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内臓(ホルモン)についてあれこれ

牛(枝肉)一頭買えば内臓も付いてくると思っている人が多くいますが、流通が別なので枝肉に内臓は含まれないんです。このあたりは複雑なので説明しにくいのですが昔ながらの悪しき慣習も引きずっていたりします。ただ、地域によっては(地域というのか食肉センターの規則みたいなものがあるのか、あるいは権力なのか・笑)屠畜したばかりの内臓を持ち帰ることもできます。実際、僕が扱っているジビーフや阿蘇のあか牛、吉田牧場さんのブラウンスイス牛の内臓は持ち帰っています。

なので、焼肉店の開業で一番苦労するのが内臓の仕入れなんです。片っ端から電話してもかすりもしないのが内臓なんです。サカエヤにも、焼肉店をやりたいのだが取引したいと問い合わせがあります。いろんなところにお願いして断られて、という感じが声からにじみ出ています。あぁ~ここもダメかと。

内臓の仕入れは太いパイプがないと難しい。だから焼肉店ですばらしい内臓をみるとしっかりとした仕入れルートを確保しているのだと感心するのです。

さて、サカエヤに入ってくる内臓はすべて行先が決まっています。例えば近江牛の内臓は週に2頭ほどしか入荷してきませんが、鮮度とは別に僕のなかで基準があって、そこをクリアしていない内臓は販売しないようにしています。10頭に1頭くらいはそういう内臓があります。

どういった内臓かというと、肝臓にダメージがあったり、腸がただれていたり。必ず食べて判断しますが(食べなくてもわかるのですが)、つまりは健康じゃない内臓だということです。先日の内臓も肝臓や腸など廃棄が多く、残った部位も試食の段階でアウトでした。割り当てなのでこういった内臓も持ち帰らないといけないのです。もちろん拒否することもできますが、付き合いもありますからね。

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廃棄が多かったときのサガリです。販売できないので自分で食べるのですが、見た目はキレイにサシが入っていておいしそうでしょう。実際、このレベルのサガリなら喜んで買ってくれる焼肉店たくさんあります。でもね、肉の味がしないんです。おそらく枝肉も瑕疵がついているでしょう。融点が高いのか胃の中で消化しきれず5枚食べてもういいかなって感じでした。

そこまでこだわらなくてもいいじゃないかと言われますが、100点じゃないものは売れないですし、そこを見逃すと他の仕事にも影響してしまいます。なによりもお客様に対して失礼ですし、うちの若い子たちが見習ってしまったら大変です。

瑕疵について↓




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