何があってもこれを 夢日記2024.3.8

 勤め先の神社。
 厄払いか七五三か、祈祷を依頼された家族連れを本殿に案内した。一目見るなり、神職の先輩たちの雰囲気が変わる。
 ほかの仕事をしていた人たちも集まって、家族連れを囲むように陣取る。
 どこか奥から出してきたらしい、祝詞の書かれた紙を渡され、何があってもこれを唱え続けよ、と命じられた。普段なら祝詞は先輩の役目で、下っ端の僕は雑用しかしたことがないのだが。しかし、緊迫した表情で言われて、はい、としか答えられず。
 ありがたいことに振り仮名も書いてある祝詞を読み始めて、しばらくすると、背後が騒がしくなってくる。家族連れの悲鳴やら、先輩神職たちの気合を発する声やら、うめき声わめき声、どったんばったんという音などが聞こえ、何やら大変なことになっている様子。
 後ろを振り返ってみたい気持ちをぐっとこらえて、祝詞を唱え続ける。何かの破片が飛んできたり、足元に誰かが転がってきたりしても、唱え続けるのだ。僕が祝詞の奏上を中断したら、より非道いことになりそうで恐ろしい。

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