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【Starlight Destiny#21】小学校の遠足途中で出会った亡き友達

遠足の日、歩いて1時間ほどの公園へみんなで行くので、先日から遠足のお菓子ひとり300円を握りしめて近所の駄菓子屋に向かった。友達と手をつないでスキップしてどれだけこけたことか、でもケガしても笑顔であふれていた。楽しみすぎてだから痛みも感じないに違いない。
当日、晴天にも恵まれて先生が
「みんなでケガのないよう行きかえり気を付けて楽しみましょう」の声が響くと、子供たちは歓声を上げて前を向いた。無邪気な純真さで、未知の世界へと踏み出していく全員が勇者に見えた。

いよいよ冒険の始まりだ。周りの大人が振り返って私たち一向を見て笑顔を送ってくれたり、木々のざわめきや小鳥のさえずりが、彼らのワクワクと繋がっているかのように思えた。

あるところに向かう手前からひどく頭が痛くなった。あれ?なんだろう?
一人だけみんなと時間の感覚がずれはじめた。
「あのさ、覚えてる?僕のこと?」と声が聞こえた
みんなの姿は一瞬に見えずその子の姿しか見えなかった。
「あ!」もしかして、また一人だけ見えているアレかな?と思った瞬間
稟僧召喚してきて
「長(おさ)の幼稚園時代のお友達で1年ほど前ここで交通事故にあわれた
お子様だと思います。」と言われた
近づいて手を差し伸べると透明すぎて触れず、ただ気だけを感じる
「僕ね、ここで死んだからもう少ししないと離れられなくて困っているの
どうしたらいいか教えて」と聞かれた
え?でも私に聞かれてもどうしていいかわからず困惑していたら
稟僧が
「このお子様はご両親をすでに他界されているため荼毘になってから
どなたもかかわってくれないようです。長が考えて必要なことだけを
したらいかがでしょう」とめちゃぶりだった。
とりあえず、
「今日は遠足だったから私のお菓子をあげる」とその子の足元にもっていた
お菓子を置いた。
「え いいの ありがとう うれしい」と
笑顔が、まるで夕日の輝きのように心を満たしていく。
そして消えた。
その日は足が痛かったぐらいしか思い出がなく、次の日から
その子が亡くなった場所にまたお花を毎日置くようにした
子供だから花はそうそう買えるもんではないので、たんぽぽや
ナズナなどを置くようにした。
それから数年後、お地蔵さまが立っていらっしゃった。
もうさみしくないねっと思った。
遠足の日に出会ったお友達
あなたとの過去の思い出はいつまでも忘れないだろう。




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