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UR-Uオンラインスクール マーケティングスキル【WEEK2】


 こんにちはRYOです。
前回はマーケティング3C/戦略目標について学びました。
今回はマーケティング基本分析であるSTPについて説明していきます✨







『STP戦略とは』


 STPはマーケティング戦略の基本概念であり、以下の3つの要素から構成されます:

1. セグメンテーション(Segmentation)

◇市場を特定の基準(例: 年齢、性別、所得、ライフスタイル、地理的地域など)で分けるプロセスです。

◇目的は、市場を細分化して、各セグメントのニーズや特性に合ったマーケティング戦略を立てることです。

2. ターゲティング(Targeting)

◇セグメンテーションによって識別されたセグメントの中から、自社の製品やサービスに最も適したセグメントを選び、そのセグメントに焦点を当てることです。

◇ターゲティングには以下の戦略があります:
単一セグメント集中戦略:一つのセグメントに絞ってマーケティングを行う。

選択的ターゲティング戦略:複数のセグメントを選び、それぞれに合わせたマーケティングを行う。

全市場ターゲティング戦略:市場全体をターゲットとする(広範囲のアプローチ)。

3. ポジショニング(Positioning)

◇ターゲティングしたセグメントの中で、自社の製品やサービスを競合と比較してどのように位置づけるかを決定するプロセスです。

◇ポジショニングには、消費者が自社の製品をどのように認識しているかを理解し、それを強化または修正するための戦略が含まれます。

◇具体的には、製品の特徴、価格、品質、ブランドイメージなどを考慮して、消費者に対する独自の価値を伝えることが重要です。

【STPの実施ステップ】


1. 市場調査とデータ収集
 顧客のニーズや行動パターンを理解するための情報を収集します。

2. 市場セグメンテーション
 市場を特定の基準に基づいて細分化します。

3. ターゲットセグメントの選定
 各セグメントの魅力や競争力を評価し、最も有望なセグメントを選びます。

4. ポジショニング戦略の策定
 競合と差別化し、ターゲットセグメントに対して自社の製品やサービスをどのように位置づけるかを決定します。

5. マーケティングミックスの展開
 ポジショニングに基づき、製品、価格、流通、プロモーションの4つのP(Product, Price, Place, Promotion)を最適化します。

これらのステップを通じて、STPは企業が効果的に市場を攻略し、顧客のニーズに応じた価値を提供するためのフレームワークとして機能します。



『大手企業の戦略を参考に考察』


 スターバックス(Starbucks)のSTP戦略を例に取ると、同社がどのようにして消費者市場での地位を築いてきたかがよくわかります。

1. セグメンテーション(Segmentation)


スターバックスは以下の基準で市場をセグメント化しています:

◇地理的セグメンテーション
 世界中に展開しており、地域ごとの消費者の嗜好や文化に合わせた商品展開を行っています。例えば、日本では抹茶フレーバーの商品を提供することが多いです。

◇人口統計的セグメンテーション
 年齢、所得、職業などに基づいて市場を分けています。スターバックスの主なターゲットは、都市部の働く大人、大学生、中流から上流の所得層です。

◇心理的セグメンテーション
 ライフスタイルや価値観に基づいて市場をセグメント化しています。健康志向の消費者、環境意識の高い消費者、エクスペリエンスを重視する消費者などが例です。

◇行動的セグメンテーション
 消費者の購入行動や使用状況に基づいて市場を分けています。たとえば、朝の通勤時にコーヒーを購入する人、午後の休憩にリラックスしたい人、日常的に訪れる常連客などがいます。

2. ターゲティング(Targeting)


 スターバックスは特定のセグメントに焦点を当てて、以下のようにターゲティングを行っています。

◇都市部の働くプロフェッショナル
 忙しいライフスタイルを送る人々に向けて、利便性と高品質なコーヒーを提供しています。多くの店舗はオフィス街に位置し、早朝から営業しています。

◇大学生と若い成人
 若年層に向けて、快適な居場所とWi-Fiを提供し、勉強や仕事、友人との社交の場として活用されています。

◇健康志向の消費者
 健康的なオプションを提供し、ビーガン、低カロリー、糖質制限などのニーズに対応する商品を展開しています。

◇環境意識の高い消費者
 環境に配慮した取り組みやサステナブルな商品(リサイクル可能なカップ、フェアトレードコーヒーなど)を提供し、エシカルな消費行動を重視する顧客にアピールしています。


3. ポジショニング(Positioning)


 スターバックスは、自社のブランドを以下のように位置づけています。

◇「第三の場所」
 スターバックスは、家庭や職場に次ぐ「第三の場所」としての役割を強調しています。居心地の良い空間、快適な座席、無料Wi-Fiなどを提供し、顧客がリラックスしながら時間を過ごせる場所として認識されています。

◇高品質なコーヒー体験
 スターバックスは、高品質で多様なコーヒー飲料を提供することに重点を置いています。バリスタによる一杯ごとのカスタマイズや、新鮮な材料を使用した飲み物が、そのブランドイメージを支えています。

◇ブランドの一貫性
 世界中どこでも同じ高水準のサービスと製品を提供することで、スターバックスは一貫性のあるブランド体験を提供しています。ロゴや店舗デザインも統一されており、どの店舗でもスターバックスらしさを感じられるようになっています。

◇持続可能性と社会的責任
 スターバックスは、持続可能な農業、フェアトレード、環境保護、地域社会への貢献など、エシカルなビジネスプラクティスに力を入れています。これにより、環境や社会に配慮する消費者からの支持を得ています。

STPの実践に基づくマーケティングミックス(4P)


◇製品(Product)
 多様なコーヒー飲料、季節限定メニュー、フードアイテムなどを提供し、幅広い消費者のニーズに応えています。

◇価格(Price)
 高品質なコーヒーとエクスペリエンスを提供するため、プレミアム価格戦略を採用しています。

◇流通(Place)
 高い交通量のある場所や、ターゲットセグメントが集まる場所に店舗を展開し、利便性を重視しています。

◇プロモーション(Promotion)
 ロイヤルティプログラム(Starbucks Rewards)や、季節限定のプロモーション、SNSを活用したブランドエンゲージメントを通じて、顧客との関係を強化しています。

このように、スターバックスはSTP戦略を通じて、自社のブランドを確立し、多様な消費者ニーズに応じたマーケティングを実現しています。



 スターバックスのSTP戦略を掘り下げると、彼らがどのようにしてグローバルなコーヒー文化を形成し、顧客との強い絆を築いてきたかが見えてきます。セグメンテーションで市場を細分化し、ターゲティングで最も価値を提供できる層に焦点を当て、ポジショニングで競合との差別化を図ることで、スターバックスは独自のブランド体験を創り出しています。

これらの戦略は、あらゆるビジネスが市場で成功を収めるための基礎となるものであり、どの企業にも応用可能です。特に、変化する消費者のニーズに対応し、持続可能な成長を目指す上で重要です。

 次回は、マーケティングの4P(製品、価格、流通、プロモーション)について詳しく解説します。これらの要素がどのようにしてスターバックスの成功を支え、顧客に選ばれ続けるブランドを築いているのかを見ていきましょう。4Pを理解することで、さらに深いマーケティングの知識を得て、自身のビジネスにどう活かせるかを考えるきっかけとなるはずです。どうぞお楽しみに!

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