水民マガジン  平泳ぎ篇  1/3 キック

平泳ぎで 多くの人が苦労するのは キックである
わたしが所属するプールでも 隔月でテストを開催するのだが テストの基準項目が キック タイミング スイム の3段階に別れている(わたしが決めたのではない)
つまり 平泳ぎを完全に泳げるようになるため 半年かかるという事で 流石にこれは長すぎと思い 飛び級可能を導入した
平泳ぎのキックで 1番引っかかるのは 『あおり足になる』ということだ
あおり足というのは 足の裏で水を押せないで 足の甲でキックをしてしまう という状態だ 
これを矯正するのに 平泳ぎを教えるコーチのほとんどが 色々と手を尽くしてきたと思うし わたしも色々とやってきた
昔は 平泳ぎは日本のお家芸 と言われた事がある その理由のひとつとして 日本はずっと和式トイレの文化があり 足首が柔軟で強靭なのである という言説がある
今となっては 『そんなら何かい ウンコ座りしとるヤンキーは みんな平泳ぎののキック 得意なんかい!』とか『北島康介のうちは 和式トイレなんかい』とか 色々とツッコミどころがある (話しが昭和でごめんなさい 今どきの若者に和式トイレだの 日本のお家芸だの ヤンキーのウンコ座りだの 全然伝わらないのは わかってます しかしこちらはなんせZZ(ずぃーずぃー(爺爺))なんでね)
その影響か プールサイドをかかとで歩かせる みたいな練習をさせるコーチが いまだにいる
このように
多くのコーチ(わたしを含め)は どうやって 足首をしっかりと曲げさせるかを 生徒に教えようと考え あれこれと工夫をこらす
最近(と言っても ここ十年ほどのスパンだけど)気づいたことは 足首を曲げるためには 足首が伸びていないといけない
という 当たり前 そんなん知ってる というレベルの事である
何が言いたいか というと 足首がすでに曲がった状態で『足首 曲げて〜』と言っても 響かない のである
足首が少なくとも曲がっていない状態で 『足首曲げて〜』と言って はじめて響く
具体的に どうするかは 各自で考えてください
今 採用しているのは 蹴りはじめを 後ろから見ると

の形にすることである
膝はくっつけないで 膝と膝の間は身体の幅より狭く(抵抗を少なくする)
足首は 膝より広い位置でけり始める
この時 しっかりと足首を曲げ 足の裏で水を圧す
足裏の軌道は 水を後ろにおしながら 同時に内側に水を切っていく
足裏で水を圧すと 足裏にリアクションが返ってくる
内側に水を切るのは スカーリングである
つまり 足裏で水を圧す 作用反作用と
足裏で水をスカーリングする 揚力
『平泳ぎのキックは 作用反作用と揚力のWパワーで進むんですよ』
というギャグを 成人クラスでかまし ささやかな笑いを得る

この時 膝を軸とする回転半径が大きいほど 推進力は大きくなると思う 膝に充分な柔軟性があり 足の筋力があまり強くない人は 回転半径を大きくすることを薦める

最近の傾向としては 足の幅を小さくする傾向があるように思える
抵抗が少なく テンポが上がるからだろう  
この場合 推進力は W効果に加え 重心移動が必要だと思う





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