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終戦記念日に寄せて

77回目の終戦記念日が来ました。今年も暑い日でした。

第二次世界大戦後、それまでの直接的な軍事力による戦争での決着を回避しようと、様々な国家がかかわる機関や約束事をつくる努力がなされてきました。
しかし、国際社会では80年前と全く変わらず、各国がそれぞれの国益を求めて、まさしく仁義なき戦いが続いています。
そして今年は、ロシアのウクライナ侵攻が、いとも簡単に始められてしまいました。中国も台湾進攻の意思を隠そうともしていない状況です。第二次大戦後の試みが放棄されたとも言えるのではないでしょうか。
ウクライナにしても台湾にしても、現状を維持しようとすることがロシアや中国の要求とは絶対に相容れないことを意味しています。要求が認められなければ、今回のウクライナのように一方的に攻め込まれてしまうわけです。
いくら「話し合いが大切だ」と主張しても、全く意味を持ちません。話し合いを否定しているのではありません。まず、そういう状況があるという「客観的な情勢判断」が求められていると思っているのです。
そしてその上でどうするかが肝心なのです。
「自衛隊があるから隣国を刺激する。違憲である自衛隊は無くすべきであり、その上で話し合いの平和外交を行えばよく、防衛費は要らない」という立場の方々がいらっしゃいます。これは現実離れしており、こういうスタンスの方々に実際の政治を任せるわけにはいきません。
先述したように、各国はそれぞれの国の利害で動くのです。総合的にプラスと判断した方に動くのです。
当初、ロシアはウクライナ侵攻が一週間で終わると考え、そのコストと傀儡(かいらい)政権樹立のパフォーマンスを考慮して侵攻をスタートしていたわけで、もしこの決着がつくのに長期間かかると考えていたとすれば、他の手段を選んでいたことでしょう。

「日本を侵略するよりは、今のままの方が自国にとってプラスである」と他国に認識させる様々な取り組みが、日本には必要なわけです。
自衛力の強化も、日米安全保障条約も、国連・OECD加盟やODAによる支援などもその一つと言えるでしょう。
戦争を77年間回避できてきた日本も、今後はより一層厳しい国際環境に直面するものと思われます。その中において、なお戦争を回避し続けるためには、今まで以上の積極的な取り組みの積み重ねが求められるものと私は考えています。

さかい学の『今月の主張』はこちらから

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