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【第十話】縁の綱、小道具に悩まされる|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

傘を室内でさすという困難。

さて縁の綱。小道具は傘。

お稽古場では全く問題ないが、ささやかな賃貸暮らしの拙宅では大問題!

特に大きな傘というわけではない。雨の日にさす洋傘と大差ない。

が、皆様はご自宅内で傘をさしたことがありますか?
自室で開いた傘を床に置き、自分を中心に一周転がしたことがありますか?
海は死にますか?山は死にますか?<落ち着け自分

傘をさせば照明のカサにぶつけてガッシャーン、
転がせばタンスやフスマにドッスーン。

あかん、せっかく買った傘壊れてしまう・・・そうだ!

ねえねえ、私の部屋の電気、天井にペタッとはりついてるやつに変えていい?

それ天井いじるからダメ。大家さんに怒られる。これでどう?

家人は照明のカサを外し、何やらもそもそした後、電球を天井に直結した。


えー、なんかビンボくさいなぁ。

なにを言っているんだ、我が家はその通りじゃないか。これで問題は解決しただろ?

若干不満は残るものの、垂直方向の問題は解決。
さて水平方向はどうしたものか・・・

そうだ!

部屋と廊下の間の引き戸を外してみる。

おお、これは!廊下までわたしの部屋ではないか!
和室ってすばらしい〜

こうして、どうにかこうにか自室でのおさらいができるように。

ん?「地歌舞は畳半畳で舞う」って聞いてたんだけどな、おかしいな・・・

(続く)

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