる商品ではないのでしかたがないが、それにしてもわからない。サプライ用品の付近を数分うろつくが、案内が少々不親切なのか、見つからない。

店員らしき人を見つけて声をかけた。量販店名の制服の人が見つからないので、メーカーのヘルプ(PC周辺機器メーカー)らしき人に声をかけるしかなかった。

私「スイッチングハブはどこでしょうか?」

心配していたとおり、私の問いかけに即答できなかった。それより、折り返しの私への確認の内容が少々意外なものだった。

店員「何にご利用でしょうか?」

私「いや、ネットワークのハブ・・・・」

という、よくわからない逆質問がきた。スイッチングハブを、何かの用途別にフィルタして、売り場を分けて展示しているのか?もしくは、スイッチングハブが何かを知らなかった?もし後者だとした時に、いくら、メーカーのヘルプとはいえ、パソコンフロアに、そのスキルの人を配置するのはどうかと思った。これはヘルプの人個人を責めているのではなくて、こういう人を配置しているという家電量販店のほうに問題があると感じた。

欲しいものは、ネットのほうが見つけやすい

細かいことはいろいろあったが、けっきょく、自力で探し回り、目当てのものを見つけることができた。

そして、(今更ながら)家電量販店での買い物について私の中で出た結論は以下。

・品数が多いのはメリットでもあるのだが、その大量の物を見つけやすくする配慮にかけている(もしくはお金をかけられない)ために、探しものが見つけにくい

・ネットで買ったほうがあきらかに早いし、楽だし、ストレスもない。納期を待てるなら、買うものが決まっているならネットで買う。

・メーカーのヘルプの店員が製品知識もなく、展示場所も答えられないようであれば、もっと店頭の人を減らしていい。むしろ、スマホのアプリで柱の番号を出してくれればそれでいい

家電量販店の社員は少人数で手が回っていない。不満というよりも、ネットショップに軸足を移している結果、リアル店舗にコストをかけられず、そのためにユーザ体験を下げているだけのこと。ユーザ体験を上げることの優先順位が一番ではなく、会社の売り上げが第一であるだろうから、結果的にこうなってしまっているのはしかたがない。ただ、昔の時代の家電量販店を知っているので少し残念な気持ちにはなった。

今、家電購入時に求める機能があるとすればコンシェルジェ機能

今回の私の買い物のケースとは異なり、やりたいことが先にある場合はどうか(買う商品が決まっていない場合)。

「今の自分に本当に最適なのはどの商品を買うことか」を、さまざまな情報を総合して、おすすめの商品をズバッと出してくれる機能が本当は欲しい。ググっても出てくるのは大勢向けの情報であり、自分ベストではない。

amazonのレビューもあてにならない。頼りになるサジェスチョンを出せる人やサービスが欲しい。

家電量販店でやるのは難しいかもしれない。その人にどのメーカーのどの機種がマッチするかよりも、家電量販店として、今、何を売りたいかが勝ってしまう可能性があるから。いずれにしても、今の家電量販店は、お客にサジェスチョンすることをあきらめているようにも見えるのだが。量で稼ぐほうに舵を切っているとしか思えない。

かつて家電量販店には家電販売の職人がいた

20年前、30年前は、だいたいどの家電量販店にも「家電職人」と呼べるような(家電販売の)プロが店頭にいた。フロア長レベルの店員と顔見知りになっておくと、割引もしてくれて、自分にとっての最適な選択もサジェスチョンしてくれて、サポートも手厚かった。そうなると私は常連客となり、多少、他店との値段の差があることがあっても、その家電職人のいる店舗で買おうという気になり、そうしていた。

もう時代は変化した。あの頃に戻れば良いとも思わない。ただ、「今の自分に本当に最適なのはどの商品を買うことか」を教えてくれる人の存在は今も求められている気がしている。

数年後の家電量販店はどうなりそうか

家電量販店の店舗は、無人化/倉庫化/自販機化していくのではないか。たしかに実物を触ってみたい製品はある。サイズ感、重量感、質感など。ただそれも、ARなどの技術で補完されてくると、「リアルで触れてから買うこと」をあきらめられるものがさらに増えて、ますますネットショップの比率が高まり、リアル店舗が今のカタチでは維持できなくなっていくだろう。公衆衛生上の配慮にも家電量販店側の維持コストは跳ね上がるわけだし、この流れは加速する可能性がある。

仮にそうなったとしても、「今の自分に本当に最適なのはどの商品を買うことか」を知りたいというコンシェルジェへの需要はなくならないだろう。

いったんは、人間がチャットなどでサポートをしつつ(移行期間)、その後、段階的にAIに置き換わっていく、と今は予想している

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社内情報システムにも必要なコンシェルジェ機能

家電量販店のことから、社内情報システムのことを想像してみる。

社内情報システムのことを広範囲で把握している、精度の高いコンシェルジェの存在が求められているように思う。常日頃から社内情報システムを使ったサービスがわかりやすく整理できていればいいのだけれど、実際はカオス状態になっていて、ユーザがやりたいことに対しての実現手段をわかりやすく表現、提示できていない。ユーザに寄り添って、ユーザが望む「その社員が今望んでいる最適な手段」をサジェスチョンできる仕組みが必要だ。

まとめ

家電量販店におけるリアル店舗での体験から、その運営の難しさ、今後の予想などを書いた。個々のお客にマッチするものを今は提案できておらず、サジェスチョン機能を実装することが求められると思うし、私は欲しい。家電量販店からは独立した会社が運営するサービスでも良いと思う。

社内情報システムも、カオス化しており、社員がやりたいことをどうやって実現すればいいかの提案力(コンシェルジェ機能)が弱い。情報システムを整理し、わかりやすく分類でき、社員ファーストなユーザインターフェースで提供できていればコンシェルジェ機能など必要ないが、そのゴールまで全く到達できていない。どの情報システムを使えばいいか、誰に聞けばいいかを「探す」時間を減らす機能は直近で求められている。

以上。

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