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いい医者、ヤブ医者。その違いを知っていますか?

いい医者と悪い医者の基準とは?

鍼灸師の皆さんにとって、“いい医者”と“悪い医者”の基準はなんですか?

  • 症状を改善できるかどうか

  • 痛いのを治せるかどうか

  • 根本治療をできる

  • 少ない回数で治せる

色々ありますが、それは患者さんから見ても同じなんでしょうか?

この記事を書いた人

玉井孝明(たまいたかあき)
鍼灸師/柔道整復師
鍼灸による逆子治療を9年間しています。読んでいる逆子の論文を基に逆子治療をしながら、逆子の統計をとっています。SNSで妊婦さん向けに逆子の情報を発信しています。

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いい医者と悪い医者の定義

この記事で1番お伝えしたいことは、患者さんにとっては以下のような基準があるということです。

  • いい医者とは、“私のことを見てくれる”医者

  • 悪い医者とは、“私のことを見てくれない”医者

これはいい鍼灸師、悪い鍼灸師も同じだと思います。(というよりも基本的には接客はみんな同じです。)

実際に患者さんから聞いた話

具体例を紹介します。以前、こんなことがありました。

患者さん「これから駅前の耳鼻科行ってくる」

私「そこの耳鼻科はいいところなんですか?」
患者さん「私のことも見もしない。カルテを見たままただ薬を出すだけ。とんだヤブ医者。ここら辺にいい医者なんていない。だけどそこしかないから行くしかない
。」

治るからいい医者ではない

医者の具体例があったので医者で話をしましたが、鍼灸師や他の業種でも同じだと思います。この具体例から、良い治療家の定義は「私のことをしっかりみてくれるか。納得のいく説明をしてくれるか。」であることを再認識しました。

この患者さんは治るかどうかを基準にしていません。 【私のことをちゃんと見(診)てくれるかどうか】が基準です。 たくさんの患者さんから同じようなことをよく聞きます。そして、説明をすれば私のことを見てくれていると感じてもらえます。なぜなら、相手のことを見ていなければ「あなたはこういう状態だ。だからこう治療する。」という説明ができないからです。説明をするだけであなたを見ているというメッセージを発信できます。

*そもそも、治すことがサービスでその対価として料金をいただいているはずなので、患者さんにとっては治ることが当たり前でその期待を超えられなければ満足はありません。満足度やリピートについてはまた今度お話しします。

説明をすることはとても重要

整形外科や整骨院、鍼灸院に行った人からこのようなことをよく聞きます。

  • 何をされたのか説明されていないからわからない

  • 自分がどんな状態なのか説明がないからわからない

  • あの先生は患部を触らないし見もしない

上記のようなことがあれば、一発で今までの信用もこれからの信頼も失うことは容易に想像できるはずです。

逆子治療も同じ

逆子治療はこの説明不足がより強く出ます。
他の鍼灸院で治療を受けたけど治らないからと、うちに来院した妊婦さんに前の鍼灸院で何をしたのかを聞くと「至陰と三陰交にお灸をした。」とか「それと腰に鍼をした。」と聞きます。逆子やその施術について何か説明があったかを聞くと多くの人が「説明はない。」と答えます。

通うためには信頼が必要

前回の記事(下記参照)でも話しました。すぐに治るものでないなら、通うに値する信頼が必要だと。
説明がなかったと患者さんから聞くと、その前の鍼灸院では「逆子と言ったら至陰と三陰交」というイメージだけで施術しているのかな。だから説明もできないのかな。という印象を僕は受けます。
僕がそれくらいの印象を受けるなら、妊婦さんはもっと強く不信感を抱くはずです。何をされているかわからない。なぜされているのかわからない。ジュクジュク
にⅡ度熱傷をしている妊婦さんもたくさんいます。なぜそこまでの火傷をさせられているのかわからないのはとても不安に感じるはずです。

逆子治療では詳しい説明が必要不可欠

逆子の原因については明確な科学的根拠がありません。ネットにはエビデンスのない記事が溢れています。それを知っている逆子の妊婦さんは不信感を抱いています。また、どうして鍼灸がいいのかも詳しい説明はネットに書いてありません。だから、鍼灸院に行く際はほぼ全ての人が逆子と鍼灸に対する不信感と緊張でいっぱいです。そもそも信頼がない状態がスタートします。その不安を和らげてあげられる納得のいく説明が必要です。

逆子はその場で治らないのだから、妊婦さんが通うとういう行動を起こすためには“鍼灸を受ければ逆子が治りやすくなる”という期待が必要です。期待するほど信頼するほどの説明が最初の1回目に必要になります。なぜなら、人印象はほぼ全てが第一印象で決まるからです。これは有名な心理学の話で、少し調べればでるのでここでは割愛します。

それでも逆子は自然に治る

正直、説明をしなくても、至陰と三陰交になんとなくお灸をしていれば逆子は治ります。そもそも、ほぼ全ての逆子が自然に治ります。妊婦さんが自分でやっても治ります。だから逆子治療は、逆子の知識がない鍼灸師でもなんとなくやれば多くは治ります。効かなくても自然に治るので。だから、何回か通ってもらったら治ることも多いはずです。

不安を和らげ信頼を築くのは、治療ではなく“説明”

至陰にお灸をすれば多くの逆子は治ります。逆子のままになるというストレスは解決できます。ですが、どうして逆子なの?逆子はどうすれば治るの?というストレスは解決しません。逆子は治らないこともあります。治らない場合、一生どうして治らなかったんだろうとストレスを抱えます。だから、逆子治療の場合は妊婦さんの悩みを解決するためには説明が必要不可欠です。

痛みを和らげるのは“治療”
不安を和らげるのは“説明”

鍼灸師にとっても逆子は未知に近いはず

多くの鍼灸師にとっても逆子は未知のものに近いはずです。一般的に販売されている逆子に関する鍼灸の参考書は僕が知る限り1冊しかありません。その改訂版を別と考えるなら2冊のはずです。参考書はありませんが、論文を読めば科学的に考察ができます。その参考書も多くの論文を参考にして書かれています。
今まで治ったからと今までと同じ治療をし続ければいいというものではないと思います。同じ治療をしていれば、術者に成長はありません。

成長とは昨日の自分より少しでも変化し、昨日とは少しでも違う自分になることです。もし逆子が治ったという事実があるなら大切です。ですが、それを自分の治療の効果なのか、自然に治ったものなのかを精査するべきです。治ったという事実だけでそれに怠けてはいけないと僕は考えて実践しています。だからこそ、日々勉強をしています。それは逆子治療だけではなく、痛みの治療やその他の症状の治療の勉強も同じです。

エビデンスがなくても、現象は起きている。

エビデンスがないなら信用できないという人がいますが、ナンセンスです。なぜなら、現象は起きているからです。「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きているんだ!」という有名なセリフがありますが、治療も全く同じです。科学は研究室でされますが、現場では患者さんの悩みを解決できることが1番大切です。患者さんにとって1番大切なことは科学的根拠があるかどうかではなく、悩みを解決できるかどうかだからです。

科学と事実

僕はこう思います。“科学を語れないのは勉強不足、事実を無視するのはナンセンス”
西洋医学と東洋医学も同じです。西洋医学(科学)で語れないのは勉強不足です。事実や経験で成功しているからと西洋医学を語れないのはただの勉強不足です。
東洋医学を無視するのはナンセンスです。なぜなら、その考え方や治療方法で症状が改善している事実があるからです。だからこそ、科学では証明されていなくても、逆子治療をしていて経験した事実を加味しながら論文を読んで科学を勉強しています。科学も事実もどちらも大切です。

いい鍼灸師になるために

腕のいい鍼灸師になりたいなら【治せる技術】
良い鍼灸師と思われたいなら【納得のできる説明】

どんなものでも治せれば、腕のいい鍼灸師だと思われます。
ですが、腕のいい鍼灸師になれば、良い治療家だとみんなから思われるわけではありません。なぜなら、患者さんにとってのいい先生は治せる先生ではなく、【私のことをちゃんと見(診)てくれる先生】だからです。
また、みんなから良い鍼灸師だと思われている人が、腕のいい鍼灸師だとは限りません。つまり有名だから上手いというわけではないということです。SNSや権威性はいくらでも操作できます。印象操作が上手な人、マーケティングの能力が優れている人が有名になります。上手い人が有名になるわけでもありません。

もちろん、腕のいい良い先生になるのがベストだと思います。

納得のできる説明をする方法

この記事を読めば患者さんが納得できる説明の必要性を感じられたと思います。特に鍼灸師は東洋医学で話をすると、相手はとても理解できません。だから僕は東洋医学の考え方を勉強しつつ、説明は科学的に行っています。
僕は絶望的に説明が下手でした。今でもこうして文章を作成するのは苦手です。
ですが、苦手だからこそ独学で勉強しました。本とネットで文章構成を調べたり、分かりやすい記事を見つけてはどんな構成になっているのかを研究したりしました。

これは以前からかなり作り込んでいますが、まだ完成はしていません。
完成したら配信するので、このnoteかLINEの登録して待っててください!
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