vol.0105 採用担当者を育てるにはどうしたらいいですか? (3/4)

前々回は採用の難しさ、
前回は、経営者と採用担当者の
担う部分の切り分けが大切とお伝えし、

採用活動というのは、
4大経営資源の始まりに位置する
ヒトという資源を増やす活動なので、
採用すべき人は経営に関わることと
説明をさせていただきました。

では、経営者は何を担えばいいのか?
という部分を書いていきます。


経営者として組織の未来を描き、
そのために必要な前提条件を考えることと
思います。

そして、その考えた内容を採用担当者
に伝えるわけなのですが、
伝えるレベルも気を付けなくてはいけなくて、

今後の会社にとって必要とされる、
採用すべき人はどんな人なのかを
採用担当者が認識できるレベルで
組織の目指す方向性と
その理由を伝えきることが必要
なのです。

採用担当者がCHOだと、
方向性を定める段階のミーティングから
同席しているでしょうし、共に考えている
はずなので1ステップ外すことが
できますね。

しかし多くの場合は、
採用担当者が経営の中枢に入り込んで、
共に未来を描き、戦略を策定していく
というミーティングには同席しない
だろうと思いますので、
そのミーティングに入れるのではなく、
そのミーティングの結果決まった未来に
対して、必要な人材とはどんな人材なのか?
を共有するということをしてみていただけたらと
思います。


1つ目の重要なポイント

経営の方向性を定め、それを
求める人材像まで落とし込んで
採用担当者に伝える。

ということです。


2つ目の重要なポイントは、

経営者が人材にかける予算感を
正しく把握しておく。

ということです。

経営者がほとんど現場にいない
という会社の採用担当者(役員の方)と
お話をしたことがあります。

経営者はいくつものグループ会社の
代表をしており、その会社に顔を出すのは
稼働日の1割もないようです。

それでも数値や報告から、
現場のことを正確につかむことのできる
経営者ならば問題はないのでしょうけれど、
そうでない場合悲劇が起こります。

「失敗の本質」という名著に
書かれていることそのものなのですが、

現場が見えていなく、痛みを感じない大本営と、
大局が見えていなく、痛みを感じる現場
での
感覚のギャップが広がっていき、

意思決定に本当に必要な項目を
大本営が知る事ができず、
全体が見えず、物資が枯渇した中で、
敗戦を続け疲弊していく現場という
構図ができあがってしまうのです。

先ほど例にあげた会社様は、
役員である採用担当者が惨状を訴え、
予算の増額を求めているものの
現場の熾烈さと、どれほど現場が動いて
いるかも把握していない経営者は、

「もっと工夫すれば上手くいけるんじゃない?」

と状況を把握しないまま
直感での判断を下してしまいます。

直感というのは、
現場の状況を感じて初めて役立つものであり、
それを感じていない状態の直感はただの勘でしか
ありません。

結果敗戦が続き、現場のモチベーションは落ち、
採用できない状況が続くと、更に採用難易度が
高くなっていく
という悪循環が生まれます。

いくら現場のことは現場に任せると
言っても、必要な物資(予算や人)がない中で、
「欲しがりません勝つまでは!」
という根性論では瞬間的な戦いでは
勝つことはあっても、長期的な勝利を
手にすることはできません。

現場(採用担当者)の言い分をすべて
無条件で受け入れるのも、
その採用担当者の力量などもあるので、
それが正解かどうかはわかりませんが、
少なくとも、採用担当者がアラートを
上げた時、またはアラートは上がってきて
いないけれど、結果が思わしくないとき、

なぜそのような状況なのかを、
経営者が自分で第一情報を取れるように
して意思決定の材料を持っている状況を
作るというのは必要なこと
です。


次回は経営者が担うべき
3つ目の重要なポイントに入っていきます。


最後までお読みいただきありがとうございました。
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