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しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

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四十の手習いで日本舞踊を始めたしがない勤め人が、国立文楽劇場で藤娘を舞うまでをノンフィクションでお届けします。
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#お稽古

【前口上】しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

2021年夏。 しがない勤め人のわたくし、国立文楽劇場で藤娘を舞わせていただきました。 身の…

【第一話】演目は突然に|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

演目は突然告げられる「来年の舞台の曲、決まりましたよー。”藤娘”です!」 2019年初冬のお…

【第二話】舞のお稽古とインストラクショナルデザイン|しがない勤め人、国立文楽劇場…

舞のお稽古方法は実に理にかなっている。数年前、早稲田大学のオープンカレッジで”教える技術…

【第三話】お稽古歳時記|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

春と夏におさらい会がある前話の最後に、 「3月中に藤娘を、そこそこ仕上げなければいけない」…

【第四話】新型コロナでなにもかもふっ飛ぶ|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞…

はるの会、延期となる今や「あーまたか、はいはい」な緊急事態宣言であるが、 初発出の2020年…

【第七話】黒髪(地歌)で藤娘(長唄)の足固めをする|しがない勤め人、国立文楽劇場…

地歌?長唄?何が違うの?2020年、藤娘の舞台出演が延期になってしまった私。 空白の1年は、な…

【第八話】2020年夏、ゆかた会の開催は如何に|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

ゆかた会の開催をするか否かは、ギリギリまで決まらなかった さて、黒髪。 春からオンライン稽古とリアル対面稽古を重ねること数ヶ月、 そろそろゆかた会(夏のおさらい会)が視野に入ってき・・・ 「うーん、どないかなー、どないしよかなー」 悩ましげなおっしょはん。 2020年夏。緊急事態宣言は解除されたものの、まだまだ予断を許さない状況。 文化芸能系イベントはすべからく中止・延期・無観客配信の嵐であった。 そして8月中旬。 「来月やります!ただし無観客!配信はしません」

【第九話】2020年秋、藤娘はどうなった?!|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞…

地歌アゲインでさらに基礎固めさて、2020年9月。 ゆかた会(おさらい会)も無事終わり、 次な…

【第十話】縁の綱、小道具に悩まされる|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

傘を室内でさすという困難。さて縁の綱。小道具は傘。 お稽古場では全く問題ないが、ささやか…

【第十一話】お稽古場は門前の小僧システム|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞…

お稽古場にいる時間そのものが学びとなる待合、というのだろうか。 お稽古をつけてもらう部屋…

【第十二話】えっ?!縁の綱、そんな話やったんですか…|しがない勤め人、国立文楽劇…

地歌は言葉あそびがたっぷり。ちゃぶ台エリアでひと休み中のおっしょはんにお話しを伺うのも稽…

【第十三話】2021年春、おさらい会の開催はいかに?!|しがない勤め人、国立文楽劇場…

逆境の中、おさらい会も進化する2021年になっても新型のアレはまだまだ落ち着かず、 エンター…

【第十九話】舞台出演は最強のチート?!|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

舞台に出ると三倍速でうまくなる、らしいで。ようしらんけど。 そもそもなぜ私は、舞台に出る…

【第二十話】扇は万能ツール!|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

藤娘は小道具が多い。 ・黒い塗笠(かぶったり、手に持ったり) ・藤の枝 ・三段笠2個(三枚笠とも言うらしい) しかし、小道具に振り回されて身体の動きがおろそかになるのは本末転倒。 まずは小道具なしで動きを身体にたたきこむ。 そうはいっても手ぶらではなんなので、 舞扇(まいおうぎ)を小道具にみたててお稽古をする。 舞扇は扇子(せんす)よりだいぶ大きい。骨も、貼られている紙もしっかりしている。 たたんだまま持てば、藤の枝。 広げたら、塗笠。 両手に持つと、三段笠。