水民マガジン 2023.9.5 いかに楽に泳ぐか キックについて

クロールの場合は 腕の推進力とキックの推進力の割合は 7:3 である
という言説が よく水泳の教本なんかに記述されているのだが わたしはこれを信じたことがない
どのような実験で こんな数字が出てくるのだろうか?
そう思うからだ
数字自体の信憑性を疑っている というわけではない
まあ 経験的に考えると 妥当な数字かな
とすら 思っている
だが 2ビートと6ビートでも 違った数字が出てくるかも知れない
腕:脚 2:8  とかはありえないとしても 6:4     8:2 はあるかもしれない
しかし そもそも スイム全体の動きの中でキックの割合だけを切り離して考えることはできない
キックには 直接的な推進力とは違う役割もあるし 使い方によっては ブレーキにすらなり得る

スイムのときの胴体の動きは 腕の動作に関連して 左右に切り替えされる 
一般にローリングと言われる動きである
ローリングは体軸を中心にした回転動作なので 回転を制御するためには 回転を抑え込む別の動きが必要になる

歩行を考えてみよう
おそらく 現代の多くの日本人は 出す足と反対側の腕を出して バランスを取っていると思う
これが 角運動量の相殺である
泳ぐ場合も 体軸の回転と反対側の足をキックすると 角運動量は相殺されるのである

以前 パラッと読んだ本の中では 左右のローリングに対応する このふたつのキックを ベーシックキックとしていた
2ビート泳法である
これに対するオカズの入れ方で 6ビートになったり 4ビートになったりするのである

なわけで 上半身をバランスよく動かすためにも キックは必要であるが それが推進力にどのくらいの割合で関与しているなんて どんな実験や測定でわかるんだろうか?

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