全力でハンドルを 夢日記2024.2.2

 とある病院。
 入院中の女性患者について、僕が働いている超常現象研究所に調査依頼があった。
 女性は、ほかの入院患者から隔離するために、個室をあてがわれていた。数人がかりで機材を病室に運び込み、電磁波計やサーモグラフィーなど各種測定機器をセット。
 女性所員が患者と、ほかの者は医師と調査内容について話していたら、早速、異変が起き始めた。長いときには年単位をデータ収集だけに費やすケースもあるというのに。医者が何かに怯えているようだった理由がいま分かった。これまでも、かなりの頻度で不可思議な現象が起きていたのであろう。
 女性患者は立ったまま意識を失ったようになり、静電気を帯びたように髪がふわっと持ち上がる。全身が小刻みに震えている。
 いくつかの測定器でメーターの針が振り切れてしまったり、電源が切れてしまったりしだした。
 周りにいる人にも、えも言われぬ不気味な何かが伝わっているようで、みんな苦い表情をしている。僕には感覚が鈍く、体が重くなるような変化があった。
 調査チームのリーダーに、コンピュータの立ち上げを指示された。コンピュータと呼んではいるが、そこらのパソコンとはわけが違う。いよいよの場面で使用するものだ。周囲のエネルギー変化を解析し、それを中和、所員と依頼主を守る装置なのである。
 一人暮らし用の冷蔵庫ほどの筐体に、ハンドルを差し込んで、思い切り回す。まるで昔のエンジンを始動するときのように。内部の回転機構が高速かつ安定した回転数になることで、コンピュータは動き出すのだ。
 女性患者の放つ何かしらの波動にあてられていつもの力を出せないが、とにかく全力でハンドルを回した。

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