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その知識は古いかも!?ChatGPTの2023年7月〜9月上旬アップデート&新機能まとめ【ひとこと解説&重要度ランク付】

日々新しい情報が出回る生成AI界隈。動きが早く、ツールのアップデートを追うだけでも大変です。
「ついていけてないかも…」「私の知識、もしかして古い…?」という方のために、この2か月半のChatGPTのアップデートや新機能、仕様変更などを時系列でまとめました。各トピックの簡単な解説と、重要度ランク(3点満点)もつけています。

・7月1日〜9月11日までの更新情報を対象としています
・日付の新しいものから順に記載しています
・日付は原則として発表日ベース・現地時間です
・重要度は「一般ユーザーへの影響度の大きさ」を基準にしています

2023年9月

教員向けの公式資料公開

9月1日
重要度:★☆☆
教育にChatGPTをどう活用するかのヒントを示した公式ドキュメントが公開。プロンプトのサンプルとして、「授業計画を考える」「生徒の学習レベルに合わせた効果的な説明やたとえを作成する」「AI家庭教師を作る」などが紹介されています。
教育にAIを使うことには賛否両論あり、現場での活用に悩む先生は多そうです。日本でも文科省がガイドラインを公開していますが、こういった「お墨付き」の情報が増えることで、導入ハードルも下がりそうです。

2023年8月

Code InterpreterがAdvanced Data Analysisに名称変更

8月下旬
重要度:★☆☆
なぜか突然の名称変更。機能に大きな変更はない模様。直訳すると、Code Interpreterは「コード通訳」、Advanced Data Analysisは「高度なデーター分析」なので、たしかに後者のほうが何ができるのかがわかりやすいですね。

企業向け「ChatGPT Enterprise」発表

8月28日
重要度:★☆☆
企業での利用を想定した「ChatGPT Enterprise」を発表。価格は「要問い合わせ」で公表されていませんが、入力した情報がAIの学習に利用されることはなく、組織やチーム単位で管理を行える管理コンソールも提供。処理速度は最大2倍で、GPT-4を無制限で利用可能、Code Interpreterにも対応するなど、機能は充実しているようです。

Code Interpreterで複数ファイルのアップロードが可能に

8月中旬
重要度:★★☆
Code Interpreterの使用時に、2つ以上のファイルをアップロードしてそれを元に分析することが可能に。できることの可能性が広がりました。

GPT-4をデフォルトに設定可能に

8月上旬
重要度:★☆☆
Plusユーザーの場合、新しいチャットを始めるときに使用モデルを「GPT-3.5」と「GPT-4」から選ぶことができます。これまではデフォルトがGPT-3.5だったため、GPT-4を使いたい場合は毎回選び直す必要がありましたが、このアップデートで前回選択したモデルが記憶されるように。
「4を使いたかったのに3.5で始めちゃった!ちょ、ストップ!ストップ!(新規チャットでやり直すために今生成されてる回答を止める)」という、有料ユーザーなら一度は経験したことがあるはずの、地味にストレスなあの状況を回避しやすくなりました。

プラグインストアに開発者情報が表示されるように

8月上旬
重要度:★☆☆
Plusユーザー向けに提供されているプラグインストアの画面に、開発者情報のリンクが表示されるようになりました。リンクからプライバシーポリシーなどを確認したり、メールアイコンから質問を送ったりすることが可能。こういった情報の表示は、スマホのアプリストアやChromeなどの拡張機能ストアでは当たり前に行われていること。より安心してプラグインを使えるようになりました。

2022年7月

GPT-4の利用上限が「3時間50件」にアップ

7月下旬
重要度:★★☆
PlusユーザーがモデルにGPT-4を選んだときに利用できるやりとり回数の上限が、3時間あたり25件から50件に引き上げ。
有料ユーザーを悩ませていた「ガシガシ使っている最中に上限に達して水を差される」状況が少し解消されそうです。これまでの3時間25件は、ちょっと込み入った作業をしようとしたらあっという間に達してしまう回数。あまりにも少なすぎた!

Android版ChatGPTリリース

7月25日
重要度:★★☆
iOS版に遅れること約2か月、Android版のスマホアプリがようやく登場。出先からも手軽に利用できるようになりました。

「custom instructions」登場

7月20日
重要度:★★☆
回答する際に考慮してほしい好みや条件をあらかじめ指定できる「custom instructions」(カスタム指示)が、Plusユーザー向けに提供開始。同じ指示を毎回入力しなくても、希望にそった回答が得られるようになりました。この機能は近日、無料ユーザーにも開放されるとのこと。

AI生成の文章を見分ける「AI Text Classifier」公開終了

7月20日
重要度:★☆☆
「AI Text Classifier」は、1000字以上のテキストを入力すると、それがAIで生成された可能性がどのくらいあるかを5段階で識別するのツール。OpenAIが1月から試験的に提供していましたが、「精度が低いため」との理由でひっそりと公開を終了。AIの書いた文章を見分けるのはまだまだ難しいようです。

データ分析ができる「Code Interpreter」登場

7月上旬
重要度:★★★
ファイルをアップロードしてデータを渡すことで、データ分析やグラフの生成を行える「Code Interpreter」がPlusユーザー向けに提供開始。専門知識がなくても手元のデータの分析やビジュアル化を簡単に行えるようになりました。

ブラウジング機能が一時的に提供中止

7月3日
重要度:★★☆
3月に登場した、Web検索の結果をChatGPTの回答に反映できる公式プラグイン「Web browsing」(Browsing with Bing)が一時的に公開を停止。「我々が望まない方法でコンテンツを表示することがある」ことが理由とのこと。OpenAIは「できるだけ早く復旧できるよう努力している」としていますが、停止から2か月が経った今も利用できない状態が続いています。
ちなみに、Plusユーザーであれば、同様の機能を備えた「WebPilot」プラグインを追加することで、Web検索の結果を回答に反映することが可能。ひとまずこちらを使うことをおすすめします。

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